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昨日、父が自殺しました

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昨日、父が自殺しました。自宅で首を吊ったそうです。発見したのは母でした。長年、父母は仲が悪くこんなことになるのではないかと思ったこともあり、防げなかった自分の至らなさが苦しく、子供として夫婦の間を取り持つことができなかったことにも無力感を覚えます。
私は実家を出ていますが、末の妹は父母と同居しており、先ほど電話で詳細を聞きました。父が母に『食事に毒を入れているだろう』等とひどい暴言を吐き、母はショックを受けて翌日に離婚届を渡したそうです。ここまでは以前にも数回あったことでした。父は自分が吐いた暴言が取り返しのつかないほど母を傷つけたことに気づけなかったようです。『もし俺が離婚に同意しなかったらどうするんだ』『なら協議離婚しましょう』と母は引きませんでした。
その後父は自室に一旦こもり、しばらくしてから母と妹に『俺が明日死んでたら嬉しいか』と聞いたそうです。『嬉しいわけないでしょ』と話は終わり、父が玄関から出る音がしたそうです。頭を冷やしに散歩でも行っているのか、それにしては帰ってきた音がしないな、と探しに外に出た母が自死した父を見つけました。
夫婦仲が悪く、それを見たくなくて私は実家を逃げ出したようなものです。こうなるような気はしていたのに何もできませんでした。
明日、母、妹、そして父だった者に会いに行きます。あてつけのように死んで見せた父が悲しい。弱くて甘えだらけで許せないとも思います。母や妹になんと声をかけるべきかもわかりません。
それでも、生きていかなくてはならないし母にも気に病まずにいて欲しいのです。どのような気持ちで接すればいいのか、気持ちの持ち方を教えていただけたらありがたく思います。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

家族の一員たるそのままで

こんにちは。

先ずはお悔やみ申し上げます。
複雑な事情、ご心境の中で大変お辛い思いをしているでしょう。

あなたの宗教、思想信条が分かりませんので、仏教者というより一人の人間としてコメントさせて頂きます。

ご両親の仲が長年良好ではなかったようです。
自死をされる前後のやり取りも伺いました。
ただ、そのご夫婦の長い歴史については第三者としてはコメントが難しいところです。

「母や妹になんと声をかけるべきかもわかりません」ということですが、具体的な「声」はなくても家族同士身内を亡くした悲しみは共通しているでしょうから、とにかく一緒にいるだけでも良いのではないでしょうか。

側にいたら、涙を流す事、寄りかかりたいこと、おもわず何か出る一言もあるかもしれません。それを一緒になって涙し、支えになり、一言にまた一言返せれば返せる範囲でお話しされたら良いと思います。

「母にも気に病まずにいて欲しい」というお気持ちは切実でしょう。
これも同様になりますが、とにかくお話を聞いてあげることが大切です。誰か自分の声を受け止めてくれる、共感してくれる、或いは意見してくれる。こういう存在があるだけで、人間は心強いし、現実への感覚をつかみやすくなると思います。

あなたは、家族の一員としてお二人に会い、側にいるだけでいいでしょう。
特別な何かになる必要はないと思います。

遺された家族三人で手を取り合って、悲しい現実を支え合いながら歩んでいって下さい。

追記
ご丁寧なご返信並びにお気持ちを運んで頂き、誠にありがとうございました。
励ますつもりが、却って当方が励まされた心地がいたします。

大変な一日だったでしょう。
「今日を乗り切れた」という一言にその感慨が伺えます。

当面はお辛い日々が続くかもしれませんが、どうぞご家族同士で持てるものを分け合いながら、支え合いながらお過ごしいただければと思います。

これからも、相談ありましたら、どうぞお寄せ下さい。
重ねて御礼申し上げます。
有難うございました。

お大事になさって下さい。

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釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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質問者からのお礼

気持ちの持ち方がわからず、不躾に救いを求めてしまった私に、心のこもったお言葉をかけてくださったこと、心より感謝致します。本当にありがとうございます。すぐにでもお礼申しあげるべきところでしたが、何度も何度も何度も読み返させていただきお礼が遅くなりましたことお詫び致します。もっと何かができたのではないか…と振り返って自責するだけでなく、母、妹に寄り添い、家族の一員としてそこに在ることが大事ですね。特別な言葉を捻り出すのではなく、悲しみとやりきれない気持ちとをまぜこぜにしたまま、ただそこに寄り添う…それで良いと言っていただいたように受け止めました。言葉が足らず、感謝の気持ちを伝えきることができませんが、今日を乗り切れたのは間違いなくあなた様のお言葉のおかげでした。本当に感謝申しあげます。ありがとうございました。

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