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父親が許せない

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有り難し有り難し 18

私の父親は幼少期から家にいることが少なく、ずっと仕事のためと思っていましたが、大人になった今は別に女性がいたのだということが分かります。
5年ほど前、母の事業の倒産と病気が重なり、母が最も大変なときに両親は離婚しました。
その時、わたしはすでに社会人でしたが、必死で母を支えようと頑張りました。
それから5年がたち、私も結婚をし、母と同居しながら生活しています。父と母が共同名義でローンを組んだ実家のローンも私が返し、父が母に文句を言うことが無いようにだけ必死に努めてきました。母を傷つけたことが本当に許せません。
そんななか、父が不倫相手と再婚をし、幸せそうに生活していることをSNSで見つけました。
それを見てから、毎日父とその女性への恨みが心から消えません。体調不良になるほど悩んでいますが、誰にも相談することもできません。
この恨みの気持ちをどうすれば良いのでしょうか。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

拝読させていただきました。

 人を憎めば憎むほど、自身の心に歪む薬を与えている効果があります。
 しかし、憎まずにはいられないお気持ちも察します。
 寿命という限られた有限の命を生きている私たちにとっては他人には計り知れない苦しみが伴うことが多いものでもあります。
 SNSを見てしまったことで再燃してしまったこともなおのこと強いと感じます。
 親子だからとて連絡を取る必要もなく、身内だからとて付き合いしていかなければならないというものでもありません。
 お母様を思う心は清らかで素敵です。

 これが「縁」というものでもあるのです。縁には「善と悪」があることは存じていると思います。
 ここで父のしでかした事を見つめると、母の辛かった人生に仕返しをしようとする心が芽生えていきます。
 過去は変えれないことも知っていると思います。また嫌な記憶も消し去ることもできないことも知っていると思います。
 ただ「過去を見ないようにする心がけ」をもつことです。これからは。

 なぜか?

 先に述べた「有限の命」だからです。
辛く憎悪を抱えていくことは、もったいないからなのです。
 許さなくてもいいのです。また会おうとする気持ちや、懺悔させたい気持ちがあるものであり、謝罪しても時間も何とかも戻って来ないのです。

 人々は生きていく中で、許せないことを抱えながら生きている人もいます。
 これを機に疎遠していくことが一つのキッカケであり、二度と会わないと決めることも一つのキッカケであります。

 人の振り見て我振り直せと言い聞かせ、生んでくれたことは感謝する。幸せになってやるとこれを機縁に思考を運んでいくように少しずつ、少しずつ、少しずつ変えていってください。

 多くの人々と出会う中で、とんでもない環境下で育った人や、とてつもない人生を歩んでいる人たちと出会ったとき、「そんなものか。まあ、いいや」と思える時が必ず到来いたします。

 弘法大師は「邪見を発起すべからず、善根を断ずるがゆえに」と述べています。

 血が繋がってるからとて、性格も同じはありません。心の環境により人生に誰もが花を咲かせることができると思っててください。

合掌
 

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質問者からのお礼

邪見を発起すべからず、善根を断ずるがゆえに
ありがとうございます。
少しずつという言葉にとても救われました。
周りいる良い縁のある方々と幸せな人生を送るため、前を向く努力をしたいと思います。

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