人にとっつきにくいと言われた。でも直す方法がわからない。お坊さんが説く自分自身の見方
人から、「あなたはプライドが高く、とっつきにくい」と言われて悩んだことはありませんか?自分でも知らないうちに、他人を見下しているかもしれないと悩む方は、実は世の中にたくさんいます。今回はそんな方にきっと共感していただける、「自分の傲慢な性格を直したい」という相談と、お坊さんからの温かい回答を紹介します。
「あなたは人を見下している」と指摘されてしまった!どうすれば……?
ずっと人付き合いに悩んできたという質問者のまっちさん。友人から「あなたはプライドが高い」「人を見下しているのでは」と指摘されましたが、まっちさん自身はどんなときに傲慢さが出てしまうのか、自分で実感することができませんでした。今後どのように改善していけばいいのかと相談されています。
人付き合いに悩んでいる私を見て、プライベートの友人が指摘をしてくれました。「プライドが高い」「表向き社交的だが、壁がある。さらけ出していない」「どこかで人を見下している」それがなくなるとすごくステキになるよ、と背中を押してくれました。
~中略~
…でも何から意識し心がけていけばよいかわかりません。
人付き合いがうまくできないことに悩むまっちさん。友人からせっかく親身なアドバイスをもらえても、改善方法が分からないと、ますます人付き合いがつらくなってしまいますよね……。
一体どうすれば?この相談に対するお坊さんの回答を紹介します。
自己を客観視し、人を頼ってみてください
自分の言動を客観視すると反省点が見出しやすくなります。~中略~
悩みなども自分だけで結論を出すことも可能、もしくはそちらのほうが簡単かもしれません。が、積極的に人を頼ることによって、あなた本来の良さがどんどん出てくると思います。
(釣徳寺 児玉龍典)
こちらのお坊さんは、自らを客観的に眺めることや、人に頼ってみることをアドバイスされています。自己の客観視と聞くと、「そんなの難しい!」と感じてしまいますが、大丈夫。お坊さんから具体的な近道として、ゆっくりしゃべることや聞く耳をもっと持つことが提案されています。これならば少しずつでも実践していけそうですね。質問者のまっちさんからも、「「ゆっくりしゃべる」「聞く耳をもっともっと持つ」 これなら私にもできそうです!」というお礼の言葉が届いています。
意識を周りに向けて、自分濃度をうすめてみましょう
意識が周りに向かわず、自分に向き過ぎなのかもしれません。
~中略~「ああ、わたしは主張が強いのか」と、状況に応じて臨機応変に主張モグラをひっこめることですよ。
(安穏寺 (天岑寺) 丹下覚元)
こちらのお坊さんは、まっちさんの性格を「自分の濃度が濃すぎるのでは」と分析しています。100%ジュースは濃すぎてときに飲みにくいという例え話も出され、自分濃度をうすめることをアドバイスしています。まっちさんから「主張主張ばかりの私なので黙ろうと調整するくらいがちょうどいいのかもですね!!」というお礼の言葉も届いている、臨機応変に自己主張を引っ込めればよいという具体的なアドバイス。今日からでも試してみようかなと思えますね。
自分は生かされているのだという感覚、「縁起」を意識しましょう
どうしても私たちは、自分中心として物事を考えてしまうところがございます。~中略~
仏教的には、「我執」というものをその原因と捉えますが、誠にやっかいなものでございます。そこで、仏教では、この「我執」という自我への執着、モノ・コトを実体視するとらわれを無くしていくことを勧めることになります。
(岩瀧山 往生院六萬寺 川口 英俊)
こちらのお坊さんは、仏教の教えを分かりやすく説いています。「我執」をなくすためには、「空」と「縁起」を意識する。つまり、自分はあらゆる他者との関わりの中で生かされていることを意識してみてくださいとおっしゃっています。私たちはつい、「自分は自立して生きている」と思ってしまいがちですが、実はさまざまなモノ・コトに依存して生きています。他者へのまなざしを忘れず、生かされていることを意識するとよいというアドバイスを心に留めておくと、少しずつでも周りに優しくなれそうです。