家族から精神的に離れたい
はじめまして。
とてもわかりにくい相談事をいたします。わたしは、小さい頃から絶対音感があり感受性の強い子でした。ピアノが特技でした。頭がいいとは思えないのですが、いろんなことを感覚で覚えるので、テストの点などは良い方でした。
中学、高校と勉強が面白く受験など関係なしにのめりこみ、地元の国立大学の教育学部音楽科に入って、音楽理論を勉強したいと思っていました。成績は進学校で一桁台だったので届かない夢ではなかったと思います。
でも、母が、別れた父(芸術家でした)にわたしの傾向が似ている、という事で、殴る蹴るの人格矯正を試みてきました。大学は女の行くところではない、と猛反対してきました。毎晩お酒を飲みながら暴れました。母は感情的になるとすさまじいものがあって、なかなかふつうには会話できませんでした。わたしは大学受験をやめました。
母と居ると、自分は死にたくなってしまう日が続きました。そして、母を置いて家出をしました。そこまで自分は心が寛くないのだとよく認識しました。でも自殺よりも家出の方が正しいのだと思えました。
1人暮らしは孤独感でいっぱいでした。わたしはしばらくうつ病のようになった後 縁あって結婚して、娘を2人授かりました。母のように子供におんぶしないよう、娘には笑顔で、でも本音で気持ち良く付き合ってきました。
娘たちも高校生。それぞれ自分で道を選ぶようになりました。教育にも力を入れていたのだけど、子どもたちは夫に似て音楽や芸術、勉学などには興味がなく、アイドルやお洒落などに夢中です。幼児や小学生のころとは違い、子供と共感できるものは少なくなりました。
そして残されたのは、わたしの孤独感です。静かな美しい世界のようなものへの憧れ。しかし家族の誰とも共有できずにいます。難聴を患いピアノにも身が入りません。家族以外の人と付き合ってこなかったわたしには、どうこの孤独感とどう付き合えば良いのか、毎日が苦しいものになっています。
人との出会いなどという運のようなものではなく、自分自身でなにか悟りたいというか、強くなりたいのです。
家族とは仲が良いのに、満たされず孤独なのです。
なにかアドバイスがありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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本を読んでみませんか
しろさん、はじめまして。
しろさんは、お母さまと別れ、縁あって家庭を持ったのですね。子どもが成長するにつれ、白さん自身が孤立しているような気がするのですね。
本の世界に遊んでみませんか。
本の中には日常生活にない世界が広がっています。『坂の上の雲』を読めば、あっという間に明治維新の時代へタイムスリップすることができます。般若心経の本を読めば、しろさんが今まで知らなかった仏教の世界を垣間見ることができます。
しろさんは、芸術の才があるようなので美術館巡りもいいのではないでしょうか。
人と出会うだけが人生ではありません。本との出会いもあり、教えとの出会いもあります。
人生、いろいろあります。ピアノにこだわらなくてもいいと思いますよ。
質問者からのお礼
修行を積まれたお坊さんに自分の悩みなど聞いていただけて、アドバイスをいただけて、感激です。
「孤立」という言葉を使って、そこを見抜いていただけて、なぜか救われた思いです。
結局、わたしは、甘えたくて満たされなくて、しょうがないのだと思います。その状態で人にすがってしまったらいけないなと思っていたところ、「本」という世界がある、というシンプルな答えが返ってきて、素直に、読んでみよう、と思いました。
実は読書が好きではないと思い込んでいたのですが、20代ごろにはヘルマンヘッセや夏目漱石など好きな作者もいたな、けっこう楽しかったな、と思い出しました。そして、30代ごろには美術館を安価で見られるチケットが手に入り、思いのほか刺激を受けたことを思い出しました。
中村太釈 さまは、人の心の奥を見抜くお力があるのかと思ってしまいました。
忘れていた楽しそうなことが見つかって、とても嬉しいです。食べ歩きやショッピングでは満たされないんです。そんな自分を、ノリが悪いとか暗めだとかあきらめていました。でも、わたしにも楽しいことがあった!!と久しぶりにワクワクしました。
「人と出会うだけが人生ではありません。本との出会いもあり、教えとの出会いもあります。」
というところに、孤独ではないなと勇気づけられました。本や美術館などの世界にあそんだら、家族とももっと楽しく付き合えるように思えてきました。
有難うございました。