お寺の中の神社
初めて質問をさせて頂きます。
寺院を参詣する際、境内にしばしば「お稲荷さん」「龍神さん」などの神様や「◯◯権現」といった、どちらともとれる参拝所があります。
いずれも鳥居が立っているので、二礼二拍手一礼の神式でお参りしておりましたが、お参りの作法として、これは正しいのでしょうか?
皆様の御見解などご教授頂ければ幸いです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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寺を鎮守するために祀られている神であり、仏法を守護する神です
こんにちは、曹洞宗の吉田俊英と申します。
寺院を参詣する際、境内にしばしば「お稲荷さん」「龍神さん」などの神様や「◯◯権現」、という記述を拝見して、丁寧な参詣を重ねておられると感じました。確かに、このような疑問を感じるのもやむを得ないことだと思います。
曹洞宗では、ご質問にあるような神様を「寺院を護持する鎮守様」として尊重し、毎月一日と十五日に鎮守諷経という読経行事を行っています。曹洞宗寺院に祀る鎮守の場合は、読経と合掌礼拝で良いと思います。
しかし、曹洞宗を含め仏教寺院に祀られる鎮守は多種多様であり、その来歴は結構多様です。
1、印度由来の神様のうちの天部 弁財天、大黒天、韋駄天
2、印度由来の神様のうちの明王部 不動明王、愛染明王
3、印度由来の神様のうちのその他の種類 龍王、金毘羅、鬼子母神
4、中国由来の神様 竈公、関帝、布袋、閻魔など十王
5、日本の伝統的な神社の神 伊勢、津島、熱田、香取、春日、出雲
6、日本の山岳の神 白山、愛宕、大山、秋葉、熊野 権現と呼ばれる鎮守がこれに該当
7、習合型 稲荷(日本的な穀物神「稲荷」と印度の神「ダキニ天」が習合した)
寺院に祀る鎮守に関しては、基本的には仏法の守護神ですから、仏教的な読経と礼拝で構いません。
むしろ、この方が宜しいと思います。敢えて「二礼二拍手一礼の神式でお参り」するとしたら、5番の神様の場合でしょう。
質問者からのお礼
吉田様
詳細な御解説を頂き、誠に有難う御座いました。長年モヤッとしていた部分がスッキリ致しました。
信心という点では、まだまだ不十分な当方ですが、少なくとも出来る限りの正しい作法で、お参りをしたいと思っておりました。
改めて御礼申し上げます。