息子に与えた絶望感
息子は、優しく穏やかなスポーツマンで、本当に愛しい存在でした。
ある夜、家庭内でのルールを破ったことがキッカケで息子の大切な大切な携帯電話は壊されました。彼は夜のうちに家を出て、翌朝戻りました。帰宅後に話をして、携帯電話は解約させることになりました。彼は解約に対し、随分と抵抗しました。その後、すぐに彼は自室にて縊死しました。
私の後悔はつきません。
彼が帰宅したとき、真っ先に叱りつけました。どこにいたんだ、友達の家になんて行って迷惑でしょ、と。そして、携帯電話解約の通告も私の口からしました。きちんと勉強しなさい、と、小言しかいいませんでした。
彼が自室に行き、すぐに昼食の時間になりましたが、食卓に現れない彼はきっと疲れて眠っているのだろう、と呼びに行きませんでした。
彼が自室に行って約1時間後に、食事をするように声をかけようと、彼の部屋へ行きました。2つのドアのうち、いつも出入りするドアにカギがかかっていました。寝ているのを起こしたら悪いと思い、裏手のドアにまわると、少しドアが開いていました。静かに中を覗くと、彼は首をつっていました。彼の雑然とした机の上には、よく切れるハサミが置いてありました。
彼の帰宅に際し、心配していた、無事で良かった、と優しく言うことができればこんなことにならなかったのでは。
食事の支度が出来たときに彼を呼びに行けば助かったはず。彼は私に助けてもらうつもりだったのではないか。だからハサミが置かれていたのではないか。
彼は私を待ちながら、寂しい気持ちで逝ったのではないでしょうか。私が彼を絶望させた上に、母親は助けに来なかった、とさらなる絶望をあじわいながら亡くなったと思うと、申し訳なく、何と冷酷な母親だろう、との思いがとめどなく溢れます。
彼に謝りたいです。彼のことが大好きで大切な大切な息子でした。私の罪をどのように償うべきか教えてください。下に遺された兄弟のことも幸せにしてあげなければなりません。私には何ができるのでしょうか。罪の重さに押しつぶされそうです。許されたいです。
有り難し 56
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