無謀な夢に挑戦すること
将来の夢についての相談です。
私は中学生の頃から今まで心に押し込めていた、夢がありました。その夢を口にしていた時期もありましたがいつの間にか現実的な職業にばかり目を向けるようになっていました。しかし就活をしなければいけない年齢になり、本当にその現実的な仕事をして、それで自分の人生に納得できるのだろうかと悩み始めました。しかし私の本当の夢は私が今までに学んだことのない、芸術に関することです。
私は昔から様々なことに興味を持ち、将来の夢もたくさん抱いてきました。影響されやすいと親からはよく言われていました。飽きっぽい部分もあると思います。そして自分の選択に自信が持てません。(将来のことだけでなく、服や物を買う時もです)
影響されやすく飽きっぽい自分が夢のために努力する事ができるのか、また壁にぶち当たって挫折したときに立ち直れるのか不安でなかなか行動に移せません。自分の中では「夢のために頑張りたい」という気持ちは現時点では固まっています。行動に移すにあたってどんな気持ち、心構えでいれば強く自分を信じる事ができますか?自分に自信がありません。
助言や意見をいただけたら嬉しいです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
どっちに行っても苦しいことはある、その上でどう生きたいか?
心に押し込めていた夢があって、それを追うべきかどうか迷われているのですね。人生の進路の選択はとても難しい問題ですし、迷いますよね。
世の中の価値観では、確固たる変わらない自分があることが良しとされ、一途に何かをやり続けその道一筋に生きる事が賞賛される傾向があります。しかし、それは一つの生き方でしかない。仏教では、むしろ確固とした自分は無いと説きます(空・諸法無我)。あらゆる物事は移り変わっていくから(諸行無常)です。だから、自分は影響されやすいと言いますがそれだって一つの在り方です。むしろ芸術や物を作る人は影響を受けれる人でないといけないのでは?とも感じます。
「壁にぶち当たって挫折したときに立ち直れるのか不安で行動に移せない」と言われているのですが、いつも紹介している私の師の言葉があります「人間はどっちの道を選んでも、半分位嫌なことがあって、半分位良いことがある。どっちに行っても苦しいことがあるんだ。」芸術の道に行っても絶対苦しいです。仏教では一切皆苦、そもそも人生苦(=思い通りにならない)と教えています。また多分、あなたの言う安定した道に行ったら行ったで後悔するでしょう。やはり芸術をやればよかったと。どちらに行っても苦しいと思って道を選ぶべきでしょう。その上で、「どうせ苦しいのだったら自分が納得できる道を選んではどうでしょう?」と感じます。あなたは、芸術に行ったらその道を究めて一流にならなくてはいけないと思ってませんか?実はそんなことなくて、挑戦するプロセスが大事だと思います。僕の周りでも美大卒の友人がいますが、専業の芸術家になった人は一握り、でもその過程で学んだことを別の仕事で生かしたり、細々と作品を作ってそれなりに楽しくやっています。逆に言えば美大に行かなくても、そこそこ楽しく生きることは出来る。どっちへ行ってもいいのです、でも自分がやりたくて挑戦したことは決して無駄になりません。今は専業のプロというより、様々な仕事をしたり兼業しながら作家をしている人が多い時代です。
どっちへ行っても辛いことはある。どんな道に行こうとあなたを応援したいです。
※坂口恭平という作家を知っていますか?あなたの生き方の参考になるかもしれません。彼は多動性でジャンルに捉われない不思議な作家です〔お勧めの本〕→『まとまらない人 坂口恭平が語る坂口恭平』『独立国家のつくり方』等…
質問者からのお礼
「どちらの道に行っても苦しい、人生そもそも苦」これがとても刺さりました。生きてるだけで辛いし、働くだけで辛いし、それなら、どうせなら自分の好きなことをして辛い方が耐えられますよね。すごく納得させられました。
「応援します」と言ってくださったのもすごく嬉しかったです。まだ誰からも応援されていなかったし、そもそも誰にも話せていなかったので...。
紹介してくださった書籍も買いに行きたいと思います。
勇気が出ました。有難うございました。