仏教では、自分の悩み苦しみの原因は自分の煩悩だと考えます。
他人の成功や幸せを喜べない場合、プライドの煩悩、怒りの煩悩が働いていると思います。
あなたの場合、他人の不幸を見た場合も、プライドの煩悩と怒りの煩悩が働いているようですね。
プライドの煩悩は、自分を素晴らしい存在だと思いたい気持ちです。
そのため、自分を評価する材料として、自分を他人と比べたり、自分を理想の自分や過去の自分と比べたりしたくなります。
で、他人が自分より幸せだと「嫌だ、むかつく」と怒りが生じたりするわけですね。

また、他人の不幸を見た場合も「私が悪魔だからかな」と「自分」とからめて考えてしまうのも、やはり、プライドの煩悩があるからではないでしょうか？
あなたは、常に自分の存在価値が気になるのかもしれません。
世の中は諸行無常。病気や不幸や失敗は誰にでもあるので、あなたが悪魔だからではありません。
残念ながら、あなたには「悪魔」というほどの特殊な力はないと思います。
むしろ、煩悩という悪魔に不幸にされているのはあなた自身かもしれません。
欲・怒り・怠け・プライドは煩悩、煩悩は悩み苦しみの原因だ、と毎日思い出すようにしてください。
難しく考える必要はありません。
たとえば、ダイエットしたいときには、食欲の煩悩がダイエットの邪魔をする「悪魔」なのです。

願誉浄史

がんよじょうし。浄土宗教師。｢○誉｣は浄土宗の戒名に特有の｢誉号｣です。四...

このお坊さんを応援する

？