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将来に対する漠然とした不安との向き合い方

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初めまして。
私は現在独身で実家に暮らしている非正規雇用の者です。

私には定期的に悩んでしまうことがあります。
それが「自分が正社員ではない」ということについてです。

私は非正規雇用であることを良かったと思う時と、悪かったと思ってしまう時があります。

良かったと思うのは、非正規雇用で時間の融通が利くからこそ、親類のそばに長くいることができている。ということです。

その一方、悪かったと思うのが、ニュースなどで「貧困女子」「孤独死」「正社員でなければだめだ」などという単語が目につくたびに、ギクリとしてしまうことです。

そういう時に頭をもたげ、今の自分を否定し始めるのが「正社員になれれば、もう少し生きやすくなるのでは」という想像です。

そこで慌てて転職情報を見てみたりもするのですが、色々なことを考え始めると、正社員になればすべてがうまくいく保証などどこにも無いことに気付きます。
知り合いには正社員として働いた挙句鬱になり、解雇され、引きこもりになり……という暮らしをしている方もいるので、そういった可能性も脳裏をよぎります。
また、正社員として入ったのはよかったけれど、倒産してしまった。という話もありふれたものです。
それであれば、今の仕事を続ける方が良いのでは。と、思いもするのです。

そういったことを堂々巡りで考えていると、もう生きる上でなにが正しくてなにが間違いで、どうあるのが一番なのか。とわからなくなってしまいます。

今は家族がいることで安心感もあり、非正規雇用である利点として時間の融通をきかせた生活をし、親類といることに喜びを覚えていますが、いずれは独りになる身です。
恋人はいますが共に暮らせる確約はありません。
仮に暮らせたとしても、死ぬまで別れないとも限りません。

餓死、孤独死、病死、事故死、自分の命がどう終わるかすら、そもそもわからないことなんだということを考えると、今抱いている不安は考えても仕方のないものにも思えてきます。

こういった取り留めの無い悩みや不安に向き合い、受け入れ、肯定的に目の前の道をしっかりと歩むにはどういう見方を心がければ良いのでしょうか。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

真実の道は覚悟して生きてこそ見えてきます。

非正規雇用と正社員、将来の不安感、死に対する不安感!
仏教では死をどう受け止めるか!生まれた事をどう受け止めるか!が第一義であり仏教には切っても切り離せない因縁事でありこの事を明確にする事が迷い無き真実の道を探す手段が仏道なのです。
曹洞宗では「生死」と書いて「しょうじ」と読みます。普通は生と死を切り離して「せいとし」と読みますが、私たちは一つの流れと捉え生と死は一つとし「生死」と受け止めます。
貴女の不安感は仏教では迷いと捉え全ての人は生まれたなら必ずこの迷いに突き当たります。
貴女だけでは無いのです!
少しでも心が軽くなれればと思い「四苦八苦」のお話をさせて頂きます。
四苦八苦と言う言葉は良く耳にされると思いますが、この言葉は仏教から来た用語で仏教を語るにはなくては成らない言葉なのです。
一般的な意味合いは苦しみに苦しみを重ねもがく様子を表しますが
本来の意味は、四苦は「 生 老 病 死 」の四つの苦の事で生また時から誰もが備わっている苦です。
残りの苦は生きて行く中で逃れる事の出来ない四つの苦で、「愛別離苦 怨憎絵具 求不得苦 五陰盛苦 」事で、前の四つの苦とこの四つの苦を合わせて八の苦になるので十二の苦でなく、八つの苦で生きて行く上で逃れる事の出来ない苦の事になります。
この中で貴女に当てはまるのが始めの四苦「 生 老 病 死 」です。
この四つから逃げようとすればするほど必ず迷い、苦しむ事になります。
だとしたらしっかり受け止めて覚悟をする事です。

生まれて生きる時苦は常に消える事は無い!日、一日一日が終わる度に年老いて行く!何時かは誰もが必ず病気になる!そして一度生まれたら必ず死ぬ!この事を受け止めてしまえば心が案外楽になるのです。
生きる時、逃げる心には真実の道は見えません!真実の道は覚悟して生きてこそ見えてきます。

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有り難し
おきもち

質問者からのお礼

この度はお言葉をありがとうございます。
頭の中でお言葉の意味を理解しながらも、未熟故に受け止めることができずにいる私ですが、いつか心穏やかに受け止められるように心がけていこうと思いました。
これから先も迷いながらになるのでしょうが、目の前を受け止め、自分で歩む道をいつも笑顔で過ごしていけるように進んで行きたく思います。
どう生きようと誰もが必ず辿り着くのは一つの道の区切りなのですから。

この度は本当に、ありがとうございました。

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