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仏教における障害者の立場

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有り難し有り難し 31

いつもお世話になっております。

大変に唐突な質問でございますが、
仏教の世界では、障害者、無職者はまさに「障害」、「邪なる存在」なのでしょうか?

以前にご質問した「お寺」での非礼行為に対する苦情を申し上げたのですが、依然、一部の職員さん(お坊さんは改心してくださった模様)が、いわゆる「客を見る」ような態度で接してきます。
他の寺務さんやお坊さんたちは普通なのに、その人たちの所作を見ると、「あぁ、もしかして本当は…」
と疑心暗鬼に陥ってしまいます。お護摩の時の願意の唱和?で、
「一心祈願、就職成就~!!」
と言われたり、祈祷後の短いお話も、嫌味にしか聞こえなくなるときがあります(苦情を述べる前に、私が書いた絵馬の内容を軽く引き合いに出された事がある)
ちなみに宗派は新義真言宗です(「もしも」が恐いので、詳しい宗派はあえて書きません)

私は発達障害を持っており、その影響の為か、時折ズレた行動に出てしまいます。それでも周囲に迷惑をかけないように心がけており、
就労支援にも通っているし、手帳の取得も考えています。
なので余計悲しいです。
素敵なご縁、素晴らしい教えのおかげで私自身の生活にも光が差し始め、祈りと感謝の喜びを噛み締めている所なのに……

真実をお教えください、よろしくお願いを申し上げます。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

障がいは害ではない

ロータス小隊長さん、はじめまして。質問を拝読いたしました。

ロータス小隊長さんは仏教の世界では、障害者、無職者はまさに「障害」、「邪なる存在」なのではないかと考えているのですね。ロータス小隊長さんは発達障害があり、時折ズレた行動に出てしまうのですね。それでも周囲に迷惑をかけないように心がけ、 就労支援にも通い、手帳の取得も考えているのですね。

お釈迦さまの弟子であるシュリハンドクのエピソードを紹介しましょう。
シュリハンドクは頭のいいお兄さんとともに出家してお釈迦さまの弟子になりました。頭のいいお兄さんは、どんどんとお釈迦さまの教えを吸収していきました。しかし、シュリハンドクはさっき言われたことも忘れてしまい、修行どころか日常生活に支障をきたしていました。

ついに、頭のいいお兄さんはシュリハンドクに修行をやめで出ていくように言いました。 シュリハンドクは自分はお釈迦さまの邪魔になるだけだと思い、修行をやめることをお釈迦さまに伝えました。すると、お釈迦さまはシュリハンドクにひとつの修行をしなさいと言います。

お釈迦さまが命じた修行とは「掃除」でした。「塵を払い、垢を除かん」(ちりをはらい、あかをのぞかん)と唱えながら掃除をするのです。やがてシュリハンドクは「塵を払い、垢を除かん」の意味を悟りお釈迦さまの高弟となりました。

さて、このエピソードに登場するシュリハンドクは発達障がいがあったと私は考えます。お釈迦さまは障がいは害ではないと捉えてシュリハンドクにひとつだけ修行をさせました。その結果、シュリハンドクは悟りを開くことができたのです。

仏教では疑心暗鬼の心こそ害であると説きます。疑いの心は怒りの心を呼び起こします。怒りの心は人間が吐き出す毒であると説きます。ロータス小隊長さんが疑心暗鬼の心を持つことは、嫌がらせをしてくる一部の職員さんと同じように毒を吐いてしまうことなのです。

私は発達障がい児(重度の自閉症)を持つ親です。私の子どもが社会にとって障害や邪なる存在であると考える人がいることは残念でなりません。子どもは社会の宝なのですよ。

追伸
ロータス小隊長さんのように発達障害という生きづらさを抱えていても、一生懸命生きようとする姿は美しいと、私は思います。ロータス小隊長さんが美しく生きていけるよう祈念しております。

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有り難し
おきもち

徳島県の高野山真言宗寺院で住職をしています。 本山布教師心得として自坊の...
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質問者からのお礼

中村太釈 先生
お忙しい中のご回答、ありがとうございます。皆様のご事情も考えずに愚かな言葉を書いてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
実は現在、発達心理検査(3年ぶりの再検査)の結果待ちです。
有り難い仏様の教えを肝に銘じ、もっと沢山の事を学んで参ります。
よろしく御守護の程、お願い申し上げます。

【中村太釈先生 へご追伸】
ありがとうございます!
はいっ。これからも三宝のみ教えと、数々のご縁を大事とし、力強く生きて参ります。
よろしくお願い致します!!

【中村太釈 先生】
 お久しぶりです!あれからこの「お寺」とはバッサリ縁を切り、今では新しい祈願寺
を見つけて定期的に通っています。
 最初はおっかなびっくりお参りしていたのですが、そのうちお坊さんや修験者さんが顔を
覚えてくださり、あちらからご挨拶してくださったり、「暑いね〜」「きょうもお仕事?」
などと労わりの言葉をかけてくださいます!
 というか、修験者さんって初めてお見かけました!
 そのお陰か、無事、私の適性にあった仕事に就くことができました!周梨槃特さんと
同じ、清掃業です!最近有給許されたばかりの、1年生どころか、半年生ですが…
 ほんとうにありがとうございました!

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良い人・優しい人が損する理由

YouTubeのオススメに「良い人・優しい人が損する理由はこれです」みたいな動画があったので、とりあえず観てみました。その動画には「ブッダの教え」というサブタイトルが付けられていました。 優しさと思いやりが、いいように利用され苦しむ主人公の話でした。 その後、主人公が見つけた答えは、 ①「自己尊重と他者への尊重のバランス(自分自身と他人の間に健全な境界線を引く)」 ②「自分の気持ちや考えを尊重してもらえない関係は健康的ではないと理解しそのような関係とは距離を置く」 ③「支援や協力が真に価値を持つ場合にのみそれらを提供するようにする」 というものでした。 私にはとても良い話に感じましたが「我を無くす」から遠のいてるようにも見えて、この話をどこまで鵜呑みにしていいのか迷っています。 「ブッダの教え」とありますが、この動画に出てくる登場人物名や逸話をネットで検索してもそれらしいソースが見つかりませんでした。 (生きにくさを抱えた現代人向けの創作?) ここでお坊様方にお聞きしたいのは①②③は仏教的に見て、実行しても大丈夫な内容でしょうか。 またお坊様方の考えなどもお聞かせ頂けたらと思います。 よろしくお願いします。 補足です。 私は優しさ・善良さとは程遠い人間ですが、周りではよく聞く話だったので、このテーマに関心がありました。

有り難し有り難し 9
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