お坊さんへの相談が殺到しており、質問受付数を制限中です。

回答が追いついておりません。今を生きる人のために仏教の智慧を伝えてくれる僧侶の方を募集中です。

コラム - みんなの仏教

「仏教のある暮らし」をテーマにお届けしています。

仏前結婚式 - お寺での結婚式に参列しました

3月も終盤のとある一日、静岡県・浄土真宗大谷派である正蓮寺の本堂での『仏前結婚式』に招待されました。初めて体験する『仏前結婚式』、どんなことをするのか興味津々で参列しました。

見えない「いのち」に誓いを届ける

本堂に入場すると、まず驚いたのが、ご本尊の両脇に、両家のご先祖さまの遺影を並べていたこと。命のつながりを大切にする仏前結婚式では、二人のルーツでもあるご先祖さまに結婚の報告をし、見えない「いのち」に誓いを届けるんだそう。ご先祖さまとの「つながり」が感じられます。

両家の参列者が左右の各一列に入場し着席すると、本堂は厳かな雰囲気に。そんななか、雅楽の音色に導かれて本日の主役である新郎・新婦が媒酌人と一緒に登場。友人の結婚式でも滅多にみない新婦の白無垢がとても美しいです。

夫婦念珠に煩悩を認め合って

金箔の和ろうそくのともしびがいよいよ気高さを増して、式がスタート。司婚者表白(司婚者が仏前に結婚の報告)ののち、全員でお経を読み、新郎・新婦が誓いのことばを言うと、司婚者はご本尊の御足元にお供えしてあった2つの念珠を手に取り、菩提樹の念珠を新郎に、桃色水晶の念珠を新婦に授けます。

この念珠を夫婦(めおと)念珠といい、お互いの煩悩をしっかりと認め合って自覚し、迷惑を許し合いながら生きなさい、という証だそう。念珠!『仏前結婚式』ならではのアイテムに釘付けです。紅白のリボンが付いているのもめでたい感じがします。ちなみに新婦の念珠の珠はすべてハート形!(ご住職のセレクトだそうです)。

その後、佛教讃歌「祝婚の歌」をうたい、オルガンの柔らかな音色に包まれて指輪交換、夫婦となり初めての共同作業であるご本尊へのご挨拶「献花献香」が行われました。新郎・新婦の順に、ご本尊の前に詣で花を献じて焼香する、というこの儀式。「初めての共同作業」というと、教会式でいうケーキ入刀みたいなものでしょうか。ですが、ご本尊がいらっしゃるので荘厳度に拍車がかかっています。

厳かな雰囲気につつまれて

続いて夫婦による三三九度の式杯、参列者による交杯を終えて、閉式の言葉をもって終了。普段滅多に接する機会のないお坊さんや、雅(みやび)な音楽、見慣れない道具の数々…何もかもが初体験で驚きの連続でした。何より、仏様とご先祖さまがいらっしゃって、終始おごそかな雰囲気に包まれていたのが印象的でした。

新郎・新婦が結婚を神様に誓うことを『教会式』とすると、仏様とご先祖さまに二人が結ばれる運命を報告・感謝すると共に、お互いに仕え合い、合掌礼拝していく生活のスタートが『仏前結婚式』です。古来から日本語では、すばらしい運命に巡り会った時、「有難き仕合わせ」ということばで事を括りました。仕合わせとは仏教では「ご縁」という概念で語られます。

ウェディングドレスで華やかに

また、『仏前結婚式』をインターネットで調べてみると、新郎・新婦が結ばれるのは「前世からのご縁」があったから、と考えられているようです。前世から、赤い糸で結ばれていたーなんていうと、甘くてロマンチックな響きですね。私も赤い糸で結ばれたダーリンを早く見つけ出して、仏様とご先祖さまに報告したい…!と固く心に誓った結婚式となりました。

ちなみに、今回の新婦は白無垢でしたが、ウェディングドレスでもいいそう。 お寺でウェディングドレスって厳かなのになんだか華やか!あなたも『仏前結婚式』スタイルしてみませんか?

記事作成: hasunoha編集部
取材協力: 静岡県伊豆の国市・正蓮寺 渡邉元浄

このページの先頭へ