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馬鹿は死ななきゃなおらない?

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思慮が浅くて馬鹿なことばかりする人間は努力すれば治ると思いますか?それとも頭が悪いのは天性のものなので死なないと治らないですか?


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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今、どう答えるか

こんにちは。
前回もご縁がありました。
いかがお過ごしですか。

このご質問がどのような背景(他者のことかなど)で発せられたかが分からないので、一般論としてお答えします。

「馬鹿」という漢字は、ご存知かと思いますが故事にちなんでいます。
一応、ご説明します。

秦の始皇帝の元で、力を持った奸臣の趙高という男がいました。
趙高は、始皇帝亡き後に2世皇帝の胡亥(こがい)を凌ぐ権勢を誇りました。
ある時、その趙高が皇帝胡亥の前に、鹿を献じました。
そして、言ったのです。「皇帝陛下、これは馬でございます」と。

皇帝は、流石に「いやこれは鹿じゃ」と言いましたが、趙高は並み居る群臣を睨めつけるように見て返しました。「なあ、皆の者、これは馬じゃな」と。趙高に恐れをなして「これは馬です」と答えた臣は事なきを得ましたが、事実通り「それは鹿だ」と答えた臣は排除された、というお話です。

事実通り、鹿を鹿と答えるか。
それとも曲げてしまうのか。

「思慮が浅い」「馬鹿」「頭が悪い」という決め付け、ラベリングに意味はありません。中傷されたとき、誤ったことに誘導されそうになった時、自分がどう考え、どう応ずるか。

それは、死んだ後のことでもなければ、努力した後のことでもありません。

今、生きている当人が、どう答えるに掛かっています。

ご参考まで。

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