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輪廻転生の理解

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初めまして。私は最近、某仏教のテレビ番組にハマっています。
「輪廻転生」のことを知りましたが、疑問に思っていることがあるので、教えてください。

「輪廻転生」には六道があり、魂は6つの世界を旅しているとのこと。
人は死んだら、天界や極楽に行くと聞きました。
でも、生まれた時に今まで魂が旅してきた六道(地獄も含む)の記憶は一切ありません。また、よく「人は死んだら“無(生まれる前の状態)”になる」と聞きます。

地獄や天国というのは、本当に存在するんですか?誰も見たことがないからわからないんじゃないの?と思うんです。
本当にあるなら生まれる時に何らかの地獄の記憶(熱い・痛いなど)があるはずだし、お浄土に行くにも三途の川を渡る際の感覚や閻魔様に出会った時の恐怖、彼岸に渡った記憶や皮膚の感覚というものがあるのかなって。魂になっても、痛みや恐怖を感じるんでしょうか。

私は、できればそういうのがなくて、「死んだら本当にただ無になるだけだよ」って言ってもらう方が安心するんです。
だって、死んでから「生前悪い事をしたから地獄で苦しむ」って思ったら死ぬのが怖いじゃないですか。
天国と地獄の教えというのは、「悪いことをしたら地獄に行くよ。だから、生きている時に悪いことをするなよ。」という解釈と思うのは、どうなんでしょう?


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お坊さんからの回答 4件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

ぶっちゃけ 作り話です

六道輪廻❝思想❞とは、あくまで思想。
民間思想であって、仏教=仏陀(覚者の教え)とは言えません。
仏教であると混同されていますが、輪廻思想というのは仏教以前からインドに根付いていた思想・因習と思って頂ければ結構です。日本にもあの世論があるように、世界各地であの世論は違いがあるのです。
当時インドでは様々な思想・因習が存在していて釈迦は、そういう民間の思想、因習であった六道輪廻という思想からも救われること・輪廻から解脱して悟りをもとめるべきことを説いたのであって、六道輪廻の思想を釈迦が説いたわけではありません。←ここは僧侶の業界でも誤解される所であるように感じます。
日本にもどこの国にもそのような❝因習❞があります。
六道輪廻の思想は仏教ではなく、あくまで民間思想「因習」民間の「あの世論」であって、それが仏教を説明する上で、取り入れられて活用された、という程度でしかありません。
分かりやすく言えば、子供や大人に悪いことをすると地獄に落ちるぞーと、悪いことをさせないための道徳、または昔の心理学と言ってもいいでしょう。
6天上 のぼせ うかれ ハッピー状態(一時的な安楽)
5人間 価値観・思想・理屈に縛られて救いのない状態
4修羅 戦争・けんか・争い状態
3畜生 非・人間的行為をする狂乱状態
2餓鬼 我欲のみの自己中心的な状態
1地獄 苦しんでいる状態。
そういう精神をぐるぐるしてるのが我々の姿であるから、いつまでもそんなところで一喜一憂してループしていても救いが無いからダメだぞ!という戒めです。
六道輪廻という無限ループな生き方を改め、菩提心をおこして7歩目を踏みだし仏道を歩みなさいと説いたまでです。
六道に、7声聞・8縁覚・9菩薩・10仏陀を合わせて、十界といいます。
キリスト教文化でもサンタさん生まれたように、面白おかしく分かりやすく説いた説話系の仏教話というものがあります。説話は、話を通して仏教の教えの中身をわかりやすく伝えるための方便であって、あくまでもメインは、その創作を通じて、伝えんとした中身のほうがメインです。よって六道輪廻の説は、そこから離れて悟りをもとめるべきこと説いたサブ・方便であって、メインはあくまでも、そこから菩提心をおこして、より良きに生まれ変わること、仏道を歩むことです。

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死後について

めぐみ様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

某仏教のテレビ番組とは、ぶっちゃけ寺のことでしょうか。hasunohaの回答僧侶も幾人かご出演されておられますので、番組で疑問に思われたことがございましたら、是非、hasunohaへとご質問下さい(笑)

さて、「輪廻」というのは、ぐるぐるとまわりつづけている如くに、迷い苦しみ続けてしまうありようのことで、「転生」は、心の連続体が展開して続いていくありようのこととなります。

「六道」は、象徴的な心のありようの状態を代表的に六つに分類して表した世界のことで、実際にあるかどうかとなれば、確かに人道と畜生道はありますので、あると言えますが、あとの世界は、あるとも言えるし、無いとも言えるし・・という曖昧な言い方となってしまいます。まあ、心のありよう、状態の大分類と理解しておいて下さい。

死後の世界のことは、仏教において基本的に「無記」(議論したり、考察したりするのが無駄なもの)として扱うべきなのでしょうが、方便として必要な時には語られるべきであるかと存じております。

仏教の場合、死とは、肉体的な死を意味するだけで、肉体は滅んでも、心は存続し、相続していくものであると考えます。肉体のある時における認識とは全く違った微細な意識を扱うことになるのですが、詳しいことは是非これから仏教を学んでいって頂けることでご理解してもらえたらと存じます。

「死んだら本当にただ無になるだけ」・・これは、間違った見解として仏教では退けることになります。断滅論は、虚無や絶無につながり、そのような考え方は極端論として中道から外れることになるため気をつけないといけないものになりますし、何も益となりません。

確かにめぐみ様がおっしゃられているように、天国と地獄の例えは、生きている間における善い行いを奨励するために方便的に説かれている面もございます。「因果応報」というものになりますが、この世界における法則、道理としての「因縁果の法」は仏教の基本的な考え方でもあるため、よく理解していけばいくほどに納得頂けることもあるのではないかと存じます。

とにかく、何でも鵜呑みにせず、疑って、納得するまで吟味するのは大切なことでございます。これからもどうぞ仏教に興味を持ち続けて頂けましたら有り難くに存じます。

川口英俊 合掌

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Eishun Kawaguchi
最新の仏教論考はこちらでご覧頂くことができますが、公開、非公開は随時に判断...
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神仏にしかわからない

お釈迦様も、未来の予知はなされなかったと思います。ただ、過去世(過去の生まれかわり)を見て、法則に気付き、未来を予測はされたのでしょう。
仏教の教義としては、輪廻転生を前提にしないと成り立たない思想があります。
私の個人的な回答としては、仏教は悩み苦しみを消したり制御したりするための修行をする教えなので、輪廻を信じたほうが悩みが少なくなったり修行の励みになるなら、輪廻を信じた方がよいと思います。
でも、日本では平安時代くらいにみんな地獄行きを恐れたようで、そんな時代背景から、念仏すれば誰でも極楽浄土へ往生できるという浄土宗系が流行りました。
徒然草には、法然さんが「疑いながらも念仏すれば往生できる」と言ったとあります。
疑ってても修行(念仏)してれば仏様が救ってくれるというんですから、あまり気にしなくてもよくなります。

追記
輪廻は、死んだらすぐに違う生き物になるわけで、すぐに新しい身体になると言えるでしょう。
ですから、死後の世界(黄泉の国)という日本古来の神話みたいな感覚とは少し違いますね。
魂のまま過ごす死者の世界はなく、生き物の世界しかないのです。

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がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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私は仏様の智慧をそのまま受け止めています。

お釈迦様は悟られた仏様です。
全ての事柄を見通して、私たちが輪廻していることを説かれました。
輪廻の法則は自業自得です。
つまり、良い事をしていれば良きところへ生まれ、悪いことをしていれば悪い所へ生まれます。
この輪廻を遥か昔からずっと繰り返して来たと説かれるのです。
この六道輪廻の繰り返しから解脱して7つ目のいのちの在り様「仏」になる教えが仏教です。
だから輪廻がないというのならば仏になる意味がなくなり仏教ではなくなります。

悟りの境地からみられた「いのち」の在り様が本当かどうか。
それは仏様しか分かりません。
生まれる前の世界また死後の世界については人間の知恵は全く及びません。
だから、知らないことは「無いこと」にして私たちは生活をしているのです。

私は仏教を信仰する信者です。
だから仏様の智慧をそのままに受け入れています。
仏教は仏様の智慧に聞く。
つまりお経に説かれている内容を確かめるのです。

「私は○○と思う」という話は仏教の話ではありません。

浄土真宗の御本尊は阿弥陀如来です。
阿弥陀如来の御利益は「私の行いを帳消しにして来世必ず仏にする」というものです。
だから良い事に励む必要はありません。
ただ任せておけばいいので、死ぬことは決して怖くありません。

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始めまして、釈心誓と申します。 浄土真宗本願寺派の僧侶です。 若輩浅学...
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質問者からのお礼

ご回答、ありがとうございました。
私が知りたかった「死後の世界での魂が感じる感覚の有無」「輪廻の世界観」とは少し違う回答を
いただいたようで、内容が難しいなと感じました。
でも、結果的に「死後の世界は仏様しか分からない。私たちは、どんな生き方をしていても阿弥陀様に全てを任せていればいい」というのは、なんとなく分かりました。
実際死んでみないと、本当に来世があるのか、六道があるのかなんて、分からないですよね。
仏教、魂の巡る世界は、不思議でいっぱいで分からない事だらけという事で解釈してみます。

ありがとうございました(^^)
六道というのは、インドから日本に伝わってきたものということなんですね。
やっぱり、悪いことをしたらダメだよっていう教えのためだったんですね。安心しました~(^_^)v
丹下さんの解説が、一番分かりやすかったです。
他のサイトで見たら、「魂は新しいことを経験する為に地上に降りてきて、やることがなくなって飽きたら
また天上(故郷)へ帰って、地上での記憶が消えたらまた地上に降りて・・・」の繰り返しだそうです。
それが、もしかしたら輪廻転生でもあるのかもしれませんね。

「輪廻転生」問答一覧

解脱する方法は確立されていますか?

私には、「もう二度と人に生まれたくない」という、漠然とした、でも強烈な願望があります。 生まれ変わった自分は今の自分とは関係のない赤の他人であり、そんなことを気にする必要はない、なぜそのような悲しいことを考えるのか、もっと楽しく生きなさい なんてことを言われたりするのですが、むしろなぜ他のみんなはそう考えないのだろうと思うくらい 私にとっては本当に強く願っていることが「もう絶対に、絶対に生まれてこないこと」です。 仏教には輪廻転生の考え方があり、その輪から外れる方法が解脱だと聞き齧りました。 まだ仏教について何も知らない人間の質問で大変恐縮なのですが、 つまり解脱することができれば、もう命として何かに宿ることは二度とないのでしょうか。 私にはそれがとても魅力的なことに感じます。そこで、解脱の方法とは、こうである、と言うものが確立されているのであれば教えていただきたいです。 でもきっと、そんな簡単な、うまい話はないのだろうとも思いますし、この質問自体どこかズレているのかもしれません。 もし回答できるものではないのだとしたら、自己研鑽として、仏教について学びたいとも考えておりますので、何も知らない人間がまず手始めになにをすべきかを教えていただけますと幸いです。 このような場を設けていただいていること、質問のご縁をいただけたことに感謝致します。

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回答数回答 3

神通力

 前回「釈尊の悟りは神通力を得た結果?」を投稿しましたが、当たりのようです。  駒沢大学学長を歴任された水野弘元先生の著書「釈尊の生涯」の「成道と三明六通」には「(前略) そして濾尽智通以外の五神通は、必ずしも仏教者だけでなく他の宗教家や鬼神狐狸の類に至るまでも、浅深の差はあっても、これも得ることが出来るとせられる」と書かれています。  三明六通の「六通」とは先ほどにに記述の「五神通」とあるように、「六神通」と考えることが出来ますので、「神通力」を得たと考えて差し支えないと思います。  古代インド社会では「輪廻転生」は常識であったそうですが、当時のインド宗教者は、互いに神通力を競い合ったと考えられます。  三明の最初の一明は「過去に関するすぐれた智慧の宿命通(宿命明)」となっていますから、釈尊だけでなく、それ以前の宗教者にもそこに到達して、「輪廻転生」が世間に広まったと考えられます。  余談ですが、阿含宗を創設した桐山靖雄師は、著書「輪廻する葦」のなかで、成仏法と称して、神通力を修練することを勧めたようです。私は読んでいませんので想像ですが、論理の「阿含経」ではなく実践法の「雑阿含経」を研究していたようです。

有り難し有り難し 4
回答数回答 1

輪廻転生の考え方について

質問が2つあります ①仏教では輪廻転生と言う考え方で生まれ変わると言われていますが 人口の増減についてはどう考えているのでしょうか? 今の日本の人口は1億人を超えていますが 奈良時代 大宝律令ができたころは310万人~320万人ほどだったようです。 日本史の教科書では 昭和初期の満州事変が始まった頃のことを 日本は中国人4億5千万人を敵に回すことになった と書かれていますが 今は中国の人口は軽く10億人を超えています 同じ国籍だけに輪廻転生するとは限らない 世界規模で考えるべきとしても 現在世界の人口は70億人程度いるようですが 1世紀に前に比べても数倍になっています もっと言うなら 数万年前の ~~原人 とかいたころはどうなのか? とか いろいろ説明がつかないことばかりです。 昔の 江原啓之さんが出てくるような心霊番組はテレビでやらなくなりましたが (便乗した霊感商法 悪徳商法がはびこるようになるとか、輪廻転生を信じた人が人生をやり直すために自殺するケースが出たなどの理由で弁護士などがテレビ局に抗議したそうですが) 当時の番組では江原さんは輪廻転生を言っていて 「あなたの前世は~」と言う話になると 全て人間であり、他の動物だったケースは見たことがありません。 しかし 全ての人間が また人間に輪廻転生をするとすると 個体数の関係で辻褄が合わないことになります。 これは仏教ではどう考えているのでしょうか? ②私は亡くなったら全て「無」に帰す 霊魂も輪廻転生もないインチキだ と言う考え方は好きではありません。 それは 大切な肉親を亡くし時点で「永遠の絶縁」を意味するからです。 死ぬことは怖いとは思いませんが、肉親と未来永劫絶縁になると想像するほうが怖いです。 霊魂や輪廻転生を完全否定する宗教家の方もいるようですが、肉親を亡くしたら情なんて捨てろ と考えているのでしょうか?

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誕生の仕組み

 輪廻転生が真実であるとすれば誕生の考え方が大きく変わります。  まず結論から言いますと、「心は自分自身であり、親から貰ったものではない」と言うことです。 即ち自分の生老病死は自己責任であるということです。  ことわざからはじめますと、  「身体髪膚これみな父母より賜う。あえて損傷せざるは孝の始めなり」  これは身体だけであり、心は別ということになります。  「子は授かりもの」   もし心も親譲りであれば我が子であって、授かるとは言わないでしょう。  「とんびが鷹を産む」  親子の気質は別物であるという事でしょう。  「愚兄賢弟」  もし親譲りであれば、兄弟でも性格が違うとは、遺伝子的には考えられません。 原則的には類を以って集まるはずですから、性格が似ていることは多々あります。  臨死体験者(新堂のぶ子氏)の言葉(講演会にて)  「親が子を生むのではなく、子が親を選択する。」  ある宗教学者はネットで「龍樹と輪廻転生」と題し   「ブッダは、『大縁経』で、意識が母胎に流れ込むことによって、そして、そこで身心(名称と形態)が増大することによって、この世に転生するありさまを説明した。」と述べています。  「意識」は心と同一と考えてよいと思います。   以上が結論の根拠です。

有り難し有り難し 8
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温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ