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両親の感覚のズレが厄介です。回答受付中

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有り難し有り難し 1

お世話になっております。
以前にも両親の事で相談をさせて頂きましたが、改めて助言を頂きたいです。

先日、母から父の事で愚痴を聞きました。
今回も本当に些細なきっかけで、母が父の問いかけに「うん」と返したが父が聞き取れず→再度父が問いかけ、母が「『うん』って言ってるよ」と返す→それを聞いた父が「聞こえとらんわ」と怒り気味に言い放った、以上です。
母は父のこの態度に対し、なぜ「自分が聞き取れなかった」事を棚に上げ、謝らないどころか逆ギレしてくるのか、と腹を立てているようでした。

母は私にも意見を求めてきましたが、私は「父は基本的に自分の非を認めない」と分かっている為、「そこに腹を立てても無意味では?」としか思えません。父の場合、「自分が聞き取れなかった=聞こえない言い方をした相手のせい」程度の感覚でしかないと思います。正直にそれを母に伝えましたが、「感覚の違いで片付けられていいものではない、向こうに都合良く思われるのは人として理不尽だ」と納得していない様子でした。

(これこそ感覚の違いかもしれませんが)私はそもそも「父のようなタイプを相手に、こちらが腹を立てる方がかえって馬鹿らしい」とすら思ってしまいます。もはや同じ土俵に立って争う事自体が労力の無駄遣いだと捉えてしまいます。
怒りを感じる時点で母自身も少なからず何らかの期待をしていたのではないのか(聞き取れなかった事に対して父が謝罪の意を示す等)と思いますが、そもそも初めからその期待を持たなければ済む話ではないのかと私は考えてしまいます。ただ、母の感覚だとこれは父に対して負けを認めるに等しく理不尽で腹が立つという事なのでしょうか。だとすれば、母にかかるストレスを軽減させるにはどうすれば良いのでしょうか。

私は他者に理不尽に扱われた際、苛立ちを示したり反撃したりはあまりしないタイプです。対抗する事自体がストレスになる為、むしろその場は黙ってスルーし、内心「こんなのを相手するほど馬鹿じゃない」と思い込む癖が付いています。悔しさや怒りを持たないようにする為のある種の防衛反応のようです。母の話を聞いていても、極論「その程度の考えしかできない人は相手にしなければいいだけでは?」としか浮かびません。

話を聞くだけでも母にとっては多少の発散にはなっているのでしょうか。具体的に私にできる事は何かあるのでしょうか。

2025年12月21日 23:58
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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

ご両親の不和は、あなたの責任ではありません。

はじめまして。僧侶の釋聴法と申します。
ご相談、心より拝読いたしました。大切に育ててくれた父母が争う姿を目の当たりにするのは、身を切られるような痛みでしょう。

仏教には「自灯明(じとうみょう)」という言葉があります。他人の心や行動を変えることは難しく、まずは自分自身の心の平安を灯火としなさい、という教えです。

まず心得ていただきたいのは、「両親の不和は、あなたの責任ではない」ということです。あなたは仲裁役として奔走するよりも、まずはご自身の心を守ることを最優先にしてください。

あなたが今できることは、「泥沼に足を踏み入れず、清らかな風を送る存在でいること」です。 父の頑固さも、母の怒りも、それぞれの執着が生んでいるものです。あなたがその渦中に飛び込んで正論を説いても、火に油を注ぎかねません。

父には「いつもありがとう」と一言添え、母には「お母さんの気持ちは分かっているよ」と、ただ静かに寄り添う。これだけで十分です。あなたが穏やかに自分の人生を歩む姿こそが、長期的には家庭に光をもたらす「慈悲」の形となります。

これまで、多くの家庭問題を見てきましたが、ご両親の口論や不和は「暴力」などの度を越えたものではないようです。もちろん、家庭円満に越したことはないのですが。あなたの負担が過度にならない範囲で、お母さんの愚痴を聞いて差し上げれば十分でしょう。あとは、お母さんと一緒に法話を聞いたり、神社仏閣を参拝するなどすれば、お二人のストレス解消に繋がると思います。


縁起寺 釋聴法

2025年12月22日 8:36
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有り難し
おきもち

真宗木辺派 縁起寺 衆徒 (僧侶/教師) 高等学校教師歴38年,現在は真宗木辺派僧侶
お悩みの相談は全般的に対応します。(不安や人間関係など) 元高等学校教員ですので、将来の進路に関する相談などにも対応いたします。 現在も非常勤講師を行っているため、少々対応にお時間をいただく場合もあります。 ◆職場や学校での人間関係がうまくいかない ◆ストレスや不安で日々の生活に支障がある ◆無気力で、人生の目標を見出せない ◆卒業後の進路を決める事ができない ◆別れた交際相手の事を忘れる事ができない ◆家庭不和で毎日の生活が辛い ◆家族や大切な人を亡くして心の整理がつかない ◆何事も悪い方向に捉えてしまい、自己嫌悪に陥っている ◆ついつい他人に辛くあたってしまい、後悔を繰り返す ◆毎日充実した日々を送れるように、仏教の勉強がしたい など、上記はこれまでの相談の例(ハスノハ以外を含む)です。

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