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兄を許せない

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有り難し有り難し 9

私には3つはなれた兄がいます。とても仲がよく、人にも自慢できるような立派な兄でした。
大学卒業後兄は遠くに就職し、私も実家から1時間ほどのところへ就職し一人暮らしを始めました。しばらくして、父も単身赴任になり実家には母1人という状況になってしまいました。
同じ頃、運悪く祖母が倒れ、祖父も後を追うように亡くなりました。書けばあっさりしたものですが、2年半ほどかかったと思います。祖母、祖父の介護、家に誰も支える人がいない事により母は少しずつ壊れてゆきました。私もなんとかせねば!と、毎週家に帰り母を支えようとしたのですが力不足でした。高校卒業後就職したので、その頃はまだ10代のひよっこ。鬱病により荒れる母をどうすることもできませんでした。病院も嫌がり、怒鳴り散らし、泣きわめく…心の病とはいえ今思い出しても地獄のような有様でした。それでも、私しか近くにいないため、毎週母を訪ねました。父は鬱病などは甘えてるだけだ!と言うような昭和の男だったため、相談もできず。ついに限界にきた私は兄に助けを求める電話をしました。心配かけまいと、最後の手段にとっておいたのです。
すると兄の口から衝撃の言葉を発せられたのです。「子供ができたからそれどころじゃない」
おめでたい事だとは思いますが、その頃兄は結婚しておらずいわゆるできちゃった婚です。兄を可愛がっていた母の病状は衝撃により更に悪化しました。
何度か母のことについて話し合いを求めましたが、兄は子供が産まれることや家族を持つことに手一杯で、こちらの言葉に耳を傾ける事なく酷い言葉ばかりはきました。頼るべき家族を全て失ったのです。
「私しかいないんだ」歯を食いしばり、母の暴言に耐え回復まで支え続けました。何年かして、母は落ち着いたもののあの時の事を覚えていません。病気だったので仕方ないでしょう。ただ、私にはあのときの地獄が今でも昨日の事のように思い出されます。そして、見捨てられた絶望から抜け出せずにいます。
母は「兄弟なのだから仲良くしてほしい」と言うものの、とてもそんな気になれず盆正月に兄が帰ってきてもここ数年私が避けてしまっている状態です。
数ヶ月前私の娘が亡くなった事により、兄はまた元の優しい兄のように親しく言葉をかけてきますが正直また裏切られるのでは?との思いから、信用できません。どうしたら、兄を許す事ができるでしょうか?


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

悪夢を見ていたのです。

お母様が2年半もの長きに渡って苦労を一人で背負ったためうつ病に罹り、あなたまで〈今思い出しても地獄のような有様〉の生活を過ごしたのですね。お辛かったでしょう・・・。
ワラにもすがる思いでお兄さん電話したところ「子供ができたからそれどころじゃない」 と言われ、絶望的な気持ちになったのでしょう。
あなたは生後5ヶ月の娘さんをなくされたようですが、その時、周りの人が困っていても「それどころじゃない!」と言いたかったのでは?。お兄さんが「子供ができたからそれどころじゃない」 といっていたのと同じではないでしょうか。
❝他人の不幸はいくらでも我慢できる❞と言われます。つまり、人間は本来自分の事しか考えられない存在です。仏教ではそれを❝我執・我愛❞と言います。
言い換えれば、人は誰でも辛くシンドイことが起こった時、他人の苦しさや辛さを思いやる心の余裕がなくなのるものです。
あなたもお母さんもお兄さんもそれぞれ自分が大変な時、苦しみの中で「それどころじゃない!」という思いではなかったでしょうか。
幸い、今はそれぞれ落ち着いて、精神的な余裕も出てきているように感じます。

【悪夢を見ていたのだ】と思うことは出来ませんか・・・。夢から覚めたら、また新しい人生の一歩を歩めるのではないでしょうか・・・。
十分なアドバイスではないかも知れませんが・・・。一緒に涙を流してくれた若いお坊さんのように相手の悲しみに「共感」できる人に成長して下さい。
優しいあなたはキットできるはずです。

【追伸】
あなたのご返事を読んで・・・。
「悪夢が頭から離れない」とのこと。当然かもしれませんね・・・。
時が経つのを待つしかないように思います。昔から❝日にち薬❞といいますから・・・。
さだまさし作詞作曲・山口百恵歌の『秋桜(コスモス)』に〈苦労はしても、笑い話に時が変えるよ、心配いらない〉というものがあります。是非味わって下さい。
それと、他者(お兄さんも含めて…)を恨まないで下さい。その心はあなたや子供さんご主人などに知らず知らずに「悪影響」を及ぼしストレスの原因にもなりかねません。
「許せない」という氷の心(鬼の心)を溶かして、「許します」という水の心(仏の心)に転じて下さい。仏教ではそれを❝転悪成善(テンマクジョウゼン)❞と言います。仏教の信仰とはそういう事です。

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有り難し
おきもち

質問者からのお礼

回答ありがとうございます。
兄もそれどころではなかったと思いますが、それと暴言は別の事のように思えてしまうのです…。なぜあのとき、助けを求めた私に鞭打つような言葉を吐いたのか…。辛かったとしてもどうしても「共感」することはできないのです。
自分の行動が招いた結果の八つ当たりを、関係の無い私にしたのですから。

悪夢をみていたのだと思えるようになりたいです。誰かを恨むような気持ちはもう捨ててしまいたいのに…悪夢が頭からはなれません。

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