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稲荷信仰の宗教学民俗学的知見を求めてます

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有り難し有り難し 8

 最近、狐に呼ばれているような気がします。稲荷神社に参る必要性を感じているのですが、どこの稲荷神社に行けばよいのかわかりません。

 20歳の時に初めて参り強く心惹かれ、なんとなく購入してきた狐のぬいぐるみを会社に居る間ずっとお世話させていただいていた京都の伏見稲荷大社が筆頭ですが、子供の頃に毎日通っていた千駄木の満足稲荷、今は両親の離婚に伴い縁のない実父の家が代々氏子を務める根津の根津神社内の乙女稲荷、生まれた病院の隣の湯島の花姫稲荷にも縁があります。現実問題として現住所が東京であるため、伏見稲荷大社以外でも失礼にあたらないのであれば、そちらに参りたくもあります。

 また、昨年は自殺を考えるまで思い詰めたいた時期もあったのですが、その際に縁もゆかりもなかった女性に救われました。その方とは今は連絡が取れないのですが、不思議な人で、どうも今を思うと言動の節々や所作から、狐だったような気がしてなりません。ただ、この方は仏教系の荼枳尼天に近い気もしており、そうなると仏教系の豊川稲荷に行くべきかもしれません。

 祀るにあたってリスクがあると言われる稲荷神ではありますが、それだけに失礼のないよう調査しており、また、この機会に一生祀る覚悟もあります。そうでなくとも、召喚には応ずるべきですし、もしも本当に自殺の間際から救ってくださったのがお狐様であるなら、お礼は言うべきだと強く感じています。故に、気軽に選択できずにいろいろ調べている現状です。

 神仏には何かを求めるものではなく、あくまで個人の努力を応援してくださる存在として、私個人の思想と行動を中心に考えるべきということも重々承知しており、現実的な偶然を神秘的な問題と混同する危うさも理解しています。しかし、今回は、なんとなく重要な問題のような気がするので、心の問題というよりも、宗教学・民俗学的問題としての情報を求めています。

 稲荷神の分霊に関して、総本宮である伏見・豊川の祭神と、それ以外の全国の稲荷神社の祭神は、神道系仏教系の同カテゴリの稲荷であればそれぞれが等しくどこからでもアクセスできるのか、派遣され憑いてくださるという眷属に関してはどのようなシステムで運営されているのか、全国の稲荷神社に参拝して信心を納めても良いものなのか、宗教学・民俗学に詳しい方がおられましたら、回答もしくは書籍の紹介いただけると幸いです。

2023年5月22日 0:08

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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研究沼への入り口

満足稲荷神社、初見でしたので調べましたら京都にも同名のものが祀られているようですね。千駄木とのことでしたので懐かしくなって興味がわきました。学生時代の青春を過ごした思い出の場所です。あそこにそんなお稲荷さんがあったのですね。
私のお寺も創建の時点から現在まで430年の間お稲荷さんを祀っています。大変に複雑な因縁を持ったお稲荷さんなのでここではその全容をお伝えしきれないのが残念ですが、簡単に紹介しますと勧請元は京都伏見で本寺様を経由して当寺へ遷宮された神様です。
さて、ご希望の回答になるかわかりませんが、以下に。
ご考察の通り、お稲荷さんはどうやら一度祀り始めたら二度とやめる(返還する)ことのできない、永劫に渡って祀り続ける責任が生まれる神様のようですね。
それに稲荷勧請となれば、本来はその地に祠を設けて祀るスタイルになるはずですので、多分ご相談者様がお亡くなりになった後でも誰かがお世話をし続けなければならなくなるはず。このあたりは勧請前に十分に先方との相談を重ねて、最終の決断をなさってください。
ご相談内容最後の「アクセス」云々に関しては、お考えの通り全国何処からでも本宮や主祭神に繋がるものであるとご認識ください。例えそれが仏教系荼枳尼天であっても神道系稲荷五祭神であっても、古くは弘法大師の時代で両者のご縁は密接に繋がっております故、あまり強く隔たりをお考えいただかずとも大丈夫でしょう。
豊川稲荷の荼枳尼天はまた全く別のエピソードを持つ鎮守祭神なのですが、これは説明すると長くなるので割愛します。

他方、神使でありご眷属ともされている白狐の憑依の話ですが、これに関しては個人の感性や宗教観に大きく左右される部分なのでここでの言及は控えます。
大衆のなかで屋敷神の印象が強い狐の存在が厄災を連想させることも、独特な畏怖の象徴になっている要因であろうと考えられます。
御饌津神の音写が訛ってキツネとなったこと、鼠や害獣から備蓄した穀物をまもる動物として飼われていたのがキツネだったことなど、由来も様々です。

スピリチュアルな側面から書かれた書籍は山ほど巷に溢れていますが、学術的考察をされたものは中々見当たらないのが現状と私も思います。
Amazonで「日本の古社 伏見稲荷大社」とご検索ください。私が参考にした文献のひとつがまだ販売中のようです。ご参考までに…合掌。

2023年5月22日 10:14
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有り難し
おきもち

現代は実に「背負い込んでる」人が多いと思う。 別に自分が背負い込まなくて...
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質問者からのお礼

TAKIEN様、ありがとうございました。

生家のあった千駄木は寺町で、至る所に寺社仏閣がある街でした。お坊さんと話をすると、どこかしらで谷中根津千駄木のあたりで修行をされていた方も多く、今回ここに書き込んだこと、TAIKEN様にご回答いただいたことにも縁を感じております。誠にありがとうございました。

研究沼への入り口とありますが、もうとうに落ちている状況でして、趣味の域ではありますが、民俗学をはじめ様々な学問に取り組む人生を歩んでおります。稲荷信仰は身近であり、興味もありながら今まであまり触れてこなかった区分故、この機会に稲荷沼にも暖かく浸からせてもらおうと思います。

さて。なにより、すべての稲荷が繋がっているという説に安心を覚えました。どこに行くべきかで悩んでいたのですが、そうであれば全てにお礼を言いに行っても良いのですね。そこから稲荷信仰の沼に入ろうと思います。ご紹介いただいた本も読んでみたく思います。重ね重ね、ありがとうございました。

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