娘の死
私には、夫、長女15歳、二女10歳の家族がいます。
2ヶ月前の中学卒業式の前日に長女が朝方トイレで倒れており運ばれてから半日で亡くなってしまいました。
肝臓に悪性腫瘍があり、破裂したことが原因でした。症状が出にくいのでわからなかったでしょう、とのことですが、気が狂いそうな葬儀を終え、日にちがたつと自分を責め、してやりたいこともたくさんありすぎて後悔をし、寂しくて会いたくて、最後のすがた、笑顔の娘、抱きついて来る娘、母さんて聞きたくて、思い出しては辛くて仕方ありません。
二女は泣くのは見たくないようですし、私がつい買いものしても、これ姉ちゃんなら欲しがるねと言ったりすると姉ちゃん姉ちゃん言わないでといいます。
二女もあの悪夢のような日は号泣しておりました。
私は15年間夢を見ていたんじゃないかとぽっかり穴があいたままです。
パートも再開しており外ではまだ大丈夫なのですが
思い出しては苦しくなります。
夫の誕生日に産まれ、私の誕生日に亡くなったのも何か意味があるのでしょうか?二女の為にも長女の為にも気持ちをどう思って生きていくのがいいのかアドバイスをいただけたらありがたいです。
宜しくお願い致します。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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あなたが愛すべき、向き合うべき2人が、すぐそこにいる。
25歳でお嬢さんを亡くされた神奈川県在住のある女性は、その日から「時間が止まってしまったかのよう」だったそうです。
これは妹の玲子さんから伺った、そのお母様のお話です。
「私は姉の順子の死後も、母から姉と比較され、悪く言われ続けてきました。
母の中では、姉が亡くなったあの日以来、いまも姉は変わらず美しい思い出のままなんです。
私は母と共に年を重ねる。
そりゃお互い人間ですから、母と娘、互いに自分のことばかりでたがいに譲らず、醜い面でぶつかり合いが絶えませんでした。」
玲子さんはお母さんがいつまでたっても、過去に執着した母親、そのままの玲子さんを受け入れてくれないことを悔やみ続けて来られたそうです。
お母さんに対する願いと恨み、心配ごとを私に告白し、最終的にお母さんを変えることはできないから、とお母さんに理想的なあり方を求めることを止めました。
彼女は病室でこう語りました。
「丹下さん、親の最高の愛情って
“あなたはそのままでいい”って、認めて赦してくれることよ、ね。」
これはお母様に対する玲子さんの願いのように思われました。
私に、子供に対する愛情の正しいあり方を遺言として遺され、
静かにこの世を去りました。妹の玲子さんは実はガンだったのです。
玲子さんが亡くなられたお通夜の晩のことでした。
「姉の順子はいい子でした」
この人、気は確かか…!?と正直思ってしまいました。
「自分の二人目の娘が、死んでいったというのに、今もまだ亡くなったお姉さんと妹さんを比較しながら…、」
これ以上は立ち入るまい、と思いました。
私が申し上げたいことは、しっかりと次女と向き合って頂く、ということです。
おそらくあなたは、ご自分のことと、ご長女さんのことで、ご主人や次女のこと、周りときちんと向き合えなくなっておられることと思います。
長女に与えた愛情以上に次女に愛情を注ぐことです。
この内容をご主人に見せて差し上げてください。そして、夫婦で話し合うべきです。
次女の子にも見せて上げてください。
今後、
ご主人の誕生日は、ご長女様がこの世界で、お生まれになられた日として、
あなたの誕生日は、仏様の国でお生まれになられたご命日として、
ご夫妻の誕生日と共に、ご生誕を祝って差しあげてください。
必ずやご長女様とご家族が、ご一緒に新たに歩むべき新しい道が開かれるはずです。
悲しみを大切になさって下さい
じゅんちさま
2ヶ月前に15歳の長女さんが急にお亡くなりになられたとのこと。
どれほどお苦しみの深いことか、想像を絶する苦痛の中におられるのだと拝察いたします。
衷心よりお悔やみを申し上げます。
ご主人の誕生日にお生まれになった初めてのお子さんですから、手塩にかけてお育てになった15年間だったと思います。
じゅんちさんの苦しみの深さは、愛情を注いだ15年間があってのものですから、一朝一夕に薄れさせることはできないと存じます。
どうぞ深く悲しみ、涙を流して下さい。5年、10年と悲しんでいてもよいのではないでしょうか。
「あなたが悲しんでいると亡くなった方が浮かばれない」なんて言う方もいるかもしれませんが、私はそんな事はないと思います。仏さまと成られた長女さんは、じゅんちさんが泣いていても怒っていても笑っていても、常に穏やかに見つめて下さっている。私はそう思っています。
また、じゅんちさんの誕生日に亡くなったことに、何か意味があるのかと考えてしまうお気持ちもわかりますが、それは「縁」としか言いようがないと、私は捉えています。
「大切な方を失う」のには様々な形があります。
突然に、あるいは短期間に失い、何も出来なかったことや充分看病出来なかったことを後悔する方もおります。
かと思えば長期の看病・介護に疲れ果て「早くその時が来て欲しい」と思ってしまい、その思いに対し自責の念を持つ方もいます。
いずれにしても、後悔をせず、満足して大切な方を送り出すことが出来る人は、そうそう多くないのではないでしょうか。
私も今年の頭、大切な先輩を亡くしました。とは言っても家族ではありませんし、じゅんちさんの苦しみに比することは出来ません。
ただ私は、「亡くなった先輩がお浄土で『あの浦上というのは俺の後輩なんだ』と他の仏さまに誇れるような、そんな自分になろう」という決意を胸に抱きました。
じゅんちさん。今はただ、悲しんでいてもよいのではないでしょうか。真っすぐに悲しみと向き合う時間も大切だと、私は思っています。
じゅんち様。
2ヶ月前に長女さんが急にお亡くなりになられたとのこと。
貴女様やご主人様、次女様の其のご心中どれほどお苦しみの深いことか、
想像を絶する苦痛の中におられるのだと拝察致します。
当方も哀悼の誠を捧げ、当寺のご本尊様にも即得往生を祈りをます。
今は唯々、娘さんのご冥福を祈る日々で宜しいです。
但し、ご自分やご家族を責めては成りませんよ。
其れこそ亡くなった娘さんが、悲しまれますから…
此れでは娘さんのご冥福を祈る事には成りませんからね。
浦上 哲也 師も仰る様に、
『あなたが悲しんでいると亡くなった方が浮かばれない』
等と言う方もいるかもしれませんが、今は其れに応たりません。
今はただ、悲しんで良い時期に有ります。
悲しみに真剣に向き合う時間が、今なのですから…
そして、其れが娘さんのご冥福を祈る日々に至る道ですから…
少しでも貴女やご家族が、「お姉ちゃん」の御供養をと思いが至ったなら、
「お姉ちゃん」の為に御供養を為さってあげて下さいな。
其れと…「夫の誕生日に産まれ、私の誕生日に亡くなったのも何か意味があるのでしょうか?」との事ですが、一言で申し上げれば、「縁」と成りましょうね。
此の、「縁」を心していれば、お姉ちゃんは貴女方の側に常にいらっしゃいますよ。
次女様には、「お姉ちゃん…云々」は成る可くお控え下されますれば宜しいかと存じます。
彼女は彼女なりに、「お姉ちゃん」を心に留める為の期間で有りましょうから…
また、貴方様や、ご家族のお心がどうしても哀しみで満ちあふれ、
誰かにご相談に成りたい折には、ご遠慮なく当方や「自殺防止ネットワーク『風』」へ
お電話下されて構いませんよ。
以下のアドレスから、ご覧下さいませ。
http://www.soudannet-kaze.jp/
「愛別離苦」を乗り越えていくために
じゅんち様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えとなります。
愛する我が子の早世・・心の準備もなく、到底予期することもできなかった突然の別れ・・実に耐え難いお気持ちの中でお苦しみのことではないだろうかとお察し申し上げます。心からお悔やみを申し上げます。
「夫の誕生日に産まれ、私の誕生日に亡くなったのも何か意味があるのでしょうか?」・・
このような意味を考え出しますとおそらく答えは簡単には出ないかと存じます。ただ、このことからどこか拙生が思いますのは、ご長女さんは、あなた方ご夫婦を確かに選ばれてお産まれになられ、そして大事に大切に育まれる中、愛情を頂かれて、短いご生涯でございましたが、きっとお幸せにお過ごしになられたのではないだろうかと存じております。どうか善い処へと赴かれますように、拙生もこの度、誠に少しくではございますが、じゅんち様のご長女さんへと想いを寄せさせて頂いて追善のご供養を申し上げさせて頂きます。
「二女の為にも長女の為にも気持ちをどう思って生きていくのがいいのか」・・
ご長女さんであれば、きっと私へとできなかったことを、どうか二女さんへと思われることでありますでしょう。もちろん、これまでの大切な思い出もしっかりと抱きつつ、二女さんを長女さんでもあると想われて、二女さんを大事に大切に育まれて下さいませ。
ただ、仏教におきましては、仏縁によっての生死一大事の見極めも大切なこととなります。菩提寺様におけますご供養と併せて、この「愛別離苦」を乗り越えていくためにも、仏教に関しましても更に学びを進められるご機会となさられることをお薦め申し上げます。
愛する者との死別のことに関しましては、これまで下記の問いにて拙回答をさせて頂いております、少しでもご参照を賜れましたらと存じております。
問い「友人の死について」
http://hasunoha.jp/questions/91
「愛別離苦」へのアプローチ
問い「最期に苦しむということ」
http://hasunoha.jp/questions/95
「四聖諦」へのいざない
ご長女さんのご冥福を心から祈念申し上げます。
川口英俊 合掌