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目標を持たないといけないのでしょうか?回答受付中

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私は、20代の頃までは、いろいろ目標を持っていました。しかし、大半が達成できず、30代になってからは、今日1日を何とか生きられたら良いとしか思えなくなりました。また、目標を持っても、「持った以上は達成させないといけない」「途中で変えたり撤回してはいけない」という思いが出てきて苦しくなります。それならば、端から目標なんか持たない方が良いのではないかと思えてきました。
しかし、一般的には、「目標に向かって努力する人は、魅力的に見える」「目標のない人は、人生がどんどんつまらなくなる」と言われています。
やはり、人生は何かしらの目標を持って生きた方が良いのでしょうか?

2025年5月20日 16:46

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

大切なのは少しでも納得を得ること

お手紙拝読いたしました。
苦しい胸の内をお聞かせいただき、ありがとうございます。

まず、結論から申し上げますと、目標はないよりはあった方が、ご自身の人生にとってより豊かなものになると私は思います。

しかしそれは、誰かに見せるためや、一般的な価値観に合わせるためではありません。

ご自身が納得のいく人生を歩むため、そしていつか来る最後の時に「ああすればよかった」という後悔を少しでも減らすためです。

私たちは生きていると、「こうしたい」「ああなりたい」という小さな願いや思いが自然と湧き上がってくるものです。

そのささやかな思いを少しでも形にしようとすることが、一つの「目標」と言えるのではないでしょうか。

「目標を途中で変えたり撤回してはいけない」という思いは、ご自身を縛り付け、苦しめてしまうことでしょう。

しかし、目標というのは絶対不変のものである必要はないのです。

その時々の状況や心の変化に応じて、柔軟に変えていっても良いのです。

また、100パーセント達成でなくても無駄ではありません。

世の中は、自分の思い通りにならないことの方が多いものです。

例えば、野球の大谷翔平選手のように、好きな道で大きな成功を収める方はほんの一握りです。

多くの方は、様々な理由で志半ばで道を諦めざるを得なかったり、努力しても望む結果が得られなかったりします。

この「思い通りにならない」という現実をまず受け止めることが肝心です。

その上で、「では、自分はどう生きようか」と視点を切り替えてみる。

たとえ目標が達成できなかったとしても、別の形で自分の好きなことに関われれば、少しでも納得感を得られることでしょう。

失敗から学び、試行錯誤を繰り返すこともまた然り。

ただ、心がくじけそうになったり、時には逃げ出したくなったりすることもあるでしょう。
それもまた、人間として自然なことです。

無理に常に前を向く必要はありません。
ご自身の人生をより良くするための準備期間だと捉え、ゆっくり休むことも大切なのです。

大切なのは、他人からの評価ではなく、ご自身が「これで良かった」と心から思えるかどうか。
ほんのわずかでも良いのです、ご自身が納得できる方向に、小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

獅星様がより良い人生をすごせることをお祈りいたします。
合掌

2025年5月20日 23:33
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蓮城院というお寺の副住職。 主に坐禅をしたり、庭掃除をしたり。 ハスや野菜を育てたり。最近はAIマンガにチャレンジしています。 ちなみに蓮城院は二宮金次郎(尊徳)のお墓があるお寺。 また、毎月第1月曜日、第1土曜日に坐禅会を開催しております。 ■X(旧Twitter)アカウント■ https://x.com/koubun_osho
対応できる時間帯は、18時から20時。 自動車開発エンジニアの経験がある。 元サラリーマンの僧侶です。 会社内の人間関係のご相談引き受けます。

目標に縛られず、やりたいことをやりましょう

まず前提として、目標を持たない人生に価値がないかというと、そんなことはありません。
今日一日を懸命に生きて、命を明日につなぐ、そのことに大きな価値があります。
相談者様も毎日【生きる】という大変な目標を達成し続けておられますので、どうぞご自身を褒めてあげてください。

それを踏まえて、たしかに目標にチャレンジしている人はエネルギーに溢れており、より魅力的に見えることも事実です。
もしも相談者様が何か目標を見つけてチャレンジされたいのなら、目標を柔らかく持つことをお勧めします。

日本人は目標達成意識が極めて高い文化です。
会社でもノルマ=必達。達成しないと、なぜできなかったのか詰められる。

ですが、本来目標とはもっと楽しく、豊かなものです。
ご自身がやってみたいこと、チャレンジしたいこと、興味のあることを見つけて、とりあえずやってみる。
達成できなくてもよいのです。
やってみたことは必ず自らの糧になり、一見失敗に思えても、何年かするとそれが役立つ時もくるものです。

まずは楽しそうなことをやってみて、合わなければやめればよいと思います。

【煩悩即菩提】
人は煩悩=欲があるからこそ悟りにちかづけます。
目標を自分を縛り、苦しめる枷とするのではなく、人生を豊かにする、【やりたいことリスト】として取り組んでみるのはいかがでしょうか。

合掌

2025年5月20日 20:31
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私は一般の大学で心理学を学んだ後、政府系金融機関において、中小企業様に向けた事業資金融資や経営コンサルティングに取り組みました。 その後、実家がお寺であったこと、また、経済面でなく、人の心を救う仕事をしたいと志を立てたことから仏道に入り、修行して参りました。 ご葬儀やご法事をすることは仏教の目的ではなく手段です。 仏教は皆様自身の人生を豊かにするための考え方であり、生き方なのです。 生きることは苦しみの連続です。 今日を精一杯生きる皆様の心が安らかであるよう、ご相談をお受けしてまいります。 合掌
【時間帯】夜8時〜。日中は応相談です。 【分野】人間関係全般。不登校、就職活動、職場の人間関係、ハラスメント、経営、恋愛、浮気、結婚、不倫、不妊、妊娠、出産、育児、障がいなど。 皆様の心の中にある答えをともに探し、進む道を見つけるお手伝いを致します。 【資格】日本心理学会 認定心理士

質問者からのお礼

有り難いご回答ありがとうございます。目標を持ったとしても、達成することに囚われ過ぎず、マイペースに努力していこうと思います。

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