hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる
11924views

仏像大好き芸人みほとけの「おぼうさんずラブ」vol.11なごみ庵・平本優眞さん

お久しぶりです、みほとけです。

昨今のご時世でなかなか遠征し対面取材をするのも憚られるな、ということでかなりご無沙汰となりました。

しかし、今回から私の近隣のお寺で換気やソーシャルディスタンスに十分配慮した状態で、取材をさせていただけました!

ありがたいなぁ〜慈悲深ぇ〜
(浅井企画の先輩お坊さん芸人ドドん石田さんの口癖です)

今回訪れたお寺「なごみ庵」は 神奈川県の東白楽駅から徒歩1分の場所にあります。

そう、ここが「なごみ庵」

外見は全くもって住宅です。

こちらは13年前からお寺の活動を開始して、令和元年5月3日「令和で初めて宗教法人に認可されたお寺」です。住職の浦上哲也さんがゼロから作っている小さなお寺。(浦上さんも回答僧侶として長年活躍されています。)

なごみ庵の歴史はまだ始まったばかりです!

ということで今回のおぼうさんずラブで突撃するのは、浦上住職…ではなく

なごみ庵で新米僧侶として奮闘されているこのお方、平本優眞(ひらもと ゆうしん)さんです!!

回答僧侶ルーキーながら回答数が最近伸びていている平本さんに、白羽の矢が立ちました。

平本さんは、会社勤めをしていた自身の悩みと闘っている時に仏教に救われた経験から、在家(お寺生まれではない家庭)から僧侶になられた方です。

また、現在もお坊さん以外にお勤めしているところがある”兼業”のお坊さん。

そんな平本さんならではの仏教との向き合い方や自身の経験をたくさん伺ってきました!

 取材スタートです!

脱サラ僧侶・平本さん、仏教と出会い

み 早速ですが、僧侶でない家庭に生まれ、企業にお勤めだったのに僧侶になった経緯はなんなのでしょうか?

平 自動車整備工場で整備士として働いていた時に上司からパワハラを食らってしまい、そこから人生がちょっと転落して。そんな時に仏教に出会って救われたんです。

み まだお若く見えますが、壮絶なご経験があったんですね。

平 いや、年齢はもうすぐ34です。

み めちゃくちゃ若く見えますが!

平 そうですね…hasunohaの写真は特に若いときの写真なのと、坊主頭だった時は高校球児みたいで若いねってお婆さんに言われました

(確かにお若く見える…)

み 自動車整備というのはあの肉体を使っての?

平 やってました

み 意外です。働いている時にどうして仏教に出会ったんでしょうか?

平 悩んでいて、いろんな本を読んでて、その中で仏教のことが書いてある本に出会って。仏教は手を合わせて願いを叶えてくれる存在なのかなって思ってたけど、(その本を読むと)哲学的なことが書いてあって面白いなぁと思ったのがきっかけです。

み 単純に目先のご利益、とか、不思議な力、を説くのが仏教じゃない。

平 はい。そこから2500年前のお釈迦様の人生や教えを調べていき、その途中に臨床心理士をしているお坊さんとの出会いがありました。その人は仏教を説いているわけじゃないが、たまにピンポイントで仏教のことを教えてくれるのがいいなって響いちゃったんです。

み 響いちゃった!

平 (笑)

お坊さんになるためのハードル

み とは言え”得度する”(お坊さんになる)って大きなハードルだと思うんです。その大きな一歩を踏み出した理由はなんですか?

平 なんも考えてなかったんですよね

み ええww

平 (仏教の教えを知って)悩んでいた自分の肩の荷がすっと降りたんです。それまでのお坊さんは世間の”葬式してる”ってイメージだったから驚きました。 そこで自分自身がお坊さんになったらどう変わるのかなって軽い感じで…

み 軽い感じで!

平 いや、当時は真剣だったんですけど。今となっては、ね。 そこでなごみ庵を開いた浦上住職とのご縁があり、自分と一緒で一般家庭出身だったことも重なってここでお世話になったんです。

意外にハードルを軽々と超えた平本さん、お坊さんになり6月で丸2年を迎えました。

パワハラによる悩み・肩の荷がおりるまで

み ”仏教で肩の荷が降りた”っていうのはどういう体験なんですか?

平 僕は理想の自分とのギャップがあって。さらに仕事に挫折して心が折れていたんです。でも、仏さまの言葉を学んで実践してみて。もちろん最初は理解できなかったけど、なんとなくわかったときに楽になれたんです。 今の自分でいいんだって、あるがままでいいんだって自己受容ができました。

み なるほど!だからhasunohaの回答も”あるがままの自分を”というメッセージが多いように思います!

平 回答スタイルは臨床心理士のお坊さんの答え方を参考に、自分の経験をもとにこうしたらいいんじゃないかなっていう

”兼業”僧侶のお仕事とは

み 僧侶になって2年。僧侶じゃない仕事は何をしてるんですか?

平 (実はコロナ禍で仕事が激減しているのですが)それまでは霊園で管理の仕事をしていました。

み 霊園!

平 霊園の職員ですね。頼まれればたまにお経をあげますけど、職員です。

み そのお仕事中も僧侶になってから働き方や心境に変化はあるんですか?

平 心境は変わらない。むしろ考えることは増えましたね。 どうお坊さんとして生きていくのか、考えることが楽しかったりします。

み まだまだ模索中なんですね

平 一番はお悩み相談でお仕事ができたら、と思いますけど、なかなか難しいですよね。悩みは尽きませんが、前向きに考えることが多くなったようです。

お坊さんをしていない時もお坊さんの考えは影響している?

み 霊園の仕事中や、お仕事がない時でも、仏教の勉強が活きている時はあるんですか?

平 どんな仕事中も修行してる感じでやってます。心を落ち着かせるための修行ですね。側から見たらただの職員なんですけど。掃除とか、なんもない時とかお坊さんの気持ちでやってます。 おかげで心が落ち着いていると思うんです。

み 素人にとって修行って特別なことをしているってイメージがあるんですが、仕事しながらの修行ってなんですか?

平 今この瞬間に集中すること。できるだけ雑念が湧いたらポンと横に置いて。今やってることに集中、集中する。 意外と考えちゃったりしてできないんですけどね。

み 難しいですよね。

平 すごい難しいです。

だって誰も判定してくれないし、雑念湧いてないなって実態のない物を見るというか、う〜ん…唸っていた私に一言

平 たまに集中すごいしてるなって時があるので、それでいいのかなって思いますよ。自分すごく引きずっちゃうタイプなので、それがスパッと切れるようになってきて、それがいいんじゃないかなって。

考えすぎなくていいようです。

回答にも〈今に集中しましょう〉のアドバイスが多くみられる平本さんから、実践方法アドバイスをいただきました。

平 集中したい時は呼吸や体の感覚に意識を集中させます。

み 瞑想に近いんでしょうか?

平 そうですね。

み お掃除瞑想ですね。

平 そうですね。(苦笑い)

み この今に集中するっていうのは現代社会に仏教が活きてくることですよね。

平 何をするにもいいのかと思います。自分のパフォーマンスが良くなるんです。自分を客観的に見ることができ、悩みも考え事も、分析ができたり… 自分自身が試している実践段階だからなんとも言えないですけど、そうなんじゃないかなって。

人生相談をしたくてhasunohaに登録

平 なごみ庵で人生相談したいと思ってたんです。hasunohaで相談してくれた人からTwitterでDMが来て、個人的に追って相談をしてくれたのは嬉しかったですよ。

み 難しいことはありますか?

平 なかなか、理解してくれる人半分、全く伝わらないこと半分。うまく伝わって欲しいなってことに精神を向けていますが、なかなか難しいです。

み 頻繁の回答もそのうまく伝えるための鍛錬?

平 そうですね。このままやっていけば、ある時いい返事が頻発してくるのかなってことを願って。

み まさに実践している感じですね

平 そこから広がっていくのかなって

み やはりリアクションはみます?

平 見ます見ます!!無反応な人は気分を悪くしたのかなって思うんですが、大きく怒られたことはないですね。怒らせないように結構気をつけています。一回イメージを悪くしちゃうと変にそれが広まるとややこしくなるかなって。

み 慎重ですね

平 今は件数が少ないから一つ一つは丁寧にやっていきたいなって。

回答の文言から丁寧さかが伝わってきます。喋っていても伝わります。

お坊さんになって思う、新鮮な気持ち。これから。

み 僧侶になってよかったなって思うことは?

平 たくさんあって選べないですね。自分がお経読んだことに対して喜んでくれるっていうのは嬉しいです。お経と法話と、うまくいくと嬉しいし、ハスノハでも喜んでくれると嬉しい。霊園で働くときに、後に悩みを引きずらなくなったというのもそうですね。 もっとうまくできるんじゃって思うけど。

み シンプルでフレッシュですね

そんな平本さんのこれからの展望を伺いました!

平 多分このまま60歳までは普通の仕事しながら修行をする形になると思う。今の段階から少しずつ幅広くいろんなことに挑戦していきたい。一番の理想は住職のようにお寺を持てたらいいですけど。このなごみ庵を少しでも大きくできたらいいなと思う

平 すぐに人助けができるような人ではない。 今の自分だと、時間をかけながら、かなぁ

み あと30年、修行ですね

ははは〜・・・と、笑い合った私たちですが

み 平本さんのように会社でうまくいかなかったり、パワハラで悩んでいる人がたくさんいると思います。そんな方にメッセージをください!

平 悩んでいる時って、魔法のように悩み自体を解決して欲しいって思っちゃうんですけど段階を踏んでいかないと解決につながらないです。

平 例えば散らかった部屋で物をなくした状態、が悩んでる状態だとした場合。悩んでる人ってなくしものを探し始めちゃうんですが、その時っていったん部屋を掃除しないとなくしものは見つからない。

平 その部屋を掃除すると物がみつかるように、心が落ち着くと悩んでいたことに気づき、自然と自分で答えを見つけられるはずだと思うんです。

平 お坊さんが魔法の言葉で解決してくれるんじゃなくて、自分自身で実践していくと意外と答えが導かれる、ということを知って欲しい。

平 どうしても魔法のように解決して欲しいって人が多いですね。自分自身もそうだったんで良くわかるんですけど。

平 悩みが解けたときに「こんなことで悩んでたの」って思うと思いますよ。

(少し長いですが、ノーカットで全て伝えさせていただきました。届け!悩める人へ!)

み その実践方法は、詳しくは平本さんに聞けばいい?     

平 そうですねw。一番は今この瞬間に集中するってことが大事ですかね。もっと詳しくは…その人によって状況も違ってくると思うので、相談してもらえたら…

最後、ハスノハ読者様へメッセージを!

平 いろいろあるかもしれないですけど、心を落ち着けましょう

そんな感じですかね…と照れたように言う平本さん。

もうなんて暖かい人なんだと、心がとろけるようなみほとけでした。

令和のルーキー僧侶、平本さんの実直で堅実な姿勢は、すごく信頼できる人なんだなと感じました。

まだまだこれから発展する、少年漫画の1巻を読んでいるかのような気持ちになりました。

僧侶版ルフィのような平本さんのこれからを見守らせてくださいませ。


読んでくれてありがとうございました。なむ〜

みほとけ


なごみ庵(なごみあん)浄土真宗単立
小さな新しいお寺、いわばお寺のタマゴです。敷居の低さが自慢です。
平本優眞さんのプロフィールと問答一覧

文・hasunoha編集部
みほとけ

慶應義塾大学看護医療学部出身、2016年度ミス鎌倉。2015年よりアイドルグループに加入。フリーアナウンサーも務める。

鎌倉出身で小さい頃より仏像やお寺が好きで、好きすぎるあまり自らを「みほとけ」と名乗る。仏ものまね、お坊さんに聞いてみた、お寺に足繁く通う、などの模様をSNSで好きを全身全霊で発信している。

2019年からアイドルから芸人に転身。仏像大好き芸人みほとけとして活躍中。

この記事を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine