hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる

告知

回答数回答 4
有り難し有り難し 24

86歳父親が肺がんになり食事するたびに胸がいたいらしいです
痩せてゆく父親に癌の告知するべきか悩んでます
ボケてはいませんが、母がこのまま告知しないで死なせてといいましたが、私は癌とゆうことを父親に告知して何かしたい時間を過ごさしたいと思ってます。いろいろな考えがありますが よろしくお願いします。入院まだしてません


この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

お坊さんからの回答 4件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

その前に心得ておくべき事

お父様ががんを患いながらも、心安らかで、長生きされますことを祈っております。「人はがんが治っても死にます」これはちゃんと心得ておかねばなりません。
私も死にます。いつか死にます。できたら静かに安楽に死にたいものですが、それも自分の思うとおりにならないのが人生。思い通りにならないことを苦しみと言います。
ですから思い通りにさせようとのぞまなければ苦しみはありません。
人間がこちらに良かれと仏の川の水を引き寄せれば我田引水。
仏の川の流れに逆らわず順ずれば、法にかなった生き方。
お母様はお父様に安らかに、自然に気づいてほしいと願っておられるのかもしれません。自分の体のことは自分が一番分かるものですから自然にお気づきになられる方がショックは少ないと思います。告知よりも大切なことがあります。
どんどん会話をしてください。残り物のない会話をすることです。親子であれば多少のいさかいごともおありだってでしょう、深奥までお話することです。多くの方は亡くなった後に話したくても話せないことが残り、亡き後も苦しい思いを引きずられます。きちんとした親孝行、家族愛からの話し合いができた方は亡くなっても喪失感がないと言います。
お母様にもご一読願えたらと思います。命は有限です。
不完全な対話、不完全なコミュニケーションは生きている者同士だって辛いです。
どんなことでも話し合うことです。男同士ですと意地の張り合いもあるでしょうが、生前に懺悔、いさかいを赦し合うまで話すべきです。親をありがたいと思える敬い、敬愛、孝順の心が自分で確信が持てるまで自分を優先させないことです。
一切が有限であるという事がすべにお見えになられ得ておられるのですから、お父様の御背中に自然に手が合わさるはずです。生あるうちにあなたと、ご家族が為すべきことがきちんと見えてこられますよう、祈っています。

{{count}}
有り難し
おきもち

インフォームド・コンセント

hiro様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

この度はお父様のこと、誠にご心配でございます。

お父様は、医療機関の受診時に何かインフォームド・コンセント上の明示をなされてはおられないのでしょうか。

最近の傾向としましては、特に初診の際に告知についての本人への意思確認を行う場合がございますので、それも少しお確かめを頂けましたらと存じております。もしも、お父様が告知を拒否なされておられれば、告知をすることは本人の意思に反することになってしまいかねず、そこは慎重に致す必要もあるかとは存じます。

ご本人のインフォームド・コンセント上の明示が特に無いとなれば、最近は、緩和ケアを導入する医療機関も多くなっており、告知することでご本人の意思を尊重しての緩和ケアを受けつつ、余命を有意義にお過ごし頂けることもあるかとは存じております。

もちろん、この告知の判断は、後々に遺恨を残さないためにできるだけ家族間の合意によってなされるのが良いのではないかと存じております。特に長年連れ添われてお父様のことを十分に熟知されておられるお母様の意思も当然に無視はできません。改めてお母様とも今一度十分に話し合い、必要となれば医師や他の家族・親族も交えて話し合われてお決めになられるのが良いのではないかと存じております。

愛する者と別れなければならない苦しみである「愛別離苦」・・これまでのご質問の中でも誠にこの苦しみにつきまして僭越にも多く扱わせて頂いて参りました。

いずれ来たる臨終のことにつきましては、問い「末期がんの父親にどう接したら良いかわからない」( http://hasunoha.jp/questions/227 )におきまして、また、尊厳死におけることは、これまでも、問い「死について」( http://hasunoha.jp/questions/324 )・問い「後悔の毎日」( http://hasunoha.jp/questions/172 )・問い「最期に苦しむということ」( http://hasunoha.jp/questions/95 )にてそれぞれ扱わせて頂いておりますので、宜しければどうか少しくご参照を賜れましたらと存じております。

川口英俊 合掌

{{count}}
有り難し
おきもち

Eishun Kawaguchi
最新の仏教論考はこちらでご覧頂くことができますが、公開、非公開は随時に判断...
このお坊さんを応援する

寄り添い、聴く

hiroさま
お久しぶりです、なごみ庵の浦上と申します。
以前のご相談の件、その後いかがでしょうか。

今回は、hiroさんのお父さまのことですね。
私は基本的に、本人への告知はするべきだと思います。もちろん伝え方は熟慮しなければなりませんが、伝えなかったことによる後悔は、後々ぬぐえないものとなります。

それに、回りが何と言おうと、ご本人は勘づくのだと思います。ご高齢ではありますが、死に直面してやっておきたいことなどあるかもしれません。それを「肺炎だから、調子が良くなったら」などと伝えてしまえば、ご本人も死を直視するのは辛いでしょうから、「そうか、そうしよう」と無理にご自身を納得させることになるかもしれません。

いずれにしても、お父さまもお母さまもhiroさんも、ギクシャクしてしまうのではないでしょうか。それに、伝えなかったことによる後悔は、お母さまやhiroさんの、その後の悲嘆をより大きなものにしてしまいます。

…とは言っても、伝えて後悔する可能性も皆無ではございません。
私の母はこういう話題になると「怖いから告知しないで!」と言います。もし病気になったら、どうしようかと悩みますが、それでもきっと最大限の配慮をして告知をすると思います。

寄り添って支えるよ、という姿勢を示しながら伝える。
そして告知後は、お父さまの思いを聴き続ける。
それが最善の道だと、私自身は思っております。

{{count}}
有り難し
おきもち

浦上 哲也
横浜市神奈川区で、新しく小さなお寺を営んでいます。 仏教の教え・浄土真宗...
このお坊さんを応援する

告知

難しい問題でありますが。私の大学時代の研究は生死論でした。現在も取り組んでおります。私の両親も告知いたしました。お釈迦様の教えは 生老病死。しかしながら本当は 死病老生 臨終を習えと言うこと。ご家族でよくよく話し合われ、最後の時間をどのように過ごすか。そして一番大事なのは尊厳死。本人のご希望です。もしご本人様が今までに告知や隠し事をしないでくれといっていたならば、告知するべきでは・最後の時間はあっという間に過ぎ去ります。後悔をされないことが一番ではないでしょうか?おそらく僧侶の間でも意見が割れるのでは。そのくらい大切な大事な問題です。開運寺 住職 秋山現信

{{count}}
有り難し
おきもち

3月11日の突然起こった東日本大震災。私の住む茨城県水戸市も大きな被害を受...
このお坊さんを応援する

「癌・末期ガンと向き合う」問答一覧

癌の母、現実逃避の父

末期癌の母がいます。 あちこち転移していますが去年までは普通の生活ができておりました。ですが年始に足が腫れ歩けなくなり、骨転移が神経に障っているのと下肢の血栓で入院中です。 月末の退院後は元通りの生活とはいかず、幾分か歩行に問題が出るとのことです。抗がん剤も打ち切ることになるので、終末期の準備と覚悟も必要になります。 コロナ禍では入院すると面会もできませんので、できる限り在宅でと思っています。 なのでヘルパーさんを入れることも視野に入れ病院と相談をしておりますが、実家は物が溢れており、まず掃除から先にと思っているのですが、父が拒否します。 父は私と仲はよい方ですが、気持ちの弱い方で頑固。母が元通りになって帰ってくると信じて…信じようとしていて、掃除して手すりをつけることを退院してからと言い張って、話も聞いてくれません。 父が冷静に話を聞けないので病院との調整役は私が全て引き受けていますが、限界を感じ病院の相談機関には相談をしています。 退院前に父と私と看護師さんで面談をし、説明と説得をお願いしています。 多分今の時点でできることは全てできていますが、今後、父の気持ちを尊重しつつ母の生活の質を維持していけるのか?その調整が上手くできるのか不安です。 弟がおりますが、義妹は第二子妊娠中ですし、弟と父の仲が悪い為そこにも注意を払わないといけません。 今日もやんわり掃除の話をしましたが、退院したら!と話を聞いてもらえず、その度に無力感に襲われます。 向き合わない父に腹が立つわけではありません。ただ、困り果てています。 私だって、母がいなくなる準備なんて少しだってしたくない。全部投げ出してしまいたい。泣いて泣いて眠れない日もあります。 でも最後まで母が母らしくいられるように努力したい。 父に時間が必要なのはわかっていますし、ゆっくり進めるしかないのでしょう。 ただでさえ、父は一昨年長年介護してきた母(私の祖母)を亡くし、最近やっと立ち直ったところです。また失うことなど考えたくないのでしょう。その気持ちは痛いほどわかるのです。私も大好きな祖母でしたので。 でも、母について気持ちを共有できるはずの父がこの状態で、私一人先を考えなくてはいけない、この状況が叫び出したいほど辛いのです。 私はどのように両親と向き合うべきでしょうか。

有り難し有り難し 22
回答数回答 1

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ