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苦悩のない心になりたい

回答数回答 2
有り難し有り難し 24

初めて質問させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
目の前の事象を五感で感じるときに、そこに思考を挟むことで苦しみが生まれる、と聞きました。
目の前の物や出来事は変わらずそこにあるのに、私がそれをどのように受け止めて考えるかで、苦しみが生まれているのだと理解しています。
とはいっても、どうしても感情に左右されてしまう毎日。
心が穏やかになるような事象であれば何も問題はないのですが、不愉快に感じてしまうような出来事もあります。
そのたびに、批判めいた感情が生まれてきたり、そんなふうに思う自分が嫌になったり。
挙句には、いまのこの社会に身を置いていることすら、憂鬱に感じてしまいます。
座禅の心得で、浮かんでくる思考はそのままにして深く追いかけない、という話をききますが、座禅を続けていけば自分の思考を挟まないで物事を受け止めることができるようになるのでしょうか?
よいお智恵を授かりたく存じます。よろしくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

同じ気持ちでございます。

toscana様

釋慧心と申します。

お悩み拝見させて頂きました。
愚生も、日々、同じような苦悩を抱き抱えて、日暮しさせて頂いております。

私の信仰する宗派は、いわゆる修行というものも瞑想も行わない宗派でございます。
修行と言えば、念仏のみで御座いますので、
(厳密には、念仏も、行とは言いますが、修行とは捉えておりませんが、)
この度のお悩みには、アプローチが少々異なるかも知れませんこと、ご承知おき頂きたく存じます。

ご修行に励まれておられるご先達、ご出家様方の素晴らしさ、尊さは言うまでも御座いません。
お話までもせずとも、そのお姿を見ただけで、すれ違えただけで、まさに功徳を頂ける思いになることも御座います。
いや、現に頂けているのだと思います。

私達は突き詰めましたら、どうしても、どうしても事象を事象のままは受け止められません。

生も、老も、病も、死も、
ただの事象です。ですが、それらは、四大苦という苦です。

ただの事象が、私の身の上においては、苦に変わるのです。
私の都合に合わないものは、苦にしてしまうのが私達の姿です。

それを顕かにして頂きますのが、仏、つまり私の信仰で言いますところの阿弥陀如来の智慧です。

どこまでいっても事象をそのままに見ることの出来ない私は、苦しみから逃れることが出来ない。
阿弥陀仏という働きは、そのことを、あらかじめ見抜いていてくださり、
既に南無阿弥陀仏の、お名前に仕上がって頂いておいでです。

私の用事(修行)を取り上げてしまわれて、四十八通りのお手立てで、嘘だそんなもの、と逃ぐる私をどこまでも追わえて、終いには収め摂ってしまわれます。

どの仏様のお手立てにご縁を頂くかは、それぞれです。それぞれがそれぞれ同様に素晴らしいですし、
仏教以外の信仰ももちろん素晴らしいものも沢山あります。

要は、他の誰でもないこの私が、どの様な有り様で救いを「今」戴けるのかということかと思います。

共に探し続けましょう。
幸せですよね。その時間があること自体。

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浄土真宗本願寺派です。 有髪に非僧非俗、 肉食妻帯(現在は独身ですが)...
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あるがままを受け入れて

拝読させて頂きました。人は自分の有限な中でつながりの中で生きています。そして自分の感情にも左右されて生きています。今の自分のありようを受け入れていくことが心身ともに安定していくことです。自分をじっくりと見つめなおし、迷いや煩悩によって揺り動かされる存在であることをお心におとどめくださいね。おのずと安定してくるのではないでしょうか。

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おきもち

Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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質問者からのお礼

Kousyo Kuuyo Azuma様
丁寧なお答えをくださり、ありがとうございました。まずは、自分とは一体何なのか?深く見つめていく作業から、始めて行こうと思いました。

釋慧心様
丁寧なお答えを下さり、ありがとうございました。人は常に苦悩から逃れられないのですね。でも、仏教には救いの手を差し伸べてくださる仏様がいらっしゃる。今後も、仏教との縁をより深くしながら自分を見つめなおして行こうと思います。

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