折五条と作務衣
初めて投稿させて頂きます。
お悩み相談、ではないのですが、在家の信者として見聞を広げたくお尋ね致します。
先日、スーパーで買い物をしていましたら、作務衣に折五条を掛けて買い物をしているお坊様をお見掛け致しました。
私共信者は、お寺から頂きました半袈裟を掛け、拙いお経を唱えさせて頂いておりますが、半袈裟を掛けたまま外出する事はないかと思います(お遍路さんは別だと思いますが)。
折五条はお坊様が御身分を示すために黒衣(改良服?直裰?)の上に掛けられるものだと思っていましたので、スーパーで作務衣の上に折五条を掛けられておられるお姿にちょっとした意外性と、反面親しみを感じたあまり思わず合掌して御挨拶をしてしまいました。お坊様は満面に笑みをたたえ、やはり合掌をもって挨拶を返されました。
ここで質問なのですが、お坊様はどの様な時に折五条を掛けるのでしょうか。また、作務衣の上に折五条を掛けて買い物をなどをする事も珍しくないでしょうか?
つまらない質問ですが、御教示頂ければ幸いです(長文済みません)。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
私は買い物等は避けております。
初めまして、お早う御座います。
改良服と折五条です。朝晩のお勤め時や、法事等で外出の際に着ております。
私としては、お坊さんは近寄りがたい存在でなく身近に感じて気さくに話しかけて頂きたいと常に思って日々、過ごしております。法務の帰りに・・買い物等に立ち寄りたい事も多々あります。
私一個人として、在家から出家をしたお坊さんですが、縁起など・・と思われる方もいらっしゃるはずです。私は何処にも寄らすにお寺に戻ります。
Hondaの創立者である、本田宗一郎様も・・天皇陛下様にお会いする時、作業着(車の整備士さんが着ている、つなぎの服)こそ私の礼服だ!と言って社員一同をハラハラさせた出来事がありましたが、そこは耐えてモーニングを着たそうです。
それと、同じく・・と、思いますが、さて・・
私は作業着は常に来ておりますので、そのスタイルでは買い物に行きます。(お見掛け頂きましたらお気軽にお声かけてください!)
改良服と五条袈裟スタイルで買い物に行けると良いのですが・・
耐え忍んでおります。
先輩僧侶方のご意見も是非、お聞きしたいです。
あなたらしく人生と言う冒険旅行を仕合せに歩めますように。
合掌
いつでも仏弟子として
拝読させて頂きました。
私は折五条をあまり身につけることはないのですが、それよりも小さい輪袈裟つまり伝導袈裟をいつも付けています。作務衣の上からも付けますし、スーツでもカジュアルのシャツの上からでも付けますね。
宗派の研修会や懇親会ではやはりスーツ姿が多いのでいつでも持ち歩いています。
おっしゃるように買い物で作務衣を着てそのようなお袈裟を付けていることは自分が僧侶であること仏教徒であることを明かしているのですから、様々な姿勢や態度を自らおさめるのには望ましいと思います。
衣を着てお袈裟をまとった時だけが僧侶ではありません、日常生活の中で私達僧侶は身を整えて善き言葉を使い、善き態度や行動していくことが求められると思います。
いつでも仏様や宗祖様やご先祖様がその行いを見ています。何より自分自身が自分を見ていますからね。
これからも仏弟子として一人の人間として日々精進して身の程を修めていきたいと思います。
ご質問ありがとうございました。至心合掌
質問者からのお礼
Kousyo Kuuyo Azuma様
御回答有り難うございました。私の様な素人でさえ、半袈裟を付けて仏壇に向かう時には敬虔な気持ちになるのですが、半袈裟を取ってスーツに着替え、出勤の準備をしている時には既に仕事モードになり、会社員としての忙しさに忙殺されて、つい先ほどまでの敬虔な気持ちは何処かに飛んでいってしまいます。
お坊様が日常の外出でも袈裟をつけると言う事は御身分を示すだけではなく、御自身の心を律すると言う意味もあるんですね。これは意外でした。
確かに日常のあらゆるシーンでも、仏弟子である事を忘れないと言う事は、宗派、更には仏教界を背負っておられるからなのですね。実に分かりやすく、理解出来る御回答でした。
有難うございました。
永寛様
本田宗一郎さんのお話し、とても興味深く読ませて頂きました。
確かに「制服、ユニフォーム」には、組織まとめる、統一させると言った不思議な性質があります。私の様な会社員でも強いて言えばスーツが制服になるのでしょうが、お坊様の衣やお袈裟は余りにも特殊。
Kousyo Kuuyo Azuma様が仰るように、仏弟子である事を忘れずに自身を律する意味合いもあるならば、作業着に着替えてオフモードも必要なのかも知れません。
いずれにしましても、お坊様の衣やお袈裟は、私どもの想像以上に高尚な衣服である事を再認させられる御回答でした。
心より感謝致します。
有難うございました。