hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる

縁起について教えて下さい

回答数回答 3
有り難し有り難し 22

仏教の縁起について教えて下さい。


この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

よりて起こる

人間の心はもともといつでもカラッポ、本来無一物。
そこに、一縁が加わると、はじめて思いが発生する。
❝縁りて起こる❞
「縁起する」「縁起ぜられる」のです。
この道理を知るために、本当に、思い=知・情・意やら、念・想・観のせわしない働きを休めてみましょう。
思いが起こる前、縁起ぜられる前を悟れば、あなたが常に安楽の境地、涅槃であるからです。

{{count}}
有り難し
おきもち

縁起は最も根本的な仏教の思想です。

「縁起」は大きく分けて二種あります。
二種とは上座部仏教の縁起と大乗仏教の縁起です。
二つの縁起は少し質が異なります。
どちらが正しいということではなく、どちらも正しい縁起です。

上座部仏教の縁起は「因縁生起」です。
因と縁が和合して結果が現行するというもの。
種を蒔き(因)、そこに水や肥料や日光等が合わさり(縁)、植物が育つ(生起)という論理です。
原因だけでは結果は起こらないと考えます。
つまり、私達を包み込む全ての出来事には原因があり、そこに縁が合わさることで起こっているものなのだ、考えるのが上座部仏教の縁起論です。
今の私という存在は多くの縁によって成立しているものです。
「因縁生起」は「時間的経過が必要な縁起」とも言えます。

また大乗仏教の縁起は「空」と説かれます。
「空」は「因縁生起」のような時間的経過は必要がなく同時成立する縁起です。
例えば、母親とその母親の子どもがいたとします。
母親30歳、子ども5歳だとすれば、普通ならばその年の差は25歳です。
しかし「空」の観点から言えば、二人は同い年の5歳となります。
何故なら、母はその子が生まれると同時にその子の母になったのであり、母親と子は同時に成立した関係です。
母が子という存在を成立させ、子が母という存在を成立させています。
母と子は成立しあって5年。
だから二人は同い年の5歳と言えます。
つまり「空」では個と個が対峙して初めて互いの個が成立するのであって、個一つでその個体が成立することはないと説いているのです。
「私」を「私」と成立させるものは「他」であり、私の中には私を成立させるものは何もない(=無我)というのが「空」です。
ま空」は「時間的経過を必要としない縁起」と言えます。

{{count}}
有り難し
おきもち

始めまして、釈心誓と申します。 浄土真宗本願寺派の僧侶です。 若輩浅学...
このお坊さんを応援する

「縁起」をお説きになられましたお釈迦様に最敬礼申し上げます。

zensyu様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

「縁起」という言葉を聞くだけで、誠に身の引き締まる思い、ある種の緊張感が走ります。

「縁起を見るものは法を見る。法をみるものは縁起を見る」「縁起を見るものは法を見る。法を見るものは仏を見る」と申しますように「縁起」の教えは「空」の教えと共に、まさに仏法の真髄の一つであり、しっかりと理解することが大切となります。

浅学の拙い未熟なる理解ではございますが、これまでにも「縁起」に関しまして、下記の各問いにて扱わせて頂いて参りました。

http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/tag/縁起

http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/tag/空と縁起

最近では下記問いにても扱わせて頂いております。

問い「「空」とはどういう意味でしょうか?」
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/archives/1020870815.html

「縁起」とは、この世における全てのモノ・コトの成り立っているありようを説明する上において、誠に欠かせない考え方となります。

また、「縁起」は「空」と表裏一体・不可分の理解が求められるものであり、「縁起」=「空」、「空」=「縁起」、つまり、「色即是空 空即是色」の理解が必要となります。

「縁起」には、主に三段階の理解として、第一に、「原因・条件・結果における依存関係」、第二に「部分と全体とにおける依存関係」、第三に、「意識作用・概念作用・思惟分別作用により、仮名・仮説・仮設されることによるという依存関係」がございます。

そして、最終的には、あらゆるモノ・コトというものは、それ自体の側において、他に依存せずに独立自存として存在していない「無実体・無自性・無自相」という「空」の理解と共に、では、どのようなありようとして実際、現実に存在しているのかということにおける「縁起」を理解することが大切となります。

何とかしっかりと誤謬なく理解していけるように調えて参りたいものでございます。

改めまして深遠なる縁起の真実義をお説きになられましたお釈迦様に最敬礼申し上げます。

平成27年4月8日・釈尊降誕会によせて

川口英俊 合掌

{{count}}
有り難し
おきもち

Eishun Kawaguchi
最新の仏教論考はこちらでご覧頂くことができますが、公開、非公開は随時に判断...
このお坊さんを応援する

質問者からのお礼

みなさん、回答ありがとうございました。

なにやらいろいろ解釈があるのですね。混乱してきました。

「仏教における縁起」問答一覧

内面を磨く

いつもお世話になっております。 hasunohaではたくさんのご回答から、より良く生きるヒントをいただき、本当に有難うございます。 おかげさまで仕事先からは、たくさんのお呼びの声をいただけるようになりました。 職場の先輩方は、弱音や愚痴を極力表に出さず、上手に巧みにわかち合って、お互いに一意専心・以心伝心で昇華させながら、補い合って進めていきます。そんな今の職場の人間関係に恵まれたこと、収穫もある毎日が鍛錬と喜びの連続です。 ひとつの大きな人生課題として、あらためて家でも内面を磨くこと、こちらも専念していきたいと願っています。少し前に浮かんだ遠い目標を考えた上でも、自分が変わることが未来をより幸せに明るくする鍵だと思いました。 人生いろいろ、なかなかうまくいかないことも目の当たりにすることがありますが、自分が折れることも大事だし、適度に緩めて、毎日学ばせていただきながら、周りの円満成就の良き実例に倣っていきたいです。 熟練の先輩方と、同世代の働き盛りの仲間、そして心身を支えてくれる若手の心強い味方からの心遣いを糧に、家庭人としても内面を磨いていきたいです。 108の煩悩の倍の時間ほど、家族のためにと外で働けた辰年の睦月に感謝、多くの御縁と仲睦まじく一年を過ごせるよう楽しみます。

有り難し有り難し 5
回答数回答 1

無我と縁を意識したら、体調を崩した

 いつもお世話になっております。無我と縁について疑問です。  「無我」は、徹底的に自分を殺すこと。自分に気持ちに蓋を して、とにかく相手を優先すること。  「縁」は、他の事物や人物が自分に、自分も他の事物や人物に 影響を及ぼしていること。  そう考えて生活していたら、精神に異常をきたしました。  「無我」…「他人様を不快にさせてはいけない。皆さん私を どう思うだろう。我慢をしなければいけない」と常に考えていたら、 自分と同じく障害を持つ者が、店員さんに怒鳴ったり健常な異性に 絡んでいるのを見て、自分まで健常者さんに申し訳なくなりました。 デイケアでも我慢をしました。    「縁」…「自分も他の人に影響を及ぼしている」と常に考えて いたら、燃え尽き症候群になってしまった支援者さんを見て、 私のせいだと思いました。  結果、体調が悪化しました。終いには、 「私たち障害者は、人様に迷惑をかけてばかりで、生きていても 誰も幸せにならない。死んでしまいたい」 という結論になりました。  泣きながら訪問看護師さんに伝えたら、入院を強く勧められ ました。  主治医の先生、カウンセラーさん、保健師さんなどのお力を 借りてだんだん体調がよくなりましたが、「無我」と「縁」に 関しては、10年以上仏教を信仰していて、長年の疑問です。  自分を殺せ、どんなときにも我慢しろ。仏教では、そんな にもカルトチックな事を説いているのでしょうか?  今回体調を崩し、主治医の先生からは、 「ストレスコーピングを身に着けるように」 と指導されました。  それを受け色々調べていたら、「自分は自分であると自信を 持て」と私の尊敬する科学の先生が教えを説いていました。  「あまり周りのことを考えすぎても、周りが見えなくなる。 自分自身も見失い、最終的に悩みが大きくなり精神病になる」 「礼節を守ったうえで、自分は自分だという自信を持てば、 無用な事を怖がったり、ストレスが少なくなる」 なるほどと思いました。  もし、「とにかく相手に尽くせ。どんなときも自分を殺せ。 とにかく我慢しろ」と仏教が説くなら、私は「仏教はカルトと変わらない じゃないか」とショックです。実際に、私はこれで病んだのですから。  ご教授いただきたく存じます。よろしくお願いいたします。

有り難し有り難し 13
回答数回答 2

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ