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愛着の捨て方

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私には付き合ってもうすぐ三年になる恋人がおります。以前も彼女との関係についてここで質問をさせていただき、その際はとても救われた事を思い出していままた質問させていただいております。

今回の質問は、愛着の捨て方についてです。仏教の世界では愛着というのも未熟さからくる煩悩で捨てるべきものとされていると読みました。

私はいまの恋人がいればいい、彼女を幸せにする為にどんな努力もなんでもしようと思いこれまで頑張ってきたつもりです。しかし相手の都合で会うこともままならず、ただただ待っていてくれと繰り返し言われるのみでこれまでの時間を過ごしてしまいました。

気づけば自分の不安や不満、寂しさを相手にぶつけて幾度となく喧嘩を繰り返してきました。

他の人には向けることのない失望や不満の感情を恋人にだけ抱くというのはそれだけ特別な存在だからだと思っておりましたがその所為で相手を傷つけるのであれば私が幼い為がゆえだと感じております。

しかし生涯で唯一と思った生きる理由ともいうべき相手への愛着や感情を捨てる事がどうしてもできません。相手の為にも私自身の為にもどのように考え、行動すればいいのでしょうか?


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

感情とは、脳の分泌物

感情は脳という臓器の分泌物にすぎない、とでも思ってはどうでしょうか。
レモンや梅干しの味を思い浮かべたら、口の中に唾液が分泌されます。
愛情も、その唾液と同じしくみです。
何らかの刺激の入力に対して、心が喜怒哀楽を出力するだけ。
原因と結果があるだけ。

短い人生でたまたま出会ったオスとメス。
奇跡だとか愛だとか恋だとかは、人間が頭で考えた物語にすぎないのです。
人間は、ある程度理性で要因をコントロールして結果を変えることができます。
愛着という分泌物を制御することも、可能かもしれません。

欲・怒り・怠け・プライドなどの煩悩は誰にでもあります。
愛着は、全ての煩悩に隠れている、ボスキャラ的な煩悩ですね。
誰とお付き合いしても、ときには互いに煩悩を許しあい、ときには互いに煩悩に負けないよう叱咤激励しあうことが、良いカップルになる「要因」だと思います。
要因を理性でコントロールしましょう。

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有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四十代男。 仏教は、悩み苦しみを制御したり消したりするための教えです。まだまだ未熟者の凡夫ですがよろしくお願いします。

拝読させて頂きました。あなたがそのようにお感じなさり執着なさるのは無理からぬことかと思います。
あなたはその方に一生懸命にお向き合いなさり生きようとなさっていらっしゃるように感じます。
愛欲や執着はいけないと言われますけれども人間ですからその時その時で違います。できるならばその方とじっくりとお向き合いなさりあなたの思いを落ち着いてその方にお話しなさり、そしてその方の本意もじっくりと伺いながらできるだけ理解してあげてみてくださいね。
様々な行き違いや思いの違いや状況の捉え方の違いがあるかもしれませんけれども、決して感情や激情に流されることなく、どうぞお互いを尊重なさりながらじっくりとお向き合いなさってみてください。
すぐに結論を出すことではなくこれから先を穏やかに見据えながら共にお互いを思いやり、少しずつ前にお向き合いなさってくださいね。
あなたやその方がこれからの未来を心から豊かに幸せに生き抜いていかれますようにと心からお祈りさせて頂きます。

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有り難し
おきもち

個別相談可能
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラーメンが有名な処です。)これからも皆様のご質問に対して誠心誠意回答させて頂きたいと存じます。まだまだ修行中の身ですので至らぬ点あろうかとは存じますが共に精進して参りましょうね。お寺にもお気軽に遊びに来てください。
ご相談は朝から午後5時まで受け付けております。 人間関係や恋愛のお悩み、自殺願望、大切な方の死に直面した苦しみなど、どんな内容でも構いません。一人で抱え込まずに、ぜひお辛いお気持ちを吐き出してください。 仏様や神様、ご先祖様は、いつもあなたを見守り、聞いてくださっています。あなたが少しでも穏やかな気持ちになれるお手伝いをさせていただきます。

質問者からのお礼

回答いただきありがとうございます。
お返事遅くなってしまいましたが、昨夜の内に拝読し今朝方丁度相手から話したいと連絡がありましたので少し話してみました。

願誉浄史様の仰る通り、彼女も他にいい相手がすぐに見つかるのだから別れたほうが私の為だと告げてきました。まともに付き合えていない自分に執着するのはただの依存でしかないと。

これまでも再三話してきたことではありましたが、自分にはあなたしかいないと繰り返し言い何年でも待つと伝えるとそれに対して責任を取る事はできないがそれでもいいなら関係を続けるし私も努力するという返事を貰いました。

実際には私はもっと情けない歯切れの悪い返答をしてしまいましたが、それでもここで相談したお陰で幾分かは冷静に動じることなく相手に向き合うことが出来たと思います。重ねてになりますが、ご回答いただきありがとうございました。

あくまで恋人は自分にとって何物にも代え難い特別な存在ですが、彼女のように自分よりも相手を思う気持ちをもって、いままで抱いていた相手を自分の物にしたい、思い通りにしたい等という我欲は捨てる事が私にいまできる愛着の捨て方だという結論に至りました。

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