物にも縁がある?
くだらない質問かも知れませんがよろしくお願いします。よく、人同士に縁のあるなしがあると聞きますが、「物」にもあてはまるでしょうか?私個人的に、自分の身の回りの物にそういった事をとても感じます。例えば、10年以上前に買った傘は、何度か電車等で忘れても手元に戻って来て今も愛用してたり、財布や腕時計等は友達から本当に物持ちがいいね、と言われる程長く使ってます。その反面、気に入ってお給料貯めて買った物にも関わらず、すぐに無くしてしまったり思った程使い勝手が良くなく、結局オークションサイトなんかで売ったり。。ちなみに昨年末、店頭で見て一目で気に入ったバッグがあり、主人がプレゼントしてくれたのですが、直後にもっと気に入った物を某フリマアプリで見つけてしまって、その途端そのバッグが急に色褪せてみえてしまい。。ワガママなのは承知ですが、この場合、やはりそのバッグとは縁がなかったという事でしょうか?お坊さまのご意見が聞きたく質問させていただきました。
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もちろん!この世のすべてに縁があります。
縁というのは、この世のすべての森羅万象に関わるものです。
たとえば包丁。包丁は、まず材料となる鉄が生成され、鍛冶職によって作られ、市場に出回り、誰かに購入され、食材を切り、人の口に入って命を育みます。
砂鉄や鉄鉱石のような、因となる自然物が人間に出会うのも縁。
火の熱によって製鉄されるのも縁。
鍛冶職人に出会い、鍛えられて形を作るのも縁。
市場に出回り、持ち主に出会うのも縁。
そして、持ち主に使用されて食材を切り、命を育むという果に至るのです。
川底に沈んでいた砂鉄や、土砂に埋まっていた鉄鉱石が、縁によって回り回って私たちを生かす。この大いなる生命の関わりが「縁」なのです。
そして、不思議なことに、縁というのは求めればつながりやすくなります。
幸せを求めて良いことを行って生きていれば、良縁がつながり良き人と出会えます。
自堕落に生きれば、悪縁がつながり周りにはろくでもない人間ばかり集まります。
そして、その縁に合った行いを続けていれば、縁の糸が幾重にもなり、より強い縁となっていきます。
同じように、物との縁も、求める物によって強くつながっていくのです。
日本では、「九十九神」という不思議な信仰があります。
何年も、大切に使った物には魂が宿るというものです。
それは、おそらくこうした縁によって出会えた人と物とが、愛着をもってつながっていくと、より強いつながりになっていったことを昔の日本人は「魂が宿った」と表現したのでしょう。
強く求めて、それに準じて行動すれば、縁はつながります。
そして、つながった縁は、強く思い続けることで重なり、強くなっていきます。
縁というのは、他力のものではなく、自分が求めて初めて得られるものかもしれません。
つまり、あなたがバッグと縁が無かった・・・というのは
縁がつながったあと、相性が悪かったためにあなたがその縁を切ってしまったのかもしれませんね。
けれど、それによってもっといいバッグとの出会いがあるかもしれません!
もし、最良のバッグと出会えたら、その縁を大切に、九十九神が憑くくらい大切にしてくださいね。
質問者からのお礼
とても深く、わかりやすい良いお話をありがとうございますm(__)m人も物も、自分の周りにいてくれる存在をこれから今まで以上に大切にしていきたいと思いました。貴重なお話に本当に感謝しています。
ありがとうございました。