親孝行ではなく
お坊さんこんにちは。
私は母に安らぎと幸せを与えたいと思っています。しかし、自分は何だったら出来るのか、何年考えても答えが出ず、質問させて頂きました。
母は昔から親戚や配偶者に都合の良いように使われ酷い仕打ちを受け、罵詈雑言を浴びたり金品強奪をされたり...と身の回りでかなりの苦労を重ね、とろくでもない周囲の人間に苦しめられてきました。
そんな母の人生を見聞きして、私になにか、母を癒せる...というか、人生良かったと思えることが出来ればと思っています。
しかし、工面してくれたお金で行かせてもらえた大学で学んだことを上手く活かせていないことにも負い目を感じています。物質的にも精神的にも、母にこれまでの嫌な出来事を相殺できるほどのなにかを与えたいですかその自信が無いのです。人になにかを与えることの難しさをひしひしと感じています。
どうすれば、母の人生に「嬉」や「楽」を足せるのでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
あなたが幸せになること
大きな意味で親孝行と定義させていただきます。
お母様は随分とご苦労されていらっしゃるようで、その為に何かを良い事をしてあげたい。孝養の志でございますね。
さて、今までにあった嫌な事を打ち消すくらいの良い事なんでしょうか?
私でしたら、私が毎日を楽しく、そして親に感謝して生きることだと思います。これを無財の七施といいます。
眼施(げんせ) 優しい目で見つめること
和顔悦色施(わがんえつじきせ) 優しい顔で接すること
言辞施(ごんじせ) 優しい言葉で接すること
身施(しんせ) 身の丈にあった奉仕をすること
心施(しんせ) 他人のために気配りすること
床座施(しょうざせ) 席や場所を譲ってあげること
房舎施(ぼうしゃせ) 自分の家を提供すること
年月をかけてこびりついた汚れはそう簡単に取れないように、いきなり逆転することは出来ないかと思います。
自身が無いとおっしゃいますが、無財の七施は心がけ次第で誰でもできます。
あなたはこれからふとした時にお母様のおかげだよ、ありがとうと声掛けていただいたり、お母様が喜ぶちょっとしたものを贈ったり…そういった小さな積み重ねが嬉、楽に繋がっていくと思いますし、その様にあなた自身が信じて実践なさっていただければ幸いです。
質問者からのお礼
武田正幹さま
ご回答頂きありがとうございます。
無財の七施という、素晴らしい心構えを学ぶことができました。七つを少しずつ実践し感謝しながら、自分にしかできない孝行の仕方も考えていきたいです。
また、母と喧嘩したときなどはこちらの回答を見返し、気持ち穏やかに、そして母のこの先も穏やかに過ごせるように努めて参りたいと思います。
丁寧に答えてくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。