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仏教の世界観  縁起・無自性・空

「宗教の自由」という言葉があるように、宗教とは極めて個人的な事柄です。したがって、私の答えも極めて個人的な見解とし受け止めていただければと思います。

宗教は、私たちの人生に意味付けをするものだと言えます。

現代社会は、一見、科学万能主義的に見えますが、科学は私たちの生き方(人生に対する価値観)を問うことは出来ません。

それは科学は相対化された世界を分析することは出来ても、相対化されえない、つまり、他者・他の物事との比較によらない、「自分はどう生きていくのか。」には答えることは出来ないからです。

(人生に対する価値観)を問うとは、私たちの人生に意味を見出すことです。

それは決して相対化された世界観ではなく、絶対的な、どのような場所、時間(時代)においても適応できる普遍的なものでなければならないのです。

ある人は、科学も普遍的な真理を扱っていると言うかもしれません。

しかし、たとえば、水はH2Oだと言っても、H(水素)とO(酸素)がないところでは水は出来ません。太陽は東から昇り西に沈む、と言っても、太陽は永遠に存在する星ではありません。いずれは消滅してしまうものです。

また東、西もまさに相対的な認識です。

このような相対的な世界に自分自身の生き方を見出すことは、不安定な世界に身を置くことに等しいのです。ですから、人は絶対的な世界を求め、宗教を生み出したのです。

そのような宗教の一つが、仏教です。

仏教は「私たちから人生の苦しみを取り除くために、この世界のものはどう在るのかを考察し、そこに我々の生き方(人生に対する価値観)が明らかにされてくる世界」として、この世界を捉えています。

つまり、仏教において、この世界が縁起・無自性・空の世界であると説かれる時、「私たちから人生の苦しみを取り除くためには、私たちは物事に対して、無執着でなければいけない。」という、私たちの生き方(人生に対する価値観)に問いかけてくる世界が開けてくるのです。

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