拝読いたしました。
私はあなたより年少でございます。
まさに、若僧の戯言、とでもお聞きください。

なぜ、歳を重ねると人は大人になるのでしょう？

それは、振り返ることのできる過去が積み重なっていくからです。
あなたがどれだけ薄い薄いと嘆いても、あなただけの39年があなたを作ってきたのです。
私の過去はあなたより10年少ないのですが、それでも消したい過去、取り戻したい時間、やり直したい選択で満ち溢れています。
私も、さらに10年を生きればもっともっと後悔をするのでしょうね。

しかし、それを認めなければ
あの時の迷走も、焦燥も、後悔も
それら全てが自分を作っている一部だと認めなければ、いつまでたっても反省できません。

大人とはなんでしょう。
私は「許せること」だと思います。
ですから、私がした失敗を、後悔を、迷走を、焦燥を思い出して、

「完璧な人間などいないのだ」と
人の失敗を許し、後悔を理解し、迷走を受け入れ、焦燥に共感する。
そのための深みを得るために自らの傷口を見つめ、時に掘り返す。
それでも許せぬ自分をまた自省する。
その繰り返しの中生きております。

掘り返され、反省されるために無為な過去の時間があったのだと思えるように
許したいと思える自分を作ったのはその過去だと確信できるように

そう日々を勤めることこそ、大人になる、ということなのではないでしょうか

けいじょう

冨松山 法照寺

日蓮宗の僧侶、啓誠（けいじょう）と申します。 修行に失敗し、一度は腐...

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