僧侶が回答。自慰行為やアダルトビデオの見すぎ。性欲をどう抑えればいいですか?
わたしたちが普段抱えている欲望や執着のことを煩悩と言いますが、その煩悩の中でも一番制御しがたいのは性欲だといわれております。たしかに、自分の意思でコントロールするにはむずかしい場面もありますよね。そういった性欲の悩みに対しお坊さん方はわたしたちにどのような回答を導いてくださるのでしょうか。とても気になるところです。
それでは20代男性namunamuさんからの相談をご紹介いたします。
性欲とどのように向き合えばよいのでしょうか
大学生になって1人暮らしをはじめてから性欲が強くなってしまい2,3日に1度は自慰行為をしてしまいますし、アダルトビデオ(AV)をみてしまいます。人格形成のうえでよいこととは思えません。=中略=ひたすら我慢をしたこともあります。しかし、寝れなくなったり、学業に集中できなくなります。人として道を踏み外さないようにするために、性欲とどのように向き合えばよいのでしょうか。
という相談が届きました。自分が「こうありたい」という理想の姿と、現実では抑えきれず自慰行為をしてしまう後ろめたい気持ちの間で悩み苦しんでいるようです。わたしたちは突然湧き上がる欲望をどのように抑えていかなければならないのでしょう。
お坊さんへお話を聞いてみました。
性欲はあって当然ですよ。それが人です。
悶々として何も手につかなかったり、人として道を誤りそうなら自慰行為はすべきでしょう。=中略=さっさとスッキリして学業等に勤しみましょうよ。性欲は悪ではありません。個人的な自慰行為のことであれば、人格形成とは全く無縁であるとお思いください。
こちらのお坊さんは、ズバリ自慰行為は男の生理だ。単なる排出行為だと割り切っていらっしゃいます。たしかに、身体の中に溜まったものを外へ出す。という行為は、ごく自然で当たり前なことですよね。そこに、色恋沙汰が絡んでくるとややこしくなりますが、誰にも迷惑をかけることでなければ心配しなくても大丈夫そうです。
意識次第でかわる。そして善と悪の見極めが大事
性欲はもって生まれたものですから否定すべき事ではありません。性欲は男性女性にとっては当然のものですし、用い方を誤らなければ生命の誕生につながる聖なる欲、聖欲・生欲ともなります。
仏教では、欲望・煩悩を悟りへと向けた善い力へと転換を図ろうとするところもございます。=中略=要は、悪い欲と良い欲を見極めて、善い欲を増幅させて、悪い欲を抑えていけるようにしていくことが大切になるのではないかと存じております。
たしかに、人間に性欲があるおかげで人を好きになり愛し合うことができます。また、性欲によって新しい命が誕生するなどすばらしさもありますね。本能で湧き上がってくる性欲は生きて行く上で自然なことで、否定をするものではないのかもしれません。しかし、欲の中にはプラスのものと、マイナスなものがあるように、ネガティブな心から生まれる欲は、自分やまわりを傷つけてしまうので注意が必要です。
nmunamuさんのお気持ち
どうしようもない状況になっていましたが、だいぶ気が楽になりました。=中略=性欲に関して悩んでいたことから、仏教に出会うことができました。=中略=自分の欲は善いものか、悪いものかの見極めが大切ですね。ありがとうございました。
元の問答:性欲とどのように向き合えば
日々修行に励まれているお坊さん。性欲を抑える方法に関してはもっと厳しい回答を予想しておりましたが、「性欲はあって当然」と言われてほっとしました。その上で、わたしたちは欲望に囚われ過ぎず、この欲がよいものか悪いものかの見極めを間違えないようにしたいものですね。
このように普段なかなかまわりには相談しにくい内容でもhasunohaではお坊さんが親身になって聞いていただけますよ。今回もお坊さん方のおかげで仏教がより身近に感じることができました。ありがとうございました。