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生きる意味
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どうせ死ぬのになぜ生きるの?わたしたちが生きる意味を教えてください

わたしたちは、毎日生きていく中でさまざまな苦しみや悲しみと出合います。その中でも、人の死を身近に感じた時に、生きることが虚しくなってしまう人も少なくありません。また、どうせ死ぬのなら、どう生きてもいいのではと考える人もいることでしょう。
今回hasunohaへ寄せられたお悩みは、生きる意味についてです。お坊さん方はどのような回答をしてくださるのでしょうか。それでは、さっそく見ていきましょう。


どうせ死ぬのになぜ生きるのですか?


タイトルにあるような質問を、自殺志願者の男性に言われて答えることができませんでした。お坊さんだったら何と答えますか?


そう語るのは、10代男性のせいやさん。自殺志願者の男性は、「死ぬ」と言い残して、音信不通なったとのこと。
この問いが、せいやさんの心に重くのしかかったまま答えが見つからない様子です。


寄り添っていただけますか

その質問をされる方は、その答えが欲しいのではなく、その質問を聴いてくれる人が欲しいのです。

(林鴬山 憶西院 超覚寺 和田隆恩)


こちらのお坊さんは、もしまた同じような質問を受けたら「私もわからないから、一緒に考えてみようか」と、その方に寄り添って欲しいとおっしゃられました。死に対する漠然とした不安に対し、簡単に答えは見つかりません。せいやさんに訊ねられたその方も、答えが欲しいわけではなく、ただ悩みを聞いて欲しかった可能性もあります。


生まれて生きて死んで終わりなら仏教はいりません

今の私が生まれて生きているということは、前生(前世)の私が死んだ結果です。
今の私は輪廻をグルグルと繰り返している状態です。
この輪廻のループから解脱し仏になるのが仏教です。

(崇興寺 釈心誓)


輪廻とは、何回も生まれ変わりさまざまな世界を生き続けていくこと。生前に、良いことをしていれば、良いところへ。悪いことをしていれば、悪いところへ。必ずしも次が人間として生まれてくるわけではないようです。
仏教は、迷いや煩悩などあらゆる苦しみから解放され、輪廻しない世界を目指すもの。こちらのお坊さんは、人間として生まれている今、仏の教えを聞いて悟りを開くチャンスだとおっしゃっています。わたしたちは、死ねば終わりだと言うわけではなく、生まれ変わる来世のために、今を良いものにしようと思えれば、生き方も変わりそうです。


死は、どう生きるのかにつながっている

死はいつ私たちに訪れるかわかりません。(中略)つまり、生きること「生」は、死ぬこと「死」と共にあるのであり、これを逆から言えば「死ぬこと「死」は、生きること「生」と共にあるのです。ですから、私の死は、私がどう生きるかに繋がっているのです。

(真行寺 亀山純史)


こちらのお坊さんは、生まれてきた以上、「生と死」は隣合わせであると教えてくださいました。もし、わたしたちが不死身であれば、生きることに真剣にはならなかったはず。死と向き合うことで、わたしたちは今どう生きるか、生きることの大切さを考えることができます。


他人から教えてもらえるものではありません

まさにその問こそがお釈迦さまが出家した動機でありました。(中略)
わたしならば「その答えを見つけるために生きているのでは無いですか?」とお答えしますね。

(實相寺 山本 文匡)


と、こちらのお坊さんはおっしゃっています。たしかに、生きる理由は人それぞれ。自分の夢を叶えるため、家族を守るため、人によって目的は違います。生きる意味は、他人から教えてもらえるものではなく、幸せを求めて自分自身で見つけて行かなければならないようです。


質問者せいやさんからのお礼

相手の気持ちになって考えてあげられるように努めたいと思います


せいやさんは、これから先、同じような相談を受けたときは今回教えていただいたお坊さんからのお話を伝えていくと決めました。


元の問答:どうせ死ぬのになぜ生きるのですか?


今回は、生きる理由について、お坊さん方から多くの回答をいただくことができました。
死生観は人それぞれ。どうせ、死ぬなら生きる意味なんてないと思う人もいるでしょう。

しかし、仏教ではわたしたちの生き方によって来世が決まります(自業自得)。その教えを知っていると知らないとでは、わたしたちの生きる姿勢は大きく変わるかもしれませんね。
生きる意味は、自分たちで見つける必要がありますが、今いる環境の中で、精いっぱいよいものにしようと思う気持ちが大切なのかもしれません。ありがとうございました。

文・hasunoha編集部
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