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神様も仏様も、必ずしも信じられない

回答数回答 1
有り難し有り難し 6

以前「何を信じて生きていけばいいかわからない」ということで投稿させていただき、ご回答もいただいたのですが、やや気になる点があり追加で質問させていただきたく。

自分としては誠実にあろうと生きたつもりでした。
でも、家族間でも、仕事でも、あったことをなかったことにされてみたり、なかったことをあったかのようにされてみたりで責められ、うつ病にもなり、とうとうここ1年半くらいは引きこもりや寝たきりに近い状態になってしまいました。

物の善悪も、何を信じて生きていけばいいかもわからなくなりました。
それでも回答をいただき、自分を大切にして、やはり今までの自分を信じて誠実に生きていく方が良い方向へ向かえるだろうと思えてきました。

そうする中で、もう一回本気で取り組める仕事にも出会いたいし、楽しい趣味も見つけたいし、心穏やかに落ち着いて生きていきたいとも考えています。

ただ、「神様や仏様は見ている」という言葉が回答の中にあり、少し暗い気持ちも残ってしまいました。

神様や仏様がいるのなら、どうしてここまで至る前・・・あの時に助けてくださらなかったのか。あの時、あのひどい扱いをしてきた者たちに報いを与えて下さらなかったのか。もし私が間違っているというのなら、こうなるまでにそれを教えて下さらなかったのか。何ならば、今の私を救ってくださらないのか。何が足りないというのか。

そんな汚い感情を払拭することが出来ません。「神様仏様はそういう都合のいいものではない」、もしかすると「私が以前の何かの報いを受けているだけだ」、と言われてしまうかもしれませんが・・・。

そう考えると、
『本当に今まで通り真面目に誠実に生きる方向で大丈夫なのか?』
『今までの道徳をすべて捨て去るようなこともしなくていいのか?』
『それで「誰かに都合のいい人間」でなく、自分が良い人間となり、よき人生を送れるのか?』

汚い感情と一緒に、まだそういう迷いも多少残っています。
「よき人生を送れるかはわからないけど、無理に全部変えないで、今までのものをアップデートする形で十分じゃないかな」とは思うのですが。

神様や仏様に求めすぎるような汚い思いや、そもそも神様や仏様といった存在にどう向かいあうべきなのか。そして落ち着いた心で生きるためのアドバイスをいただけますと幸いです。

2023年12月5日 17:59

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

「信じる」ということ

MKさま

神や仏も、何が凄いから、どこが優れているから、どうして尊いから「信じる」かも大切なことになりますが、無理に信じようとなさられる必要はないかと存じます。

安易に信じようとはせずに、修学を続けて、とことんまで納得して、得心するまでは、疑問を持って取り組まれることも大事なことになります。

仏教では、「法を拠り所とし、自分を拠り所としなさい」と釈尊は説かれており、仏、如来を拠り所にしなさいとは、おっしゃられてはいないのであります。

法は、つまり、真理となります。

仏教では、因果の法、縁起の法、空(智慧・般若)の法となります。

そして、何よりも迷い、苦しみを乗り越え、克服し、悟り、涅槃へと向かうのは、自分自身の問題となります。

悟り、涅槃は、仏が与えてくれるものではなく、自分自分の手で解決して、自分の心を陶冶していかないといけないのであり、そのためのヒント、方法、手段を仏が教えてくれているということになるのであります。

どのような方法、手段があるのかとなれば、大乗仏教では六波羅蜜の実践となります。在家であれば、五戒を守り、功徳に努めて、智慧の修学が大切なことになります。

より詳しくとなれば、シャーンティーデーヴァ大師の「入菩薩行論」がかなり役に立つでしょう。是非、参考になさって下さい。

合掌

2023年12月6日 11:34
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有り難し
おきもち

Eishun Kawaguchi
最新の仏教論考はこちらでご覧頂くことができますが、公開、非公開は随時に判断...
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質問者からのお礼

ご回答ありがとうございます。

無理に信じなくても、日々取り組みながら過ごしていく中で信じる気持ちが深まるならそれでよし、というつもりでやっていきたいと思います。

どういう心持ちでどう生きるかは、やはり自分自身に問わなければならないのですね。今は自分の中で仏教に対する熱が強い状態なので、その智慧を得ながら、実体験を経ながら、自分を磨いていきたいと感じました。

「入菩薩行論」も、解説書なども出ているようなので、文字に弱くなってしまった身には少し見た限り相当堅くて素直に入りにくい内容ではあるのですが、読んで取り入れるところは取り入れる気持ちで今はいます。

「法を拠り所とし、自分を拠り所としなさい」の言葉、改めて覚えておきます。心より感謝します。

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