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「自分軸」で以て生きたいです。

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いつもお世話になっております。
20代半ばの者ですが、この頃何かと精神的に不安定で、涙脆くなりました。そんな中、先日「自分軸」という言葉を知りました。

私の拝見した解説では、生き方のベースを「自分がどう在りたいか」に置くのが自分軸、対して「他人にとっての自分がどうか」に置くのが他人軸との事でした。そして、自分軸で生きる=本来の自分で生きている、すなわち自己理解ができている状態だとありました。

私は社会人5年目の今尚、親の送迎で通勤しています。主に持病の関係ですが、正直いつ治るか目処すら立っていません。現状、内服である程度のコントロールはできており、病状(主に意識朦朧・喪失です)が治まっていれば生活上で何ら支障はないに等しいです。ただ、あくまで今は寛解の状態で、加えて病状がいつ起こるか自分では予期できない点が厄介です。

そんな私は現在「そろそろ一人で通勤したい」という思いが強いです。より正確には、「周りへの負担を少しでも軽くしたい」、「周りへの依存状態から抜け出したい」という思いで、その具体的な第一歩として、まずは通勤ができるようになりたいと考えています。これが上記で言う「自分がどう在りたいか」の部分だと自身では捉えています。
一方で、万一病状が出た時を想定した際、意識が不明瞭の状態で自分を守れる自信は当然ありません。となると、仮に先述の思いが実現されても、結局私は周りに負担をかけ兼ねない立場である事には変わりなく、自己責任だけで済まされるものではないと思うのも事実です。

ここで話が戻りますが、上記のような私の考えは、果たして自分軸に沿ったものと言えますか。自分軸で生きる事は、必然的に自己責任のもと生きる事だと思いますが、それとは少し矛盾があるようにも思えます。「自分がどう在りたいか」の中身に他者の存在が絡んできている時点で、そもそもこれは自分軸でなく他人軸の考え方なのでしょうか。よく分からなくなっています。

単純に、周りに甘えたり依存したりしている状況を少しずつでも変えたいだけなのですが、そこに伴うリスクに対し自分で責任を取れるかと問われると、途端に自信がありません。むしろかえって周囲を巻き込み兼ねず、それでは何の意味もないとさえ思え、自分の本心自体が混乱しつつあります。

自分軸で生きるために、私は何からどう取り組むべきかを教えて頂きたいです。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

方向転換とバランス

こんにちは。

私は「自分軸」という言葉を良く知りません。
何かの本の概念なのでしょうか。

このため、「上記のような私の考えは、果たして自分軸に沿ったものと言えますか」という判定は出来ません。

ただ、あなたの考えの整理の為にと思い、少し感想を述べます。
あなたは次のようにかいています。

「自分がどう在りたいか」の中身に他者の存在が絡んできている時点で、そもそもこれは自分軸でなく他人軸の考え方なのでしょうか

私は他者を抜きにした自分、とはそもそも存在し得ないと考えます。
然るに、要はバランス感覚だと思うのです。
しかもそのバランスは現実的である必要があります。

あなたは、「周りに甘えたり依存したりしている状況を少しずつでも変えたい」という問題意識を持っているから上記のような葛藤をするのでしょう。ただ、持病のご様子からは、周囲に頼らざるを得ない現実があるようです。

これを「甘え」、「依存」という気持ちもわかります。
全て自分で完結させたいのに、というジレンマもあるでしょう。

ただ、持病の影響をゼロには出来ないという現実があるのだから、これを力技で変化させるよりは自分の受け止めを変えていくということの方が順当な方法だと思います。

「甘え」「依存」ではなく、例えばお世話になっていることへの感謝の念を高めたり、決して一方的ではなくある面では世話になりある面で自分も役に立っている、という考え方の方向転換です。

そして、時に自分を中心に、時に他人を中心に柔軟に変化してバランスを取るのです。

こうやって肩の力を抜くことが今のあなたに必要かな、と思いました。

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釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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質問者からのお礼

ご回答ありがとうございます。

自分にはなかった発想を教えて頂け、納得できる部分もありました。
直接的に「甘えや依存の状態から脱したい」との考え方ばかりでしたが、そうではなく現実的に今の自分にできる範囲で、別の方法を考えてみる事も一つの手だと分かりました。
もう少し柔軟に考え行動できるよう努めたいと思います。

お忙しい中、ご回答頂きありがとうございました。

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