それでも彼女は美しい。
はじめまして。
21歳の仮名、芭蕉と申します。
名の通りただいま、心が、揺れに揺れている状態です。どうか助言ください。
私には一つ下の彼女がいます。名前をお市としましょう。お市は非常に平穏な性分ですが、抑えるところは抑える。そんな、軸のしっかりとした女性です。
2年前の春、私はこのお市と出会いました。
このお市、出身は東北です。東北のお偉い家系に生まれ育ち、大学進学を機に東京へと出て来ました。彼女は同年代と比べるとひどく落ち着いており、また、知性のある女性です。
私が外国へ留学するときも、感情的になる様子は見せず、落ち着きの払った姿勢で見送ってくれたことを覚えています。
私が海外より帰国したのは、その1年後のこと。今より半年ほど前になります。
帰国時、お市は私との対面を、ひどく喜んでくれました。そして私もたいそう、幸せな気持ちでした。
それからと言うもの、私とお市の円満なお付き合いが続きます。
意見が食い違うこともあれど、お互い肩肘張らずに話し合いができる、良い関係でした。
本題はこれより。昨晩のことです。
寒さに冷えた夜、お市の肩に、小さな傷跡がありました。無数の、無数の傷跡がありました。ここ数日で出来たような傷跡ではございません。前に、もっと前にできたような傷跡です。
「これは、一体。」
私は尋ねました。
「カラスに引掻かれた。」
戯けるお市。
然しその表情からは、何かを悟られまいといった様子が伺えました。一体全体、どうしたものか。私は根気強く、尋ねます。
それから暫くの時間が経ちました。
お市は観念した様子で、重たい口を開きました。
「14、15の頃にお付き合いしていた男性に、剃刀で切られました。」
寒さに冷えた夜、私の心は芭蕉の葉のように、揺れに、揺れました。
私はこのお市と、どう向き合うことが正解なのだろうか。幼いころのお市が、知らぬ男性に剃刀で無数の傷跡を残されている様子が、脳裏によぎります。お市の言葉「男性にチカラで抗うことは出来ない」。未だ、耳に残っております。
悔しさの余り、こぶしを握り締めております。
「人は裸で生まれ、裸で死する。天命なれば、誰かを怨むところぞ。」
逆境に立たされた野口英世の言葉です。
私は、誰を怨めばよいのでしょう。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
あなたのなすべきことを
拝読させて頂きました。あなたのお気持ちもっともかとは思います。
が、しかしあなたがなすべきことはなんですか?
あなたが恨んだり憎んだり怒りに震えることではありません。
しっかりと彼女をつつみ大切に尊重することです。
あなたはあなたのなすべきことを冷静に考えて思いやりの心で彼女を大切になさってください。
あなたと彼女がこれからもお互い仲良く共にご成長なさって頂きます様にと切に願います。
どうか思いやりの心で共に幸せに生きてくださいね。
再び拝読させて頂きました。そうですね素直なお心で彼女への思いやりを傾けてくださいね。疑いや嫉妬は捨ててくださいね。
あなたと彼女の心からのお幸せを切にお祈り申し上げます。
質問者からのお礼
kousyo Kuuyo Azuma様。
ご回答、ありがとうございます。
拝読させて頂きました。
もっとも、彼女を大切にする気持ちが大事だと、否応無く思っております。
またその晩、これでもかと言うほどに、初心の恋心からいまの恋心について語り明かしました。
ただ、彼女の負った心の傷、また、実際の傷とどう向き合えば良いのか、それが分からずにいます。
一点の曇りのない愛で育める日を、待ち遠しく思っております。