不倫したくせに幸せに暮らす友人。正直者は馬鹿を見ます。因果応報や自業自得はあるの？

まじめに恋愛しているのに恋が実らなかったnanaさん。一方で不倫を繰り返した末に幸せな結婚を手に入れた友人。因果応報と言うと、一般的に「悪い行いをすれば、悪い結果が現れる」と信じられていますね。過ちをおかせば不幸になるという思いは少なからず誰もがもつ感情だと思います。しかし、この世の中では、真面目に生きながらも損をしてしまう人や、悪い行いをしても平然と暮らしている人がいるのも事実です。本当にすべての人に因果応報は起きるのでしょうか。

30代女性からの相談です。

不倫をした友人には因果応報は起きるのでしょうか

独身時代、不倫を繰り返していた友人。二人共、大手企業の真面目な男性と適齢期に結婚をしました。不倫は悪い行いと信じ、彼女達の行く末を心配しておりましたが、幸せになった友人を身近で見て、自業自得や因果応報の言葉にも疑問を感じてしまいます。因果応報に対してお坊さんのご意見を伺いたいです。

自身の恋を実らすことができなかったnanaさん。その一方、不倫をしていた友人たちが、簡単に幸せな結婚を手に入れたことでモヤモヤとした複雑な気持ちを抱いてしまったようです。不倫をした罰として友人たちに因果応報は本当に起きるのでしょうか。お坊さんたちにお話を伺ってみました。

善悪の報いには、三時の業報（さんじのごうぽう）ってのがあるんだよ

善行、悪行の報いについては、その報いを受ける時から言って、三種あります。
【一つには順現報受（じゅんげんほうじゅ）】
善悪の報いを今生きる時に受けます。
【二つには順次生受（じゅんじほうじゅ）】
現在受けなくとも善悪の報いを次に生まれた時に受けます。
【三つには順後次受（じゅんごじじゅ）】
順次で受けなくても善悪の報いは次の次で受けます。
（金粟院　山口秀徹）

こちらのお坊さんは、よいことも悪いこともそれらの報いは３つの時のどこかに現れるといいます。仏教の世界では、人はこの世で終わりでなく、死んだらあの世で生まれ、またこの世に生まれるとされておりますね。輪廻転生です。つまり、よいことや悪いことの報いは、たとえ現世で起きなくても、決して消えることはなく、生まれかわった時に起きるかもしれないということになりますね。

因果は縁（条件）によって変化します

仏教では果から因を見つめます。=中略=その間に生じる様々な縁（条件）によって果は如何様にも変わるものです。=中略=我々にできることは、望む果に向けて因を作り、できるかぎり縁をととのえていくことなのでしょう。
（法覚寺　吉武文法）　

こちらのお坊さんは、よいことをしたらよい結果が。悪いことをしたら悪い結果が。と単純に言えるものではないとおっしゃっています。たしかに、同じことをしても人によって結果が異なるのは、それぞれの環境や条件が違うからなのかもしれません。わたしたちにできることは、よい結果を得るために環境を整えていくことが大事だと言うことですね。