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家族と住んでいた昔に戻りたくてさびしい

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現在大学一年生で、7月から一人暮らしをしています。
小さい頃は両親と兄ふたりと一緒に住んでいました。毎日家に帰れば家族がいて、みんなで母が作ってくれた美味しいご飯をたべて、色々話したり、たまにみんなで出かけたり、けんかもしたし両親をうざったく思うこともありましたが今考えると愛されて守られて本当に幸せに育ててもらったと思います。
今は兄たちは既に家を出ており、1年半ほど前に母も亡くなって、私と父はそれぞれ通勤・通学に便利なところで一人暮らしをしています。実家は一軒家で家自体は手放さずにあるのですが、年末年始などに帰るくらいで現在は誰も住んでいません。父の家は簡単に行ける距離ではありますが、時間がなくてなかなか会いにいけないし結局他人の家という感じであまり落ち着きません。
私は今部活がとても忙しく、心身ともに余裕のない状況です。自分のだめさ加減に落ち込むことばかりです。そういう時実家に帰りたいと思いますが、家族みんなが住んでいる実家と呼べるような所はもうありません。それを思うと拠り所がなくなってしまったようで辛くて寂しくてどうしようもなくなります。彼氏も友達もいますがやはり家族の安心感とは違う、どんな自分でいても存在しているだけで愛されていると感じられるのは家族だけなんだと思います。もちろん実際に家族に会ってもすごく甘やかされるとかではなく普通に過ごすだけなのですがそれでもそう思います。
思い出が美化されているところもあるかもしれませんが今までの生活は本当に幸せな記憶として残っていて、そういう記憶があること自体恵まれていることと分かっています。でも今も実家暮らしの友達をみると羨ましく思ってしまいます。当たり前だと思ってたことは全然当たり前じゃありませんでした。大人になるってそういうことなんでしょうが、それならまだ子供でいたかったし甘えた考えだと思うけど戻りたくてでもどうしようもないから悲しいです。
年末年始は2日間くらい昔住んでいた家に帰れます。兄や父と過ごせるけれど、母はもういなくて毎年やっていたようにおせちを食べたりもしないと思います。自分でも過去に囚われすぎだと思うけどやはり変わってしまうのは悲しいです。でも戻れないのも分かっています。どうしたらこんな気持ちはなくなるのでしょうか。切り替えて大人になるきっかけが欲しいです。よろしければ回答お願いします。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

「今」を生きられたらいいですね

こんにちは、はじめまして。

大学一年生で学業と部活にお忙しいとのこと。充実して何よりです。
実家を離れた後の一人暮らしは寂しいですよね。私も覚えがあります。

「今までの生活は本当に幸せな記憶として残っていて、そういう記憶があること自体恵まれている」と言われているように、家族に囲まれていた幸せを実感できていたからこそ、今の一人の状況が比較されてとてもお辛いのでしょう。

御文面から感じられるのは、お母さんを中心とした在りし日の家族に戻りたいという切々たる思慕です。どちらかというと、お父さん、お兄さんとは若干心の距離があるように感じます(勘違いだったらごめんなさい)。お母さんが家族の接着剤のような役割をしておられたのではないかと推察します。「母が作ってくれた美味しいご飯」をみんなで囲むかつての日が、どうしようもなく望まれて止まないのでしょう。

お母さんを亡くされて悲しいでしょう。悲しいのは愛さていた証とも言えます。
私が言うまでもないでしょうが、どうぞそのことをこれからも大切にして下さい。

しかし、その悲しみの中にあってもあなた様は、「過去に囚われ」ずに「切り替えて大人になるきっかけが欲しい」と仰っていますね。力強く「今」を生きようとされています。素晴らしい一歩を踏み出されようとしています。

諸行無常の言葉はご存じでしょう。すべては移り変わっていく、変わらぬものは何一つない、のです。とかく、はかないというイメージだけで受け止められるこの言葉なのですが、諸行無常だからこそ過去の自分のままではなく新たな自分へと成長できるということでもあります。現に、あなた様は大人へと大きな成長を遂げようとされています。また、諸行無常はかないからこそ光る「今」、一瞬を大切にしたいという心を生じさせる言葉でもあるのです。

母に愛された「今」があった。そして、母の愛情を胸に大切に抱えて「今」を生きようとされている。そのお姿をお母さんはきっと喜ばれていることでしょう。

最後に、「どんな自分でいても存在しているだけで愛されていると感じられる」お方に出会えるといいですね。浄土真宗の仏様、阿弥陀如来様はそのままのあなたを慈しみの眼でご覧になっていますよ。もし寂しくなったときは、お手を合わされてください。仏様はあなた様といつも一緒です。

今後のご活躍を願っています。

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釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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質問者からのお礼

読んで泣いてしまいました。何度も読み返してたくさん考えました。昔に戻りたいとばかり思ってしまっていましたが、考えれば今の生活の中にも大切な人、ものはたくさんあって、今をないがしろにしないように、しっかり生きようと思います。
また、お礼が遅くなってしまい大変失礼しました。ご回答ありがとうございました。

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