同じ仏様でもお寺や宗派が違うと別人？
回答 1
有り難し 12同じ仏様でも、お寺や宗派が異なると別人なのでしょうか？
別人は極端かもしれませんが、それぞれのお寺や宗派によって、異なったご縁があるのでしょうか？
例えば浄土宗で開眼した阿弥陀様に、真言宗の阿弥陀様のご真言を唱える。
京都のお寺で願かけをして、かなった願いごとのお礼参りを、東京の同じ仏様が祀られているお寺で行う。
ご本尊と脇侍の仏様の開眼を別のお寺で行う。
どこかチグハグに感じてしまいます。
別人は極端でしょうが、そこはやはり分けて考えるべきでしょうか。
お坊様がたのご意見をうかがえたら幸いです。
物欲。ひたすら物欲。 余計な好奇心。
お坊さんからの回答 1件
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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日本から掘ってもアメリカから掘っても地球の核は一緒
はい、私から質問です。あなたはなぜ生きていますか？？？
お父さんお母さんが産んでくれたから？それもありますね。でもそれだけじゃない。お父さんお母さんはどうして生きていたか。あるいはあなたが今まで食べてきた食事はどのように食べ物になったか。あなたが吸った空気はどのように巡ってきたか。水は、人は、生き物は、家は、土地は、太陽は、星は、宇宙は…
世界は名前も顔も知らない存在の無数の繋がりによって動いています。その無数の繋がりの中で、私たちは生きています。
でもですね、自分のひいおじいさん・ひいおばあさんの名前すら8人全員言えないのに（言えないのは私だけじゃないハズ…）、今私が食べたレトルトカレーがどこの工場でどんな人に作られ、どこのどんな食材がどんな人生（？）だったかなんて知るよしもありません。そんなことはイチイチ気にしとられんのです。このレトルトカレーをあなたが食べなかったから、私が食べられたというのも一つのご縁です。んなこと言ってたらキリがないんです。
それでも、イチイチ認識できなくても、確かに一つ一つのご縁が寄り合って一つのレトルトカレーになっている…それは確実。そんな感じの言葉にしようがなく、描きようがない無限のご縁…無限の存在…それを象徴するのが仏です。世界の全てを象徴しているのです。
ホラ、仏さまのことをこう言うでしょう、如来って。如く来たる…そんな感じとしか言いようがない。
お坊さんはお仏像の向こう側にそんな感じの全宇宙のご縁を見ています。そんな感じの無限のご縁に感謝と敬意を持って掌を合わせます。
全宇宙だから、仏さまが一人二人と数えられない。逆に、一人二人と区別する心を取っ払って取っ払って、行き着くところが仏の性質なんです。あるいは私たちの本性と言っても良い。
ただし、同じ物を見ても条件次第で違って見えるということはありますね。さっき捨てたカレーの袋は４個パック甘口って書いてありますけど、裏返して見たらパウチのままで3〜5分と書いてあります。そんな感じで仏の何に着目するかとか、どこからどう見るかによって〇〇寺の阿弥陀さま、〇〇院の阿弥陀さまという違いもでてくるでしょう。
お仏像を通じて自分の見方をかんがみるのです。あるいは、そのお仏像にまつわる人々から私へと繋がるご縁に思いをはせる…そんな感じですかね。
質問者からのお礼
大慈 様
奇妙な質問にも関わらず、丁寧にお答えいただき、ありがとうございます。
私は菩提寺と遠方に住んでおり、お正月とお盆しか行けません（この時期、お寺様はたいて忙しい）。
それで、ご法事以外の依頼（仏様の開眼、普段のお参り等）が難しく、近所のお寺様にお願いしています。
しかし質問中に書きました通り、「ご縁というものがあるので、宗派やお寺が違う場合、仏様は全く同じと考えてはいけない」と忠告する人が居ましたので、そこがひっかかっておりました。
しかしご教示のおかげで、すっきりしました。
どうも私は視野狭窄で仏様を考えていたようです・・・
ありがとうございました。
