身体の性別との折り合いの付け方
はじめまして。
戸籍上は女で、女でも男でもない性別を自認しているものです。
生理が重いため飲んでいたピルを、副作用などの関係でやめました。
休薬期間がないものを処方して頂いていたため、ピルを飲んでいる間は生理がこなく、自分が女の身体をしていることを少しは忘れて(着替えの時は思い出したりしますが…)生活していたのですが、ピルをやめるとなった途端、自分の身体が女であること、それがいやでいやで仕方がないことを強く思い出してしまいました。
女性特有の身体的特徴(胸の膨らみや体の丸み)は、隠したり、筋肉をつけたりで対策をとっているのですが、臓器まではどうにも…
まだ二十代前半ですので、これからしばらく生理があります、それも毎月。それが終わってももしかすると、更年期の症状などで自分の身体の性別を思い出すかもしれません。
こんなことを言ってはいけないのはわかっていますが、女性特有の臓器を摘出したいというのが本音です。ですが、現在女でも男でもない性別というのは法律に存在しません。いまのところは手術もできません。
ジェンダークリニックも近場にありませんし、中々遠くまで通うというのが他の持病もあり難しいです。ホルモン治療も考えましたが、男にもなりたくはありません。
自分の身体が女なのだと思い出してしまうと、どうしようもなく涙が出ます。
長くなってしまいましたが、自分の中にある女性特有の臓器、ついでに身体的特徴との付き合い方をどうしていったらいいか、というのが質問です。
自分と違う身体の性別と、上手に折り合いをつけていきたいです。
長い文を読んでいただきありがとうございました。
ご回答、何卒よろしくお願いします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
仲間と繋がっていきませんか。同じ立場だから見えるものもある。
Xジェンダーということなのかな。
そうね〜女性特有の身体への変化までは、なかなか自分でコントロール出来ない苦しさがあるわね。ピルの服用も、生理の周期を変えれても、身体への負担はあるわね。
周りには、気づかれないことでも、自分の身体に拒絶してしまう感じかしら。
苦しいよねぇ。
以前にバリバラというNHKの番組で、Xジェンダーの存在を知りました。
受け入れるまでの葛藤や、どのように 性とバランスをとればいいのか、どうわかってもらえばいいのかなど、当事者同士が悩みを打ち明けている内容でした。
あなたと同じ立場の人だからこそ、このように乗り越えているという経験をお持ちかもしれません。
一度調べてみませんか。
同じ仲間を見つけていくのも、きっと心強いと思うわ。折り合いの付け方も、皆さん いろんな考えや想いがおありだと思います。
そんな仲間と繋がっていきませんか。
あなたは、ひとりじゃないのですから。
涙が出るなんて、、、
難しい問題ですねえ。
何かあったのかな?とも思いましたが、
お答えするなら、どうしたものでしょうねえ。
性別も、例えば顔の美醜のようなもので、天から与えられたものですもんね。
維摩経にこんな話があったなあ。
天女と舎利子(しゃりし)というお坊さんがやりとりしています。
舎利子「あなたはなぜそんな悩みの多い女の姿なんかでいるのですか?」
この時、天女は神通力で舎利子を女の姿に変えてしまいます。
天女「あなたはなぜそんな悩みの多い女の姿なんかでいるのですか?」
舎利子「何が起こったんだ!?私の知らない間に女の姿になってしまった!」
天女「私もあなたと同じです。自分の知らないうちにこの姿になったんです。私が選んだんじゃありませんよ。」
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「自分の中にある女性特有の臓器、ついでに身体的特徴との付き合い方をどうしていったらいいか」
つまり、「女性的特徴」とどう折り合いをつけていくかというご質問でしたね。
真正面からお答えするなら、そこをマークする自分をどうするか。
物事や悩みってマークすればするほど、そのことって際立ってくるんですよねえ。
だから、気にしないっていうのが、正解、ゴールだとしたら、
仏教って、どうやってそのゴールに行くかという教えなんですよね、結局。
‥‥性別は偶然が決め、
顔の美醜は実は「他人」が決めます。
では「女」であることは誰が決めるのか。
「女性特有の臓器、特徴」という「名前」の指すものを「女」と決めたのは、
「大勢の他人」です。
あなたがもし人類で最後の1人なら、男女を気にするでしょうか?
ちょっとトリッキーな回答で恐縮ですが、時にこのことを思ってみてください。
効果があったら教えてくださいね。
追記
お返事読みました。人から女と見られるのが辛いんですね。
そりゃそうですよね。
わかってあげられてなくてごめんなさい。
そっかそれは辛いなあ。
早く世の中の性別とジェンダーの違いへの理解が進み、
さらにあなたが手術を受けられる日が来ればいいですね。
うまい折り合いの付け方は、トリッキーなものしか僕は思いつけませんでした。
もっと考えてみますね。
自分に問い直してみましょう
女性であることから逃れたいのですね。よくある悩みです。
よく考えて下さい。女性を逃れたいのか、男になりたいのかということです。現代社会では女性には多くの足かせがあります。それに耐えきれないのでしょう。はやくこの体と離れたい。できることならすっぱりと手術してしまいましょう。
けれども、男性社会も辛いことばかりですよ。男になったからといっていいことばかりではありません。男になりたいわけではないということなので、女性の呪縛から離れたいということなのだと理解します。
なので、どちらでもないという選択をする方がよくあります。現在はそういうことも許されてて、私どももそういう方々の支援も行っています。
けれども、社会生活上はどちらかを求められます。それを無くすために努力はしているのですが、なかなかハードルは高いです。
男になる決断をするか。現在はハードルはありますが可能になっています。そこまで踏み切れるならしてください。私は男から女になって、悔いはありません。本来の自分を取り戻せて幸せです。
それはできない、単に女性の呪縛から離れたいだけなら、ほかの方法はあります。戸籍はそのままに、性別を超越した生き方をする。
そもそも仏さまは性別を超越した存在です。観音様が象徴するように、男でも女でもありません。そういう生活ができるようになるまでは障害もありますけどね。仏教では認めています。
性善寺にはそういう方も来られます。みんなと話しているうちに気持ちがほぐれてくることもあります。仏さまに身を預けて、自分らしい生き方を探してみましょうね。
もう一度、自分がどうなのかを問い直してから決断してくださいね。
質問者からのお礼
中田さま
回答してくださり、ありがとうございます。繋がってみないかとのお言葉には確かに、と思いました。わたしにとって新しいコミュニティにはいっていくということは、とても体力がいる行為なのですが、とりあえず同じ性別の人たちと繋がれるようSNSのアカウントをつくってみました。地元にもそういった交流がないかなど、調べてみます。ありがとうございました。
沙門さま
回答してくださり、ありがとうございます。大勢の他人がいない想定が、うまくできませんでした。想定をしても現実には大勢の他人がいますし、大勢の他人に女だと決められているのがくるしいです。せっかく答えてくださったのに、うまく噛み砕けずにすみません。いつか飲み込めるときのため、時々思い出してみます。ありがとうございました。
柴谷さま
回答ありがとうございます。私は女性から逃れたいわけではなく、女性でも男性でもない性別を自認しているのです(Xジェンダーと呼ばれているものです)。女性でも男性でもないのが私で、そのうえで自分の性別と違う身体に悩んでいます。こちらの説明不足でした、すみません。
沙門さま
追記、ありがとうございます。
そう言っていただけるだけで、少し救われます。たくさん考えてくださり、ありがとうございました。
すみません。柴谷さまに回答を頂いてからずっと悩んでいました。
自分は女をやめたいだけの女なのか、Xジェンダーなんて自分の気のせいなのか、男女のどちらかに自分を当てはめないといけないのか。
やはり私は元から、男でも女でもありません。女をやめたくてXジェンダーを名乗っているわけではありません。男になりたくてXジェンダーを名乗っているわけではありません。
身体の性別が女性のXジェンダーを「女性の呪縛から逃れたい」と理解するのは、その人を否定しているのと同じことだと思います。
私はひどく傷つきました。質問なんてしなければ否定されることもなかったと思いました。
でも、理解がない方からの回答で、自分が何なのか考えることもできました。
私は男でも女でもありません。他人から何を言われてもそれは変わりません。理解されないのは苦しいですが、今の時代では仕方がないことです。それでいいんだと思います。勉強になりました。本当にありがとうございました。