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マイナス思考が過ぎるのでしょうか。

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 久方ぶりに、質問の機会を頂きました事に、まず感謝いたします。

 去年9月、病院に救急搬送され、軽度から中度のメニエール病と、変動性難聴と診断され、以後、複数種の薬を飲み続けています。
 
 元々、中耳炎と神経難聴はあったのですが、この事があってから難聴の程度が悪化し、疲労が溜まりすぎたり、気圧の変化が酷い所に行くと、体調を崩し、目を回すようになりました。

 僕は、母が、今の僕と同じ歳の時に、重度のメニエールにかかって手術をし、それ以降補聴器が手放せなくなり、病気をやってすぐの頃は天候の変化でよく倒れていたのを間近で見ていました。

 以前から『タイミングや程度の差はあっても、いつか、周りの音が聞こえなくなる日が来るのだろう』と思っていたので、実際聴力が落ちても、『ああ、やっぱり来たか』ぐらいにしか思いませんでした。

 病気は、その種類によっては、血縁同士で遺伝するモノもあると言われます。
 
 僕の難聴やメニエールが母から遺伝したモノか、そもそもそれらが遺伝するモノなのかも不勉強ゆえ分からないのですが、もし遺伝するモノであるなら、仮に僕が今後結婚して子供が出来た時、その子供も同じモノを引く可能性があることになります。

 以前、僕には昔の記憶が殆ど残っていないという話をこの場でさせていただきました。
 そうなったきっかけの1つは、僕の難聴をネタにした、俗に言う『イジメ』であったと、周囲の何人かから耳にしました。

 記憶が残らなくなるような嫌な思いを自分の子供にさせるぐらいなら、自分の血は自分で終わりで構わない、と考えてしまいます。
 こう考えてしまう僕は、マイナス思考が過ぎるのでしょうか。

 僕自身の結婚に関しても心配事はあるのですが、それはまたいつか、場を改める事とさせて頂きます。

 どうか、ご回答の程、よろしくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

私は医者ではないので病が遺伝するかどうかは分かりません。
ネットで少し調べてみましたが、メニエール病は遺伝しないという記事もあれば、難聴が遺伝してその影響でメニエール病になるという記事もありました。
あなたとお母さんの様子からすると、子供にも影響が出る可能性はあるでしょう。

あなたが生まれてこなければ良かったと思っているなら、とても子供はつくれませんよね。
しかし、もし今あなたが、生まれてきて良かった、子供時代は苦しかったけど今は違うから生まれてきて良かった、お母さんに会えて良かった、友達に会えて良かった、と思うなら、子供にも生きるチャンスを与えていいのではないでしょうか。
あなたの経験を子供に教えてサポートしながら、子供が逆境の中でも生きていけるように育てることができるのではないでしょうか。
難聴が遺伝しても、同様にあなたの強さや優しさも遺伝すると思いますよ。

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おきもち

私は浄土宗の坊さんです。 少しでも何か参考になればと思って回答しています...
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エピジェネティクス

Xien様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

「エピジェネティクス」って何と思われるかもしれませんが、拙生なりの解釈では、簡単に説明すると、例えば、二人の人間において、病気を発症させる遺伝的変異を同じく抱えていても、一方では発症して、一方では発症しないという場合があり、変異だけで病気が発症するのではなく、色々な他の遺伝的機能や体内代謝、外部要因など、他の幾つかの要因が合わさった上で、その遺伝的機能の発現が変化しているということであります。

私たち人間は少なからず遺伝子(ヒトゲノム約3万)のどこかに、ホモであったり、ヘテロであったりの変異を必ず抱えています。それがまた色々な人としての個性となっているのですが、その変異が、病気や機能障害を及ぼしてしまうこともあるのであります。

例えば、癌や糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、高血圧になりやすい遺伝変異とかも当然に人それぞれにおいてございます。

それでは、何もできないのかと言うと、そうではなくて、発現するリスクはコントロールできることもあるということでございます。

食生活に気を付けたり、薬やサプリ等によるなどしたり、運動したりと。

最近では乳がんについての遺伝的予防もかなり進められていますが、まさにそのようにして遺伝的変異による発現のリスクを減らすことで、病気の発症を抑えるということは可能であると考えています。

貴方のご病気についてのことも、拙生は、遺伝的変異による発現のリスクは皆抱えているものであり、さほど気にすることはないとも考えていますし、お相手の遺伝子によっては、貴方がホモであっても、相手に変異がなければ、ヘテロとなり、遺伝的機能を回復することだってあり得るのであります。

こんなことは、生命誕生以来に繰り返されているのであって、あまりマイナスに思われ過ぎるのは良くありません。良くありませんが、予防できるのであれば、できることをするに越したこともありません。

必要であれば、遺伝子検査をされて、リスクについては知っておかれても良いかとは存じます。但し、結果に対して拙生は一喜一憂することはないと思います。誰だって変異は抱えているものなのですから。それよりも、医学の進歩も活かして、人生をどうより豊かに、幸せに生きていけるかについて前向きに考える方が良いと思っております。

川口英俊 合掌

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有り難し
おきもち

Eishun Kawaguchi
最新の仏教論考はこちらでご覧頂くことができますが、公開、非公開は随時に判断...
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質問者からのお礼

聖章様、川口様、お返事いただき有難うございます。

聖章様

『生まれてきて良かった、お母さんに会えて良かった、友達に会えて良かった、と思うなら、子供にも生きるチャンスを与えていいのではないでしょうか』
 今すぐに、そう思う事は難しいかもしれません。
 ですが、いつかそう思えるようになったら、子供の生きるチャンスというものも、考えられるようになるのではないかと思います。

川口様

『医学の進歩も活かして、人生をどうより豊かに、幸せに生きていけるかについて前向きに考える方が良いと思っております』
 確かに医学は、昔に比べて確実に進歩しているのだと思います。
 今は、眩暈などを抑えるために脳圧を下げる薬などを飲んでいますが、体調がもう少し安定したら、持っている資格を活かした職種への転職のため、本腰を入れて動こうと思っています。
 これが本当に『前向きに考える』事なのかは、僕にはよく分かりません。
 ですが、僕なりに少しずつ、マイナス思考を抑えるようにしていけたらと思います。

 本当に、この度は有難うございました。

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