大切な人との関係を長く保つために
すごく好きだった人の、ある一部分を見たときに、モヤモヤしてしまったことがありました。相手に対してモヤモヤしてしまった事実も、自分がそんなふうに感じてしまったことも、なんだか悲しくてやるせない気持ちでした。
そんな時にある2人の言葉を思い出して、自分なりに気づきがあったので、意見を頂きたいです。
高倉健さんは言いました。「人に裏切られたことなどない。自分が誤解していただけだ。」
芦田愛菜ちゃんは言いました。「その人が裏切ったとか、そういうわけではなくて、その人の見えてなかった部分が見えただけ。」
信頼や期待というのは、とても難しいです。2人の意見に対して、確かにそうだと思う一方で、理解できても「裏切られた」と感じて傷つくことはあります。
でも、そんな時、「信じた自分に後悔はある?」と自分に優しく問えたら、心が少し軽くなるのかもしれません。
あとは、大好きだった人の嫌な部分が見えたときは「その人に大きなストレスがかかっているサイン」なのかもしれない、とも思いました。
だから「信じたのに」と嘆くより、そのストレスの原因や、どうしたら軽減できるかを考えるほうが良い気がします。
どんなに優しい人でも、余裕がないときはあります。そんな時、人は少しだけ性格が悪くなるものです。
相手に余裕が戻る環境を整えることが、関係性の鍵になるのかもしれません。そして、自分もまた相手から得た信頼や期待を裏切らないよう、傷つけないように気をつけたい。それがきっと、大切な人を大切に扱うということなのだと思います。
私はこのように考えたのですが、こういう時の心の持ち方や、傷ついた気持ちとの向き合い方はどう捉えれば良いでしょうか。
お坊さんからの回答 2件
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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期待とのズレが心を刺しただけ
あなたが挙げられた高倉健さんや芦田愛菜さんの言葉は、まさに「期待」と「現実」の間に生じる心の揺れを和らげる視点だと思います。そこに仏教の智慧を加えると、さらに心の持ち方が整理されるかもしれません。
1. 傷つきの正体を見極める
仏教では、苦しみは「自分の心がどう受け取ったか」によって生まれると説きます。
相手の言動そのものが苦を作るのではなく、「こうあってほしい」という期待が裏切られたときに苦が生まれるのです。
ですから、モヤモヤは「裏切り」ではなく、自分の中にあった期待や理想と現実のズレを映す鏡と捉えることができます。
2. 相手の影を見たときの心構え
人には「光」と「影」があり、状況や余裕によって表に出る部分が変わります。優しい人でも、疲れやストレスが溜まれば影の面が現れます。
仏教では「一切皆苦(いっさいかいく)」の教えがあり、人生も人の性格も常に変化し、完全に理想通りにはいかないと知ることで、過度な失望から心を守ることができます。
3. 信じた自分を肯定する
「信じた自分に後悔はある?」と自分に問うのは、慈悲の実践です。信じることは弱さではなく、あなたが相手に心を開いた証。
その信頼が結果的に揺らいだとしても、その時の自分は精一杯の愛情を示したのですから、自分を責める必要はありません。
4. 実践的な向き合い方
・呼吸を使う:モヤモヤを感じたら、深く吐き、ゆっくり吸う呼吸を3回繰り返すことで感情の嵐をやわらげる。
・境界線を持つ:「相手の影は相手のもの、私の価値とは別物」と意識的に線を引く。
・小さな善意を返す:相手の余裕を取り戻す環境づくりを、無理のない範囲で行う。
まとめ
裏切りと感じる瞬間は、期待とのズレが心を刺しただけ。
それを「裏切り」ではなく「相手の一面が見えた」と置き換え、自分が信じた行為を否定せず、必要なら距離を取りながら関係を整える。これが心を軽く保つ道です。
合掌
ゆとりて慈しみを
拝読させて頂きました。
その方々のお考えもとても素晴らしいと思います。そのような視点を持って生きることできるならば随分生き方も変わっていくと思います。参考になりますよね。
そのように受け止めていくためには先ず自分自身の心にゆとりがあることや慈しみの心を持つことがとても必要かと思います。
私達は日々あわただしい生活の中で生きていますからついつい自分自身のことを優先してしまいますし、心も時間も余裕がなくなると自分勝手なことを考えて周りの人達やものごとが見えなくなってしまいます。或いは自分勝手に都合よく考えて何でも自分のものと思い違いしてしまうこともあります。
そうすると周りの人達とのトラブルになってしまいます。信頼関係がいつの間にか裏切られたや取られたとなってしまい、怒り憎しみ恨み嫉み殺意にまでなってしまいますからね。ある意味世の中や世界はそんな自分勝手な思惑や我欲でうずまいています。
おっしゃるような考え方をもち、お互いのことを心から尊敬し尊重し合い誰に対しても思いやり、全てのにおいて分かち合いながら生きることできれば自分自身も周りも変わっていくでしょうし、本当に豊かに幸せを感じながら生きることできるでしょう。
やはり自分自身を見つめ直しながらゆとりを持って心おおらかに生きていきたいですね、そしていつも仏様を慈しみの心をもって生きていきましょう。
あなたがこれからの未来を心豊かに健やかに生きることできますように皆さんと来ないお互いを思いやり幸せを分かち合い与えられた人生を生き抜くことできますように心より仏様にお祈りさせて頂きます。至心合掌