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都合のいいことだけを信じていいのですか?

回答数回答 1
有り難し有り難し 8

いつもお世話になっております。
辛い時、苦しい時、hasunohaがある、以前質問に答えて頂いたお坊さんやどなたかの悩みを晴らしてくださるお坊さん方と感謝で繋がったご縁がある、と思い、日々を乗り越えていくことができています。有難うございます。

悩むことが多い人生、書籍やこうしたインターネットの情報源に頼り多くの意見に触れています。

ご相談したいのは
「受け入れるべき指摘/受け入れたくない指摘、
これを自分の判断で分けて良いものか?」という事です。

率直に、自分の判断に自信がない人間です。

「お前は変だ」と学友に言われ育った子供でした。なので、他人の意見をまず調べ、取り入れる習慣が有ります。

中にはこちらを否定するような、辛辣な意見もあります。
真実は耳が痛いもの、「受け入れがたいことこそ真実なのでは」と考え、それも信じていました。

日々情報収集の結果、今では真実は無いと悟りました。

では、都合のいいことだけを信じて良いものか?
悩んでしまいます。

私が最も恐れるものは「裸の王様」「井の中の蛙」になることです。

謙遜しすぎるとまた「卑下ばかりする態度にいらいらする」と思う人がいるそうです。

丁度、ここで「謙遜する私でも認めてくれる人がいるだろう」
と信じるのと、
「謙遜してばかりの卑屈な人間は嫌われ者だから、直すべき」
と捉えるのと
どちらが良いのだろうというご相談になります。

他人を気にせず前向きに生きよう!という教えがマジョリティ側と感じていますが、
欠点を直さずに開き直っていることにならないのかな…と迷ってしまいます。

自分の判断で分けて良いのか、といいましても個々誰かに相談できるわけではないので、
いつも悪い方ばかり取ってしまうため、新しい見解を取り入れたいです。

自分より遥かに長くお知恵と経験を積まれたお坊さんは
どうお考えになるのか、教えを請いたいと思います。

長文失礼致しました。どうぞよろしくお願い致します。

2024年10月17日 22:14

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

ポリシーのレベルを上げる

 こんばんは。何だか偉そうなタイトルにしてしまいましたが、ポリシーとか信じていることは、日々アップデートして良いのだろうと思います。
 つまり「謙遜することで周りとうまくやれる」というポリシーで行き詰まったら、それを変える。ネットの意見というのは「誰かが、誰かを想定して言っている」ことなので、殆どはあなたを知らない人が、あなたを見ないで言っていること。その意味で「真実はない」という気づきはその通りだと思います。
 そしてね、敢えて逆に振れてみるといい。「ゴーマンかも知らないけど、私はこう思うのよ」と。で、さらにその結果が集積されたら、まだチューニング。全世界ではなく、あなたが関わる人たちの中で丁度いい立ち位置を見つければ良いのです。
 その段階では、ポリシー自体が変わってくるはずです。「固定的な自分像に拘泥しない」って。ポリシーの抽象度を上げると言えば分かりやすいかも知れません。
 これは具体的なポリシーではありませんが、自分の振れ幅を大きくできるのは利点だと思いますよ。落ち着くべきは、あなたの人間関係の中でどうか?ということです。
 この俯瞰があると、新しい環境でも適応しやすくなると思います。「この人との関係においては、この塩梅がいいんだな」って。
 「他人を気にせず」とは異なりますが、「他人を無視して」ではありません。他人を知っているからこそ、「この人は大袈裟に言いがち」「この人が言うのはよっぽどのこと」と、適切なフィルターをかけられるのです。彼氏とか旦那さんに「あんたの事気にしてないから」とはいきませんよね。そして「あなたの望み通りにするわ」もまた苦しくなります。
 問いに即して書くなら、「だれに対しても謙遜」も「誰に対しても尊大」もレベルの低いポリシーで、「相手によって自分をチューニングする」が高めのポリシー。
 大変ですか?その通り。だから「自分に関わりのある、大切な人」と思える方に、このポリシーは発揮しましょう。

2024年10月17日 23:19
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有り難し
おきもち

一般大学(一般的でもないが…)から大正大学の史学コースへ。そののちお寺。坊...
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質問者からのお礼

佐藤良文様

ご回答頂きありがとうございます。
世界中の人間相手ではなく、限られた狭い人数と付き合っていくのだという視点が抜け落ちていました。
相手を見て、一人一人に合わせられるような柔軟性を持つこと、それがポリシーのレベルを上げるということなのだなと理解しました。

回答を読ませていただいて初めて独り善がりな考え方に気付き、恥じると共に反省する機会を頂けたことにも大変感謝しております。
憑き物が取れたような気持ちです。第三者視点を持って内省を続けていきます。ありがとうございます。

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