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恋人のお母様を泣かせてしまいました

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有り難し有り難し 13

私にはお付き合いをしている同性の恋人がいます。
先日、その恋人とともに、向こうのご両親の希望もありご挨拶に行きました。
前提としてまだまだ同性カップルについての理解が追い付いていない現状のなか、ご両親ともに至って冷静で寛大な対応をしてくださったと感謝しています。

ただ、どんなことを言われても受け止めようと覚悟していったものの、
「近所のお友達に孫ができたと話せない」「家族やお友達の誰にも紹介できない」「できることなら今すぐ別れさせたい」「これからは嘘をついて生きていかなければならない」と、お母さまに泣かれてしまったことがずっと心にひっかかっています。その場ではひたすら相槌を打つのが精いっぱいでしたが、時間がたつにつれ引っ掛かりが大きくなってしまいました。

親として一言言わずにはいられないことがあるということは理解しているつもりです。それでも自分の子供がさらに子を持つかどうかは親が決めることではないし、まして他人に紹介されるために結婚や出産をするわけではないと感じました。
同性同士だろうと異性同士だろうとそれは変わらないはずなのに、同性同士だからこのようなことを言われるのだなと思うと、少し悔しいです。

さらにそこから私の老後はどうしてくれるの、といったことも聞かれ、
どんなことを言われてもとは覚悟していたつもりでしたが、本当に申し訳ないと思いますが我が子のためというより世間体が気になることや自分の理想の家族像にならないことに対して嘆かれているように見えてしまい、まして私は他人のままとして扱われるだろう中で今後のサポートのことまで積極的に考えるのは難しいと感じてしまいました。
恋人もかなりフォローに回ってくれたこともあり、なんとかその日は終えることが出来ましたが、もう今後はできれば会いたくないというのが本音です。
とても褒められた感情でないことはわかっていますが、この気持ちを少しでも吐き出させていただきたく、投稿いたしました。
少しでもこのことを前向きに捉えて生きていける考え方があればご教授ください。よろしくお願いいたします。

2021年12月14日 15:40

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

ぜひともパートナー様と幸せな人生を歩んで下さい

状況を冷静・客観的に見て,相手の心情にも配慮した上でお考えになっておられる様に思います。「とても褒められた感情でない」とは,とんでもないことです。難しい状況と頭では分かってはいても,他でもなくパートナー様のご両親からその様なことを言われては,傷つくのは当然だと思います。しかしその自らの感情に対してさえ,冷静に向き合っていらっしゃる様に思います。

ぜひともパートナー様と幸せな人生を歩んで下さい。難しいことも少なくないと思いますが,その歩みは他の同性カップルを勇気づけると思います。またその歩みが,日本における同性カップルへの理解の深まりに繋がればよいなと思います。

私としては,ごく些細な1点を除いて,ゆゆ様のお考えに反するものではありません。その1点とは,できれば今回の挨拶1回で評価を決めないで欲しい,ということのみです。仰る通り,残念ながら日本では,「まだまだ同性カップルについての理解が追い付いていない現状」です。向こうのご両親(特にお母様でしょうか)が「世間体が気になることや自分の理想の家族像にならないことに対して嘆かれている」のは,現状では仕方ない面はあろうかと思います。すぐに理解してくれというのも少し酷かなと思います。

恐らく思考済みとは思いますが,これは誰が悪いというより,日本社会で同性カップルに対する理解が進んでいないことに原因がある様に思います。世間体や理想の家族像は,社会の既存の価値観に由来します。向こうのご両親が既存の価値観に基づき,世間体を気にされたり幸せを願ったとして,それを責めることは出来ない様に思います。

ゆゆ様カップルが新たな幸せの形を示すことが出来れば,向こうのご両親のお考えも変わっていくかもしれません。その様にして近しい人たちの価値観が変わっていけば,この社会の価値観も変わっていくかもしれません。その意味でも,ゆゆ様カップルにはぜひとも幸せな人生を歩んで頂ければと思います。

2021年12月15日 13:21
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有り難し
おきもち

僧侶であり,とある国立大で仏教文献学を教える教員です。 かつて,僧侶...
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質問者からのお礼

ご回答ありがとうございます。
拝読させていただきました。

仰る通り、私自身突然のことに無理もないとわかっていながら、一度のご挨拶で次を怖がるのはまだ早いのかもしれないと思うことができました。時間はかかかもしれませんが、焦らずにお互いが穏やかに過ごせるあり方を模索できればと思います。

私の心情も慮ってくださり、贈っていただいたあたたかい言葉を読みながらとても勇気づけられるのを感じました。
素敵なお手紙をいただけたこと、本当にありがとうございます。
改めて、これからも前向きにパートナーと支え合いながら日々を過ごしていけたらと思います。ありがとうございました。良いお年をお迎えくださいますよう、細やかながらお祈り申し上げております。

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