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他人・友人関係
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愚痴や他人の悪口を聞き続けるのがつらい。ストレスにならない方法はありますか。

自分の置かれている境遇がおもしろくない時、つい愚痴ってしまうことは誰にでもありますよね。愚痴る本人は、すっきり気持ちがよくなっても、聞かされる方にとっては迷惑な話。とくに身近な人の愚痴ほどつらいものはありません。
もし、友人や職場の上司など、愚痴る相手から逃れられない場合、どうしたらよいのでしょうか。うまく対処する知恵をお坊さんに聞いてみましょう。


愚痴を聞き続けることがつらいです


会話の内容があまりに愚痴や悪口、文句ばかりであると参ってしまいます。
愚痴を聞けば聞くほどに自分の心に澱みが溜まっていくような感覚です。あまりに聞かされ続けると自分が嫌な感情のゴミ箱にされているような気すらします。(中略)
他人の愚痴に対してどのように付き合えばよいのでしょうか。
どう聞けば自分の心に澱みを溜めず相手の愚痴を聞けるのでしょうか。


ゆうづきさん(20代女性)は、他人が愚痴るのは自分に心を許しているからだと思い、親身になってきましたが、聞けば聞くほど受け止めきれず、うんざりしてしまいました。


愚痴は三毒の1つです

愚痴はアピールです。もっとわたしのことを心配してほしいという。
私はこんなにも苦しんでいるのだから、こんなにも病気が重い、あそこが痛い、こちらも痛い、肩が凝る、あの人がいけ好かない、よくもこれほどと思うくらい不定愁訴を並べますね。
愚痴は衆生の武器でもあり盾でもあります。

(磐余山 東光寺 山内 宥厳)


愚痴とは、もともとは仏教用語の1つ。仏教には、「三毒」という言葉があり、貪欲(どんよく)、瞋恚(しんい)、愚痴の3つをよくないものとしています。わかりやすく言うと「貪瞋痴とは、欲張り・すぐ怒る・本当は馬鹿」という意味なのだとか。つまり、愚痴とは、字の通り「おろかさ・無知」のあらわれですね。
そんな、愚痴に対してわたしたちは根気よく聞くことができるのでしょうか。

こちらのお坊さんは、「あなたも回答僧になったつもりで相手を観察しながら、愚痴を聞いてあげてください」とおっしゃっています。

では、具体的にどのように観察をするべきか、愚痴の受け止め方もあわせて次のお坊さんが教えてくださいました。


煩悩ポイントを分析しています

自分は、愚痴を聞きながら、この人の「煩悩ポイント」を分析します。
あ~、こうしたいのか。これを求めているのかって。
分析していると色々見えてきて聞くのが面白くなりますよ。
ほとんどの人は、愚痴ればスッキリすることが多いのであまりアドバイスはしません。
正面から受け止めなくていいんですよ。
相槌くらいで。
毒の袋から、毒の空気がボエーって出てるのをまともに吸ってると毒に犯されますよ。

(正念寺 日顕)


仕事柄、愚痴を聞くことの多いお坊さんですが、ストレスにならない方法は「相手の煩悩ポイントを分析」することなのだそう。
煩悩とは、わたしたちの心を悩まし苦しめるものですね。108ある煩悩の中でもっとも苦しめるのがこの「三毒」だと言われております。

他人の愚痴には、もしかしたら嫉妬や怒り、コンプレックスなど別の問題が隠されているのかもしれない。と分析しながら聞いていると、たしかに愚痴の受け止め方は変わりそうです。
また、親身になって愚痴を聞いてしまう人にとって「正面から受け止めなくてもよい」というお坊さんの言葉にほっとされた方も多いのではないでしょうか。


愚痴を聞くのは修行の1つです

愚痴の意味を知る!そして聞く行為は、施しの心(布施)の修行です。
どうかこれからは、心していっぱい愚痴を聞いてみては。そうそう聞いてくれる人はいませんけれど、どれもまた意味がある功徳なのです。

(金粟院 山口秀徹)


布施とは、金銭や品物を与えるだけではありません。施しの心、つまり親切な心でも人を救うことはできます。さらに、善いことをすれば、善い結果が返ってくる、そう信じて功徳を積むことで、自分自身の未来や来世にもよい結果がもたらせるのかもしれませんね。


ゆうづきさんのお気持ちは

仏教にあまり詳しくはないのですが、皆様のお話から、仏教は本当に人間の煩悩をよく観察しそれを克服しようとしている人間の生きる知恵のようにも感じました。
今まであまり仏様の教えに親しむ機会はなかったのですが、これを機に少し自分でも仏教に関して色々学んでみようと思います。


元の問答:愚痴を聞き続けることがつらい


愚痴は三毒の1つで、もっとも根強い煩悩だと言われています。
愚痴を言う人は、もしかしたら煩悩で悩み、苦しんでいるのもしれない。そういう風に相手の愚痴に対する捉え方を変えるだけで、わたしたちの受け取り方も変わりますね。
また、他人の愚痴は、正面から受け止めず、上手に聞き流して行くことも大切です。今回もまた、お坊さんから生きる知恵を教えていただきました。ありがとうございました。

文・hasunoha編集部
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