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彼女のお父さんがお亡くなりになられました

回答数回答 2
有り難し有り難し 9

こんにちは。
昨日、私の彼女のお父さんが癌のためお亡くなりになられました。まだ若く70歳でした。
2年前の11月に年内までと余命宣告を受けておりましたが、お父さんの生きる気持ちが強かったのか余命宣告を受けた後もしばらくはとても元気に生活をされていたと聞いています。
ここ数ヶ月は体調の悪化で入退院を繰り返し、後半は酸素マスクが必要な状態となっており、私もそのタイミングで初めてご挨拶をさせていただきまして、そのちょうど1週間後に息を引き取られました。
彼女は、お父さんがいなくなった悲しみや「余命宣告されてから2年間もあったんだからもっとお父さんの写真や動画を撮ったり、親孝行しておけばよかった」といった後悔を感じているようです。
こうした悲しみや後悔の心の状況にある彼女にお坊さん方から、何かお言葉をいただけると幸いです。
また、これからもっと想い出を作っていきたかっただろう彼女の気持ちや、お会いした時のお父さんの顔を思い浮かべると私自身も辛くなる時があります。
私の心の持ち方や彼女にこれからどう接していくのが良いのかも合わせてアドバイスいただけたらなと思っております。

どうぞ、よろしくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

人は必ず平等に「死」を迎えますが、どのように受け止めるのか。

 お若い年齢での悪性腫瘍によるお亡くなりということですから、大変複雑な心境だと拝察いたします。実は私の祖母も最近、悪性腫瘍で亡くなりました。正直、考えることは非常に多いのです。切れ目なく思い巡らせれば、適切な医療を受けさせられたのか、過度に苦しまなかったのか、私達家族は故人に対して最善を尽くせたのか、など。
 仏典を通せば、お釈迦様は「死」を人生の必然と位置づけていますが、正直、そうそう簡単に受け止めることは出来ません(だから、仏典に示されているのでしょう。)。ましてや大切な御尊父様の死ならば彼女さんの動揺や後悔等も当然です。しかし、お父様はこれで置き去り(お父様との歴史にピリオドを打つこと。)になるのでは決してなく、私達がお父様の死を契機に、もういちステップ先に進むことを、強く望んでいるのではないかと、私は拝察いたします。
 厳しい事実、心残りもお有りでしょうけれども、人生不可逆ですから。これは支援する側のゆうさんにはあえて言えますが、彼女さんには私でも今の段階では言えませんね。彼女さんのサポートをするとなると大変に苦しいお立場になるかと思います。そして現にここに投稿すること自体、ゆうさんは真面目で誠実な方だと思います。
 ただし、不思議と「法事ごとの節目」や「時間」が解決することもあるのです(ご興味があればご参考に。中公新書『対象喪失―悲しむということ』)。無理に積極的なアプローチはせず、あくまでも自然に向かい合っていけば、自然と悲しみ等の複雑なモノが現状下100であっても、ゆうさんの支えもあれば段々と、50くらいまでには数値的に下がるのでは無いのでしょうか。私は、悲しむ時は徹底的に悲しむべきだと考えますよ。ただし要注意は、人が悲しむときには、なぜかよってくる人がいるという現実です。守ってくださいね。ゆうさんも必要以上に肩をはらずに、自然に一緒に悲しむのが1番最善だと思います。

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思いをお父様にお伝えなさって下さいね

拝読させて頂きました。
彼女さんの大切なお父様がお亡くなりになり彼女さんもあなたも大変なショックを受けているでしょう、そして深い悲しみやさみしさや後悔の念にさいなまれておられるのかと思います。その思いはとても大きく深いでしょう、お気持ちを心よりお察しします。
お父様は彼女さんやご家族の皆様とのご縁の中でかけがえのない素晴らしい人生を生き抜いていかれたのではないでしょうか、与えられたその人生を皆さんと一緒に心から幸せに生き抜かれて天寿を全うなさっていかれたのではないかと思います。

お父様が心安らかになります様切にお祈りさせて頂きます。至心合掌 南無阿弥陀仏なむあみだぶつ

お父様は必ず仏様がお導きなさって下さり、先に往かれた親しい方々やご先祖様がお父様を優しくお迎えなさって下さいます。お父様は仏様のもとで一切の痛みや苦しみや迷いからも救われて心から安心なさり、ご先祖様と一緒に清らかにご成仏なさっていかれます。お父様はこれからも彼女さんやご家族の皆様やあなたも含めて親しい方々を優しく見守っていて下さるでしょう。お父様と彼女さんやご家族の皆様やあなたとのご縁はこれからもずっと永遠に続いていくのです。そのご縁は決して切れることはないのです。

彼女さんやご家族の皆様の悲しみや後悔は尽きることはないでしょうけれども、どうかこれからお父様に心からお向き合いなさり安らかになります様にと心からご供養なさって下さい。そしてお父様への様々な思いをありのままお父様に心の中でお伝えなさって下さい。お父様は彼女さんやご家族の皆様・あなたの思いを全てありのままに受け取って下さいます、そして優しく寄り添いなぐさめて下さいます。それはこれからもずっとですからね。

いつの日か皆さんがそれぞれに天寿を全うする時には必ず仏様がお導きなさって下さり、お父様が優しくお迎えなさって下さいます。そして共に喜び合い分かち合うことでしょう。

彼女さんやご家族の皆様そしてあなたもこれからもお父様とのご縁を大切になさって下さい。そして合間合間にお父様に心から語り掛けて下さいね。いつでもお父様は皆さんの思いや声に耳を傾けていて下さいます。

皆さんがこれからもお父様とのご縁を大切になさりながらお互いを思いやり、仲良くお健やかに生き抜いていかれます様心からお父様にお祈りさせて頂きます。

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Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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質問者からのお礼

心優しい回答をくださり、ありがとうございました。
彼女にお父さんはご先祖様方に迎えてもらっていると伝えたところ、お父さんは寂しい思いをしていないんだと分かり、少し気持ちが楽になったようです。
また彼女への接し方につきましても、無理にこちらから何かするのではなく、お父さんの話を彼女の方から話し出してくれたときに寄り添い話を聞くといったことを心がけていたところ、泣いて話すのではなく笑いながらお父さんとの思い出を話してくれるようになってきました。
お坊様方のお言葉をいただき、彼女自身少しずつではありますが、前を向いて歩いていけているようです。
本当にありがとうございました。

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