7歳の子どもに「死」をどう説明するか
いつも問答を拝見させていただいております。私もこれまで娘を亡くしたことに関わる自分自身の心の持ち方について何度もご助言をいただきました。今回は、7歳の子どもに娘の死をどう説明したらよいのかをお示しいただきたいのです。
その子は私の姪の子ども(男児)で、娘は彼が生まれたときからずっと可愛がっており、彼もまた娘をとても慕っていました。彼が4歳の時に娘は亡くなりましたが、感受性の高い彼は娘の死を理解してはいるけれど、なぜいなくなってしまったのかが受け止めきれていないのです。娘の三回忌が過ぎたころ、彼は私にだけ問いかけました
「○○ちゃん(娘の呼び名)は若いのになんでお星さまになっちゃったんだろう?」
「何で死んだの?」ではない表現に彼の寂しさと優しさと娘への思いの深さを感じ、答えが出ませんでした。「○○は優しくてみんなが大好きだったから、お空のみんながこっちに来てよーって言ったのかもねー」と答えましたがとっさに思いついたので納得できるものではなかったでしょう。
大好きな人の死をごまかしではなく、でも
現実を傷つけずに話すことにはどうしたらよいでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
伝心
えむえむさんのお気持ち、よくわかります。
ですが、たとえそれが子供であっても、時には現実を真正面から受け止める必要があるでしょう。物事を言葉で置き換えし過ぎると、その真意から遠ざかってしまうのはよくあることです。
特に人の「生き死に」については、時が経つにつれ世の中の都合とともに随分隠されて伝わるようになりました。
教育であれ生活であれ、人生のどの場面に於いても、その傾向が顕著です。
ある方は、それこそが現代人に足りない情操教育である、とまで言うほどです。
その男の子には、あなたなりに愛情をもって表現すれば、たぶんもう少し踏み込んだ説明でも変に枉がらず伝わると思います。おそらくはとても賢い子です。
人が何かを感じ取った瞬間、それを押しなべて「傷つく」というのなら、大事な話も特別な教えも何もできないことになってしまいますから。
今、真剣に向き合って伝えることは、もはや娘さんへのご供養の一環であろうと、私は思います。
「大事な話をするね。ちゃんと聞いてほしいんだ。」と、語りかけるようにひとつひとつお話なされば、大丈夫でしょう。
ご相談ありがとうございました。是非よろしくお願いいたします。合掌。
質問者からのお礼
TAIKEN様
ご回答をくださりありがとうございました。
言葉では十分にお伝えできなかった私の心の中にあるものをTAIKEN様にわかっていただけたような気がして、まさに「伝心」だと思いました。
真実を受け止め、それを伝えることを恐れるのではなく、娘のことを大事に思えばこそ彼女を愛してくれた人(今回は7歳の男の子)に伝えるのは大事なことなのですね。おっしゃる通り、ごまかすことなく愛情をもって丁寧に話せば、彼ならきっと受け止められるように思います。私の心の中の曇りも少しずつ晴れていくような気がします。
ありがとうございました。