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過熱するワイドショー。作るも見るも、皆「凡夫」

親鸞聖人のお言葉に

「凡夫」というのは、わたしどもの身にはあるがままのありようを理解できないという、最も根本的な煩悩、迷いの根源が満ちみちており、欲望も多く、怒りや腹立ちやそねみやねたみの心ばかりが絶え間なく起り、まさに命が終ろうとするそのときまで、止まることもなく、消えることもない(一念多念証文・現代語訳)

とあります。八百年前、既に人間の本性を深く見つめた言葉です。

「凡夫」とは、自己の利益のためなら、他を犠牲にすることも厭わない。あらゆる欲求が交錯する日暮らしで、それが命が終わる瞬間まで続く。何とも、恐ろしく悲しき性ではありますが、最近のワイドショー・週刊誌は、正にこの欲求のためにあります。そして私たちの本性も…。

隠れて悪いこと(倫理に反すること)をした人、それを暴く週刊誌、その週刊誌の読者、そして今質問の中で週刊誌カメラマン・パパラッチに怒りを向ける あなた、皆同様に、怒り・腹立ち・そねみ・ねたみの心が絶え間ない煩悩具足の「凡夫」なのです。

私たちの目や耳は外に向いていますから、人のことはよく分かります。しかし、自分が欲望煩悩の身であるとは全く見えていないのです。

あなたの主張は、一般倫理では正論です。でも振り返って私も実は煩悩具足の「凡夫」だと自覚できた時に初めて、様々に腹も立て、愚痴をこぼしながらも、いろんな方々とつながり(縁)を持ち、生きるというより、生かされている生活を感じる事ができるのではないでしょうか。
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有り難し
質問
人の秘密を暴く職業の方は、どのような業をせおうのですか?
女性週刊誌のカメラマンや、パパラッチのように、人の秘密を暴いてそれをお金にする職業の方は、どのような業をせおっているのですか? それがいいこと、悪いことというのではなく、週刊誌をみる私達がいるからこそ成り立つ、必要な職業なので、別に彼らを非難しているわけではありません。 しかし、彼らのせいで芸能界をおわれたり、社会的な信用を失って仕事をなくしたり、一つの記事が人の人生を破滅させることもあります。 もちろん、元々は隠れて悪いことをしていた人達が一番悪いのであって、彼らはその秘密を世間に暴いただけかもしれません。 だからといって、何をしてもいいというわけではないと私は思うのです。 日本の長い歴史の中でも、密告や告げ口をして金銭をもらっていた人はたくさんいたと思います。 仏教の世界では、そういう彼らはどんな立場にいるのでしょうか。 最近の過熱するワイドショーをみて、色々と考えてしまうのです。
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