私は高校生の時に他人と感性が合わないことに気付きました。
友達と普通に会話はしますし、勉強の相談はしましたが、人生的な内容の話は聞くことはあってもこちら相談する気になれませんでした。
その時からずっとあまり他人に悩みを打ち明けるようなことが無かったため、お坊さんになってから困りました。いざ相談された時に何をどう言えば良いか分からなかったのです。そのくらい相談しなかった…いや、相談できませんでした。

と言っても、人間は１人で生きていけるわけではありません。他人に相談できない分、本を読みました。その中の思想哲学と会話していました。大分浮いた存在でしたね（苦笑）。読めば読むほど友達から感性が離れていくようで、孤独でした。でも、古人の考えの方がシックリ来て止められませんでした。

でも、今は孤独ではありません。仏教という１つの巨大な感性を共有できる仲間と出会ったから。仏教って凄いんですよ、一緒に修行した仲間との絆はもちろんですが、一地方寺院に過ぎないウチのお寺の、江戸時代ごろの住職の法語を読んでみても、あぁ、同じように修行して、同じように悩んで、同じ仏教を受け継いでいるんだなぁ…って確信できるんです。

あるいはこのhasunoha。私たちお坊さんはお寺の宣伝をすることはできますが、基本的にhasunohaから収益は生まれません。むしろ人によっては協賛金を納めています。それでもこの１週間で話題になり、ご質問が殺到してパンクする中、しばらく離れていた回答僧さんが１人、また１人と駆け戻って下さり、新しい回答僧さんも増えています。

回答の内容は十人十色の感性ですが、それでも同じ所を目指すお釈迦さまの兄弟弟子なのだなぁと実感しています。いや、むしろ色んな感性のお坊さんがいるから、穴を埋め合うように回答できます。運営者さんもずっとhasunohaに張り付いてサーバー管理をなさっています。個人運営ですから相当お疲れのはずです…

誰とも面識はありませんし、運営者さん以外とは一言も会話をしたことのない人ばかりですが、凄い連体感ですよ。

人と違うからこそ感じられる親しみというものが有ります。
パッと見は違うようでも、掘り下げると同じ感性という深い繋がりも有ります。
そんな視点で出会いを楽しみにしてみてはいかがでしょうか。
むしろこっち側の世界にいらっしゃっても良いのですよ？

大慈

曹洞宗副住職。タイ系上座部仏教短期出家（捨戒済み）。仮面系お坊さんYouT...

このお坊さんを応援する

？