パワハラ上司に限界。仕事を辞めたい。抱え込まず我慢できるラインを決めよう
仕事では人間関係がうまくいかないこともあります。とくに上司との折り合いが悪いと大変つらいものです。威圧的なパワハラを受けても、生活のために仕事は簡単に辞められるものではないけれど、とにかく今の環境から逃げ出したい…とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
お坊さんから生きる知恵(アドバイス)をいただけるhasunohaでは、仕事に関する悩みの相談が多数寄せられています。今回はその中から、上司のパワハラに我慢の限界を感じている男性からの相談を紹介します。
上司のパワハラで限界!どう考えを切り替えればいい?
上司のパワハラに悩む質問者のひろさん。ある上司からは「小学生以下だ!」「普通ならあなたのような人間はこの会社には必要ない!」と暴言をはかれ、別の上司からは威圧的な態度をとられて、名前を呼ばれるだけでもドキッとしてしまう程追い詰められているようです。
とにかくこの場から逃げたい。
逃げたいけど家族を養うためには我慢しなければなりませんが、もう限界です。どう考えを切り替えればこの生き地獄から逃れられますか?
家族の生活のためにも仕事を辞めることができない。でも、上司からのパワハラはもう限界。行き詰った状況に苦しむ質問者さんに、お坊さんはどのようなアドバイスを送ったのでしょうか?
不要なものは無視して、必要なものだけを受け取って
お釈迦様が「蜜蜂は綺麗な花びらや、良い香りは取らずに、蜜だけを吸っている。お前たちもこうでなければならない」と語ったという逸話を例に、あるお坊さんが回答されています。
つまり、必要なものだけを取り、不要なものはとってはいけない、という事です。
例えば上司の言葉に当てはめてみるとどうでしょうか。
上司の言葉だけをとっているでしょうか?
声の大きさ、激しさ、口の悪さ、悪意、表情、そのような不要なものまでとっていませんか?
不要なものは無視して、必要な言葉だけを受け取ってみましょう。
冷静に言葉だけを受け取るように努めてください。
名前を呼ばれたら、「はい」とか、「お呼びでしょうか」とか、冷静に言葉だけを受け取って返事をするのです。それ以外の上司の表情や性格などは受け取ってはいけませんよ。言葉だけです。怒ってるのかな?とか、余計な事を考えないようにするのですよ。
(圓常寺 三宅 聖章)
確かに、表情や性格を読み取って必要以上に恐縮したり悪い想像をしたりしてしまう、というのはよくあることかもしれません。お坊さんのおっしゃる通りに、不必要なものは受け取らず、冷静に言葉だけをとらえることを心がけると、心に余裕が生まれる可能性があるので参考にしたいですね。また、どうやって生き抜くかを考えて、身近に相談できる相手がいなければ心療科や心理カウンセリングも利用しましょうとも回答されていました。
我慢できるラインを自分で決めましょう
こちらのお坊さんは、つらいという気持ちを自分自身で認めてあげて、頑張っているなと自分に向かって言葉をかけてみてくださいとアドバイスを送っています。
人間がつらいのは「自分の気持ちに嘘をつきながら生きること」だと思います。例えば「何の障害もなかったら自分はどうするのだろう」「自分が笑えるのはどの方向だろう」と考えてみてください。そして「辞めてもいい」「逃げてもいい」と声に出してみる。あるいはむかつく気持ち、怒りの気持ちを大声で言ってみる。我慢できるラインを自分で決めましょう。
(常称寺 けんじゅ)
自分の正直な気持ちを自分自身で理解して、我慢できるラインを自分で決める。つらい気持ちを声に出して発散する。つらい状況だと、自分を責めて追い込んでしまって、何が正しいか分からなくなってしまうこともありますよね。お坊さんのおっしゃる通り、まずは自分の気持ちを理解することが大切なのかもしれません。
「怒られてあげている」と考えて、引き際を準備しましょう
回答の後半では、次のような言葉を送られています。
あなたは今「怒られてあげている」のです。「気持ちのはけ口になってあげて」いるのです。何時までも甘えさえる必要はないと思いますよ。その人の為にもなりません。引き際を準備しましょう。どうぞ会社の評価だけで「自身の評価」を決めてしまわぬようにしてくださいね。あなたは立派な方です。
(常称寺 けんじゅ)
この回答は質問者さんにとっても目から鱗だったようで、「心に響くお言葉ありがとうございます。『怒られてあげている』『気持ちのはけ口になってあげて』いる。なるほどそう言う考え方もありましたか」と感謝されておりました。
上司も家庭や仕事でストレスを抱えていて、質問者さんをストレスのはけ口にしてしまっているのかもしれません。「怒られてあげている」といったように、理不尽な扱いに対して考えを転換させることで気持ちを立て直すことができそうですね。
質問者さんはお坊さんのアドバイスを元に、現在はいつでも辞める覚悟で退職願を準備して仕事を頑張っているそうです。
つらい状況にいる時は必要以上に自分を責めるのではなく、自分の素直な気持ちを理解して、時には発想を転換させて対処することが重要なのかもしれませんね。
元の問答:上司のパワハラ