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仏教とキリスト教の比較についてのお奨め本

回答数回答 2
有り難し有り難し 17

はじめまして。

最近、カトリック教徒の女性と結婚し、
仏教とキリスト教の違いについて考えるようになりました。

両者の比較について、わかりやすく解説している文献があれば、
教えていただけませんでしょうか。

雑学程度の内容よりは、もう少し思想的なところまで踏み込んだ解説があるとありがたいです。
(イメージ的には、雑学以上、学術未満といった感じでしょうか。わかりにくくてすみません。)


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

それぞれの観点からの本をオススメします

ご結婚を機に宗教の相違について関心を持たれたのですね。手放しに信じたり疑ったりするよりも良い姿勢だと思います。

さて、書棚をあさってみたのですが、なかなか良い本が見当たりません。仏教とキリスト教、あるいはイスラム教それぞれの立場から書かれたものはあるのですが、本当に中立な立場から書かれたものは少ないように思います。
もっとも雑学程度であればムックなどで「三大宗教比較!」的な本もありますが、それではきた3さんのご要望には応えられません。

私自身は、僧侶ですからまず仏教の学びはイヤでもしています。自宗派に偏重しますが。
あとは旧約聖書・新約聖書・コーランの日本語訳をそれぞれ読んで、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の雰囲気を味わいました。

あとは一般の書籍で、私の好みとするところを上げておきますね。

『仏教聖典』仏教伝道協会
ホテルに時々置いてありますが、どの宗派に偏る事もない初期仏教の教えが書かれています。

『仏教のこころ』五木寛之著 講談社
私が五木寛之さんを好きなので上げました。仏教について書かれ、対話の部分があり、浄土真宗について書かれています。

『なんでもわかるキリスト教大事典』八木谷涼子著 朝日文庫
知人に頂いたのですが、キリスト教全般の知識から各教派の違いについてなど、内容は多岐にわたります。

『禅マインド ビギナーズ・マインド』鈴木俊隆著 サンガ新書
たまたま今読んでいるのですが(笑)、故スティーブ・ジョブズの愛読書として知られています。欧米では禅の知名度が高いので、お読みになっても良いかもしれません。

ご参考になればよいのですが。

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おきもち

浦上 哲也
横浜市神奈川区で、新しく小さなお寺を営んでいます。 仏教の教え・浄土真宗...
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比較思想

きた3さん、先日はありがとうございました。

真宗大谷派正徳寺の釈理薫です。

この間、神学を勉強しにドイツに留学している友人に話を聞きましたら、神学では”神様前提”なので、キリスト教と他宗派を比較すること自体が疑いが差し挟まれていると考えるようです。
なので、純粋なキリスト教神学者の他宗派との比較本を紹介してはいただけませんでした。

そのかわり、『比較思想』という学問分野もきちんとあります。
これは第三者的にいろいろな宗教や思想を比較する学問です。
そこで有名な方の本を一冊ご紹介できればと思います。

『西洋は仏教をどうとらえるか 比較思想の視座』峰島旭雄著

現在すでに絶版になっているかもしれませんが、古本でもそれほど高価ではないと思います。

著者の峰島旭雄先生は、大正大学の先生で、日本の比較思想の第一人者のひとりです。
ご参考になさってください。

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おきもち

平松理薫(釈理薫)
真宗大谷派(東本願寺)僧侶 東京品川 日夜山正徳寺 住職 主な活動...
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質問者からのお礼

なごみ庵 浦上さま

丁寧なご回答をいただき、ありがとうございます。
お薦めいただいた書籍、まずは『仏教のこころ』から読んでみようと思います。

私自信は、大学時代から仏教の教えに共感を持ち、
独学であれこれ本を読んだりしているのですが、
最近は妻の影響もあってキリスト教についての本も読んでいます。

その中で、キリストの教えで共感したり、感心したりすることがあると、
「このことに関して仏教ではどのように考えるのだろう」と疑問に思うことが多く、
今回の質問をさせていただいた次第です。

両者の比較を扱った本はなかなかないようなので、
やはり、それぞれについてゆっくり学んでいく他はなさそうですね。
(今日は内村鑑三『余は如何にして基督信徒となりし乎』を読んでいましたが、仏教の話はほとんど出てこなかったので、やや拍子抜けしてしまいました。)

その過程で色々と疑問が出てくると思いますので、
また改めて、質問させていただければと思います。

この度は、本当にありがとうございました。

釈理薫様

ご回答いただき、ありがとうございます。
また、先日はありがとうございました。向源でお会いしたときに伺ったお話は、
とても刺激的で、楽しいひとときでした。

>神学では”神様前提”なので、キリスト教と他宗派を比較すること自体が疑いが差し挟まれていると考えるようです。

そうなのですね。このこと自体、キリスト教の基本的な考え方を示しているようで、とても面白いです。ありがとうございます。

お勧めいただいた以下の本も、先ほどアマゾンで中古品を注文してみました。
大事に読んでみようと思います。ありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。

「仏教全般」問答一覧

良い人・優しい人が損する理由

YouTubeのオススメに「良い人・優しい人が損する理由はこれです」みたいな動画があったので、とりあえず観てみました。その動画には「ブッダの教え」というサブタイトルが付けられていました。 優しさと思いやりが、いいように利用され苦しむ主人公の話でした。 その後、主人公が見つけた答えは、 ①「自己尊重と他者への尊重のバランス(自分自身と他人の間に健全な境界線を引く)」 ②「自分の気持ちや考えを尊重してもらえない関係は健康的ではないと理解しそのような関係とは距離を置く」 ③「支援や協力が真に価値を持つ場合にのみそれらを提供するようにする」 というものでした。 私にはとても良い話に感じましたが「我を無くす」から遠のいてるようにも見えて、この話をどこまで鵜呑みにしていいのか迷っています。 「ブッダの教え」とありますが、この動画に出てくる登場人物名や逸話をネットで検索してもそれらしいソースが見つかりませんでした。 (生きにくさを抱えた現代人向けの創作?) ここでお坊様方にお聞きしたいのは①②③は仏教的に見て、実行しても大丈夫な内容でしょうか。 またお坊様方の考えなどもお聞かせ頂けたらと思います。 よろしくお願いします。 補足です。 私は優しさ・善良さとは程遠い人間ですが、周りではよく聞く話だったので、このテーマに関心がありました。

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温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ