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怒りを抑える
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子どもへの言葉の暴力が止まりません。どうしたら感情的にならずに子供と向き合えますか?

大人であっても、子供の言動についカッとなって怒り過ぎてしまうことはよくあります。しかし、感情に任せて親から怒りをぶつけられた子供の心はどうなるのでしょうか。

今回は、「我慢の限界を超えると、子供への言葉の暴力がとまりません」と悩む40代女性ふくしまさんからの相談です。子育て中の人であれば、決して他人事ではありません。それでは、さっそく見ていきましょう。


子供への言葉の暴力がとまりません


昨日も1年生の次男の人格を否定し家から出ていけ!と言ってしまいました。理由は子供によくある食事の好き嫌いです。(中略)
その子のお茶碗とお箸をごみ箱に捨てて、着替えをリュックに詰めて玄関に置き「外に出れば警察の人が保護してくれる。施設でお世話になりなさい!」と言い放ちました。(中略)
その時の私は「とことんこの子を追い詰めてやる。泣き叫んでも謝り続けても決して許さない」と親として(人として)最低なことを言って自分のストレスを発散することだけしか考えていませんでした。


子供に対しどのように接していけばよいのか、爆発しやすい性格をどうしたら抑えることができるのか。お坊さん方の回答をご覧ください。


表に出て恥ずかしくない生き方をするべき

他人の前で叱りなさい。そうすれば自分の悪魔は出てこなくなる。他人の前だからといってもヒソヒソ声で威圧に言うのはイジメです。
あなたはもっと、外部に照らされるべきです。自分がやっていることを表に出しても恥ずかしくない生き方をするべきです。それはどういうことか。
叱らない、ということです。
怒らないということ。
諭すということ。
できません。難しいですじゃない。それをやるんです。

(安穏寺(天岑寺)丹下覚元)


子どもにとって母親からの罵声が、一番強い影響力を持ち、自己否定感情を強く生み出すとこちらのお坊さんはおっしゃいます。子どもに対する高い理想を要求するのは、大人のエゴ。自分の願望を子供に要求したり、押し付けたりしているだけに過ぎません。
親としての理性を保つことや恥ずかしくない生き方が大切だと教えてくださいました。


「怒る」から「叱る」へ

子育てをしていれば、ついつい感情的になってしまう場面もあると思います。何回言っても同じことを繰り返してなかなか言うことを聞いてくれない…でもそれが子供という生き物です。(中略)
まずは、相手の為にならない「怒る」から、相手のことを思いやる「叱る」に切り替えてみてはどうでしょうか?

(龍松山 養泉寺 隆介) 

   
温かく成長を見守ってあげてくださいと、こちらのお坊さんはおっしゃっています。ストレスのはけ口として、怒鳴り散らし人格を否定するような発言は、子どもの心に深い傷を与え、怒られた記憶しか残らないといいます。

また、感情のコントロールが得意でなければ、カウンセリングなど病院へ相談されるのも1つの手だと、相談者ふくしまさんのお気持ちにも寄り添い回答をしてくださいました。


こころも身体も余裕が大切

子供に当たり散らすときは疲れていて身体が硬くなっているんですね。
楽健法などで身体がほぐれると、気持ちにゆとりができて、子供に当たり散らしたりはしなくなるんです。
身体が硬い人は気持ちにゆとりがなくて怒りっぽいのです。
こころも身体も余裕があるのが健康なのです。

(磐余山 東光寺 山内 宥厳)


子供に強く当たってしまう時は、ストレスなどで身体が硬くなっているのかもしれません。イライラしたり、怒り過ぎたりした時は、身体をほぐし、疲れを取り除くことに意識を向けてみましょう。
また、こちらのお坊さんは、「子供はものがわからないと思っていたら大間違い、とても冷静に親を観察していますよ」ともおっしゃっています。


他人の子供にやったら逮捕されるようなことはしてはいない

他人の子供にしたら問題になるようなことは、自分の子供にしてはいけないと思いましょう。もしも、大のおとなが、道端で出会った見知らぬ子供に対して、とことん追い詰めるまで罵倒をしたら?もしも他人の子供の食器をいきなり奪って捨てたら?
絶対通報されますよね。
他人にやって犯罪になるようなことは、家族にもしてはいけないのです。

(願誉浄史)


家族だからなにをしてもいいということではありません。家族間のコミュニケーションの在り方について冷静に考えてみる必要があります。


今回お坊さんへ相談したことをきっかけに、お子様と本音で話し合ったという相談者ふくしまさん。「子供は「少しずつでいいから、直してね」と言ってくれました。子供の笑顔をなくさないよう、子供の考えを尊重し、自分の考えを直していきたいと思っています。」と、お気持ちを教えてくださいました。


元の問答:子供への言葉の暴力がとまりません


今回もお坊さん方からたくさんのアドバイスを教えていただきました。

「怒る」は感情的に思いをぶつける行為、「叱る」は相手のことを考えて想いを伝える行為。この2つは大きく違いますね。叱られた子供が大人の言うことを聞いてくれるのは、親子の信頼関係が成り立ってこそ。そのためにも、親であるわたしたちは感情的にならないように、意識し努力が必要だと気付かされました。ありがとうございました。

文・hasunoha編集部
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