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心構え・生きる智慧
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仕事で嫌がらせにあい退職。これは因果応報なのですか?

今回の相談は、職場でいじめのような嫌がらせを受けてうつ病にもなり、退職をすることになってしまった30代女性たぬきさんのお話です。

火のないところに煙は立たぬとよく言われますが、わたしたちが生きる世の中では、かならず元となる原因がありそれにより結果は生じます。中でも、因果応報という言葉には、「悪いことをすれば悪い結果が起きる」と信じられていますよね。ただし、実際に生きて行く中で、悪いことをしていなくてもある日突然不幸に見舞われることもあります。職場の嫌がらせは運が悪かったのでしょうか、因果応報で起きたのでしょうか。


自分に降りかかる災難は因果応報なのでしょうか

うつ病で会社を退職しました。職場で嫌がらせを受けて本当に苦しかったです。運が悪かったと思いたい一方、何故その様な災難がわたしに降りかかったのかと辛くなります。=中略=この世は因果応報なのでしょうか?どのような心構えで私はこれから生きていけば良いのでしょうか?

何も悪いことなどせず真面目に生きている人でも、時として思いもよらぬ出来事が降りかかります。いじめや不慮の事故、虐待などで幼い命を失う子どもたち、それを前世からの因果応報だと言うには、あまりにもつらすぎます。わたしたちはどのような気持ちで日々暮らしていけばよいのでしょうか。


小さな積み重ねが人生を変えてゆく

「なんでこんな目にあったのか。私が悪かったからなのか、悪い因縁があるのか」そんなことはありません。=中略= 優しい気持ちになれたら心が豊かになりませんか。微笑みが浮かびませんか。小さな積み重ねがその人の人生を変えていくのです=中略=現代社会は努力すれば必ず報われるというような良い世界ではありません。=中略=悪いところを嘆くよりも得意分野で活躍してください。(浄得寺 釋聡覺)

こちらのお坊さんは、たぬきさんが職場で味わった経験は必ずしも前世で悪い因縁があったわけではないとおっしゃります。それよりも、たぬきさんのよいところやすばらしいところに目を向け、心豊かに生きるようアドバイスをしてくださいました。そういう積み重ねが運勢を好転させていくのかもしれませんね。


できるだけ日々をよいものにする

せな人生を送っても最後の最後に不幸になるひともいますし、不幸な人生でも最後は穏やかな死を迎える人もいます。なにが大事かというと「因果応報である」と信じてできるだけ良いことを行うことです。

(不悪口院 恵成)

いずれにしても、悪行を慎み、善き行いしっかりと努め励み、善き業をしっかりと積んでおく因縁を調えておければ、必ず悟り・涅槃へと向かうことができていけるということになります。

(岩瀧山往生院六萬 川口英俊)

この世の中、因果応報が起きるのは間違いないようです。けれど、生きている限り最後までなにが起きるかはわからないのも事実です。だからこそ日々をよいものにしようとする前向きな努力が必要だとお坊さんたちはおっしゃっていますよ。現世でいいことをしていたら、来世では絶対にいいことが起こる。そう信じる未来は、とても明るく前向きな気持ちにさせてくれます。


相談者たぬきさんのお気持ちは

今まで辛い思いをして、大きな挫折も味わってきましたが、きっと何か大きな力で私は生かされているのかもしれません。この辛い経験は因果の「果」ではなく「因」の面もあるはずです。将来、この経験をきっかけに良い「果」を実らせたいと思います。


元の問答:この世は因果応報なのでしょうか


今回、お坊さんたちから因果応報のお話を聞くことができました。わたしたちは生きている限り毎日いろんなことが起きます。中には、どんなに苦しくてつらいことがあっても、それをきっかけに人生を前向きに立て直す人もいます。お坊さんがおっしゃるように、日頃から悪いことは慎み、よいことを励む、よい縁を調えることが大切ですね。そして、今生きているわたしたちが常に幸せな気持ちでいることが一番大事なのだと気づかされました。ありがとうございました。

文・hasunoha編集部
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